給付型奨学金紹介サイト「Bekkaku」を運営する「ファクト」は1月7日から、不動産会社の日本システム管理と協力し、大学生に1年間無償で物件を提供する「奨学ハウス」の募集を始めた。他の奨学金との併用が可能で、奨学生として採用されると、2019年4月1日から2020年3月31日の1年間、家賃がかからずに住める。
提供物件は関東の一都三県の都心近郊市内。物件の詳細はセキュリティーの観点から公表せず、採用者と個別で相談した上で決定する。物件は、東向き5.5畳の1Kや、バストイレ別のワンルームなどを想定しているという。
「夢や目標に向かって努力をした結果が自己破産というのは悲しすぎる」
リリースを発表したファクトは、奨学金を返せず自己破産する人が多い現状から、
「夢や目標に向かって努力をした結果が、自己破産という結末というのは悲しすぎると思います。不幸になる学生を一人でも減らしたいとの思いから、『奨学ハウス』制度を始めることにしました。私たちのように、『奨学ハウス』制度を始める不動産会社が日本に広がることを期待しつつ、私たちが先頭を切って『奨学ハウス』制度を始めます」
とコメントしている。
応募できるのは、今年4月から来年年3月に大学で就学している日本国籍の学生。他にも、「夢や目標に向かって努力していて、結果も残している方で、家庭事情や経済的理由により修学に困難がある方」「喫煙者では無い」などの条件がある。
所得の制限はないものの、苦学生を支援したいという思いから、家庭の所得が400万円以下の人は優遇される。成績表の添付も必須だ。高3年生の場合は、駿台、代々木ゼミナール、河合塾など、外部模試の成績表を提出する必要がある。
採用者は、アンケートやインタビュー掲載、写真掲載に協力する義務が生じる。応じられない場合は奨学制度の対象外となる。
また、ひとり親家庭の場合には3か月以内に取得した住民票(世帯全員)の写しも提出が必要だ。1期生の募集は1月31日で締め切られ、書類審査通過者を対象に面接が行われた後、3月4日に奨学生が決定する予定だ。募集は「Bekkaku」サイト内で行われる。