シンガポール発の瓶入りティラミス店「ティラミスヒーロー」とロゴやコンセプトが酷似していると物議を醸しているティラミス専門店「ヒーローズ」。
ヒーローズは1月20日、表参道に1号店をオープン。ネットでは批判的な声が相次いでいるが、「ヒーローズ」の店舗や味には触れられていない。現在、一体どうなっているのか。キャリコネニュース編集部は実際に店舗に行ってみた。
「抹茶」を食べたい場合は8個入り(6000円)の購入が必須
ヒーローズ1号店に行ったのは22日13時ごろ。場所は表参道駅から徒歩7分程度、国連大学の近くにある。
オープン3日目と言えば表に開店祝いの花がある印象だが、店先には花だけでなくメニュー表などもなかった。一見すると何を販売しているのか分からない状態だ。
店は販売のみでイートインコーナーはなし。入店すると、最初に商品ケースが目に入る。スタッフ1人が店先に立っており、記者のほかに客は誰もいなかった。店員さん曰く、「今日は大体こんな感じ」とのことだ。開業祝いと思われる花は店内に飾られていた。
同店で売られている商品は「瓶入りティラミス」。ケーキ屋のように商品を1つずつ選べるのかと思っていたのだが、セット販売しかなかった。セットは2種類あり、4個入り(税抜3000円)と8個入り(税抜き6000円)で、内容は固定されている。
4個入りは「ティラミス」「いちご」「プリン」「チョコ」で、8個入りは4個入りの商品に加えて「メープル」「ブルーベリー」「抹茶」「キャラメル」が入っている。つまり「抹茶」が食べたい場合、8個入りを買うしかないのだ。
商品を購入している間、4~5人程度の客が入店したが、店員に単品での販売はしていないと聞いて、何も買わずに退店する人もいた。また冷蔵と冷凍の商品が用意してあり、冷凍だと日持ちするとのことだ。
1個750円なだけあって食べごたえは十分だけど……
編集部が購入したのは4個入りセット。1個あたり750円の計算になるが、どの種類も食べごたえがあった。ケーキを食べる際はちまちま食べてしまうが、瓶に詰めた状態だとすべての層をスプーンですくって食べたくなる。
「ティラミス」は、分厚い2層のクリームと、コーヒー風味のシロップを浸した生地から成り立っている。この3層を一緒に食べるとなると、結構な分量だ。クリームは口の中いっぱいに、コーヒー風味のシロップは噛むごとにじゅわりと広がる。
「プリン」はとろけるタイプで、これも下にある生地が相まって食べごたえが担保されている。全体的に甘めのカラメル味で、シロップが浸された生地の食感が楽しい。「チョコ」はクリーム多めのチョコレートケーキといった感じで、甘い物をたくさん頬張りたいという欲求に応えてくれそうだ。
「いちご」はジャム・ペーストの中に果肉が入っていた。甘すぎず、いちごやチーズなどの酸味が際立っていた。どれも1口の満足感はもちろん、全体量もしっかりしている。1瓶当たり750円はいいお値段がするという思いは拭えないが、お土産に持っていくと喜ばれるのではないだろうか。
ただ前述の通り、バラ売りが無いというとハードルが高そうだ。またイメージキャラクターに三浦翔平さんを起用していることから20代の若い女性をターゲットにしていると見られるが、一つも食べたことがない状態でいきなり3000円以上のセットを買うのは中々難しいものがある。
なお本家とされる「ティラミスヒーロー」広報担当者によると、同店も基本はセット売りをしていたが、催事に出店するときはバラ売りをしていたという。「ヒーローズ」も売り方を考えた方がよさそうだ。