1月26日から27日にかけてアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで決勝レースが行われるデイトナ24時間レースに、ウェイン・テイラー・レーシング(WTR)から参戦するフェルナンド・アロンソと小林可夢偉が、間近に迫った本戦に向けて意気込みを語った。
『ロレックス・デイトナ24』は北米スポーツカーシリーズの頂点であるIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの開幕戦。ル・マン24時間、スパ24時間とともに世界三大耐久レースのひとつにも数えられる。
そんな年始のビッグイベントにF1ワールドチャンピオン経験者であるアロンソと、同じくF1経験者の可夢偉が参戦する。アロンソは2018年に続いて2年連続2回目のデイトナ参戦、可夢偉はこれが初参戦だ。
ふたりは大会連覇中のキャデラック陣営のなかでも優勝候補とされるWTRから出場し、10号車キャデラックDPi-V.Rをドライブする。本戦を間近に控えた可夢偉は「北米でレースを戦うことは自分も含めたドライバーの多くが目標にしていることのひとつ」と語っている。
「僕にとって北米レースシリーズへの参戦初戦がデイトナ24時間であることは、本当に光栄なこと。初めて走行したときから、(最大30度の傾斜がある)オーバルも含めて、デイトナはすばらしいトラックだと思いましたね」
「面白かったのは、初めてオーバルセクションに差し掛かったとき思わず無線で叫んでしまったのに、チームは誰も返事をしてくれなかったこと。僕を楽しませようとしてくれたんだと思いますけど、NASCARに向けた準備なのかと錯覚しましたよ(笑)」
「僕たちはこういった耐久レースの戦い方を熟知していますから、チームとドライバーが互いの経験を活用して速さを引き出せればと思います。僕自身、このチームに加わったのは今年が初めてですけど、いい形でスタートを切れたと思っています」
「ヨーロッパとは違って、ファンとの距離が近いのも楽しいですよ。デイトナの雰囲気を堪能していますし、アメリカにNASCARやインディカーといった人気の高いシリーズが存在する理由も分かる気がします」
■2度目のデイトナ24時間に挑むアロンソ「F1とはまったく違うスタイルが必要」
2018年のデイトナ24時間ではマシントラブルに見舞われ総合38位/クラス13位だったアロンソは、F1現役生活から一度身を引き「乗り込むマシンが変わるたびに新たな挑戦が待っている」生活を楽しみたいと述べている。
「乗り込むマシン、シリーズごとに、ドライビングスタイルやレースへの取り組み方などが変わってくる」
「F1では予選と決勝のスタート、1コーナー、オープニングラップで勝敗が決まっていた。ただデイトナでは安定した速さやトラフィックの処理、最後の数時間はマシンを無事にチェッカーまで運ぶスキルが求められる。おなじモータースポーツだけどまったく違うスタイルが必要なんだ」
「去年は僕にとって北米スポーツカー初戦だったし、クローズドコクピットのマシンをドライブするのも初めてだった。今年はもっとレースを楽しめるはずだし、(トヨタから参戦している)WEC世界耐久選手権での経験も活きてくるはずだよ」
「いつも高い目標を掲げているけれど24時間レースがどれだけチャレンジングなものか知っているし、24時間の間に何が起きるか予想することも難しい。とにかく落ち着いて自分たちのパフォーマンスを発揮するだけだ。そうすれば結果は自ずとついてくるはずさ」