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セバスチャン・ローブ、”氷上の格闘技”シリーズ最終戦パリにゲストエントリーへ

2019年01月24日 07:02  AUTOSPORT web

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1990年に創設され、今季で30周年を迎える"氷上の格闘技"、アンドロス・トロフィー
フランス国内を中心に開催され“氷上の格闘技”とも称されるアンドロス・トロフィーの2018-19年シーズン最終戦に、9度のWRC世界ラリー選手権王者セバスチャン・ローブがゲスト参戦することが決定した。2月にパリのスタッド・デ・フランスで開かれるイベントでは、電気自動車部門のトップカテゴリー、エリート-プロ・クラスにエントリーする。

 アンドロス・トロフィーで2010年から新設されたトロフィー・エレクトリック部門は、この2018-19年シーズンから競技車両が最新モデルに切り替わり、従来までの内燃機関V6エンジンをミッドシップに搭載したエリート-プロ・クラスと並行して4輪駆動、4輪操舵のフルEVマシンで争われている。

 2019年シーズンはヒュンダイに移籍し、WRCに復帰して6戦にエントリーすることも決まった伝説的ドライバーのローブは、2月9日に開催される特別フォーマットの最終戦でこのエキサゴン・エンジニアリング製のフルEVマシンをドライブ。F1にスポット参戦経験を持つ大ベテラン、フランク・ラゴルスとともにトロフィー・エレクトリックの複数セッションを戦うことになった。

 この最終戦では、ふたりのドライバーがエリート・クラス、エリート-プロ・クラスにそれぞれエントリーするシリーズレギュラーのイベント形態とは異なり、文字どおりマシンをシェア。耐久形式のレースフォーマットでの勝負となり、レース中盤でドライバー交代を行うことになる。

 1990年に創設され、今季で30周年を迎えた雪上のラリークロスとも言うべきこの名物シリーズでは、フランスを代表するドライバーたちが数々の戦績を残しており、ツーリングカー界を代表するドライバーとなったイバン・ミューラーがそのキャリア初期に10度のシリーズチャンピオンとなり歴史に名を刻んでいるほか、F1を退いたアラン・プロストも3度のタイトルを獲得。

 今季も元F1ドライバーのオリビエ・パニスやその息子でツーリングカーを中心に活躍するオーレリアン・パニスらが参戦し、そのオーレリアンは現在シリーズ3連覇中のWorldRX世界ラリークロス選手権ドライバーでもあるジャン-バティスト・デボンらとチャンピオンシップ争いを繰り広げるなど、シングルシーター、ツーリングカー、ラリークロスなどあらゆるカテゴリーからのトップドライバーが集っている。

 そのアンドロス・トロフィー参戦が決まったローブは2014年にも雪上レースデビューを果たしており、サンテロック・レーシングの『シトロエンDS3 V6』をドライブしヴァル・トランス戦にエントリー。さらに時間を遡り、2008年のスタッド・デ・フランス戦では当時WRCでステアリングを握っていた『シトロエンC4 WRC』でのデモ走行も担当している。

 2019年はプライベーターのプジョー3008DKRでダカールラリーを戦い総合3位でフィニッシュしたローブは、すでに南米から欧州に帰還し、WRC開幕戦モンテカルロ参戦のためヒュンダイ・モータースポーツに合流。

 伝統の1戦でヒュンダイのデビュー戦を終えたのち、このパリ市街北部に位置する国内最大のスタジアムでのイベントに挑むことになる。

 また先週末には、F1チームのメルセデスAMGペトロナス・モータースポーツでリザーブを務めるエステバン・オコンが、同じくトロフィー・エレクトリックのマシンをシリーズ第3戦の会場となったイソラ2000でテストしその動向が注目されているほか、最終戦のスタジアム会場ではWRCでシトロエン復帰を決めたセバスチャン・オジェによる『シトロエンC3 WRC』でのデモラン披露も予定され、イベントに華を添えることになっている。