企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」は1月8日、「40代の年収が高い企業ランキング」を発表した。
本ランキングは、「キャリコネ」のユーザーが投稿した情報をもとに、40代の平均年収(※)が高い企業をまとめたものとなっている。仕事への責任が急激に増える人も多い40代、この年代の年収が高いのはどんな企業なのだろうか。
外資系IT企業が1位と2位となった。2社ともパフォーマンスに応じた報酬を支払う制度となっていることで知られている。また、3位から7位まではすべて電機メーカー、10位のルネサスエレクトロニクスは大手半導体メーカーとなった。
いずれの労働組合も歴史のある電機連合に加盟しており、労働者の権利を主張しやすい環境にあることが、今回の結果に反映されていると考えられる。では、実際に勤めている人たちはどう感じているのか。トップ10入りした企業の口コミをご紹介する。
※本ランキングの平均年収とは、キャリコネ会員のうち勤務先を評価対象企業に選択した会員が投稿した給与情報から算出したデータとなる。
ソニー「部署が変わった瞬間に一気に賞与が上がったことも」
1位:日本ヒューレット・パッカード(平均年収961万円)
「営業は予算が非常に大きく、簡単に達成できるものではありませんが、達成したときの報酬も大きいです。部署によって文化も違いますが、数字達成のために貪欲になる方が多いのはどの部署にも共通しています。当然のことながら、数字が伸びないと部署の雰囲気も悪くなりますが、基本的にみんな仲が良いです」(代理店営業/40代前半男性/年収1200万円/2008年度)
「サービス部門は、提案に関わったメンバーであればエンジニアであっても受注した金額に応じてインセンティブが出ます。それなりのお小遣い稼ぎになります。言い換えれば受注がよくあるお客様の担当であればインセンティブが頻度よく出ますが、そうでない場合は、あまりインセンティブがもらえず、担当顧客による差が出ます」(アカウントエクゼクティブ/40代前半女性/年収1000万円/2012年度)
2位:日本アイ・ビー・エム(平均年収942万円)
「明確なJOBアサイン(仕事の振り分け)とTarget(目標)が決められており、実績に基づいた報酬が得られる。目標達成のために必要となる部門間の連携のしくみも明確になっている。年間計画は、年初にビジネス、個人のスキル向上、部下の育成のポイントで上長との面談によって決まりデジタルな目標で評価される」(法人営業/40代前半男性/年収1500万円/2010年度)
「仕事はノルマ等があるわけではないが、徹底指導はなく、全て結果主義。英語力、資格取得数等でボーナスの査定に影響する。また所属する組織全体の業績+個人業績+会社全体の業績が大きく影響する。自己啓発を絶えず行い、会議の場で積極発言等することで認められる風潮が社内にはある。学閥はない」(カスタマーサポート/40代前半男性/年収1000万円/2008年度)
3位:ソニー(平均年収937万円)
「日本のメーカーのなかではかなり恵まれていると思う。30歳代リーダークラスで700万円~800万円、40歳代課長クラスになれば、1000万円は超えてくる。報酬は月収ベースと業績給に分かれており、上級管理職になるほど業績給の割合が多くなる」(経営企画/40代後半男性/年収1270万円/2011年度)
「配属される部署によって賞与が異なる。部署が変わった瞬間に一気に賞与が上がったこともある。30歳で700万円、35歳で850万円、40歳で1000万円ほど。ちなみに部長になると1500万円ほどもらえるようになるが、責任は重い。その反面、一般職は非常に楽」(研究開発/40代前半男性/年収1000万円/2008年度)
パナソニック「課長職以上は年俸。課長職の場合は会社の業績に準じ、業績で毎年変化」
4位:NEC(日本電気)(平均年収886万円)
「報酬のボラティリティ(変動率)が極めて小さい。成果を出している人とそうでない人の差があまりない。査定制度はよく研究されていて進歩的であると思う。報酬の差については、結局うまく判断されているように見える。評価は複数の段階の上司によって行われるので、結局そこまですれば評価の妥当性は担保される、ということかも」(経営企画/40代後半男性/年収1340万円/2009年度)
「半年に1回、上司との面談によって賞与の査定が行われる。昇給は年に1回。目標に対して自己採点と上司の採点があり、採点内容は本人に明示される。主任未満は業績による変動分があまり多くない」(研究開発/40代前半男性/年収690万円/2011年度)
5位:東芝(平均年収856万円)
「主事補、主事、副参事、参事、上席参事……という階段があり、副参事までいけば世間一般と比較しても悪くない報酬が出る。大体30代後半から40代前半くらいで昇格する場合が多い。筆記試験やTOEICの点数で昇格の合否を決めたりすることがないので、日頃の頑張りが重要にはなるが、結構な割合の人が到達できる」(機械設計/40代前半男性/年収1000万円/2016年度)
「40歳前後の副参事で60万円にボーナス月2回で1000万円超え。査定は期末に自己申告したのを上司がどう判断するかによる」(商品企画/40代前半男性/年収1100万円/2016年度)
6位:富士通(平均年収806万円)
「成果制です。上下半期はじめに、上位方針をもとに上司と相談し業務目標を設定し、各半期の末に設定した目標に対して自己・上司が評価を行います。評価した結果に応じて5段階の査定が付きます。昇格・昇進にはこの査定が高査定を維持している必要があります。また査定は段階毎に分布(%)が決まっています」(プロジェクトリーダー/40代前半男性/年収750万円/2013年度)
7位:パナソニック(平均年収783万円)
「課長職以上は年俸です。給与テーブルや計算方式は社員に事前に説明されていますので、オープン性、納得性は高いと思います。課長職の場合は会社の業績に準じますので業績により毎年変化します。この件については、自分の職位および責務と年俸の関係を理解していますので納得済です」(調査・分析/40代前半女性/年収1000万円/2010年度)
8位:日産自動車(平均年収771万円)
「やる気次第では、給料アップも望めるが、年功序列のところもあり、ある程度年数が経たないと、安定した給料にならない。手当などは充実していると思う。福利厚生もしっかりしているほうだと思っている」(販売促進/40代前半男性/年収600万円/2015年度)
9位:楽天(平均年収767万円)
「福利厚生はベネフィット・ワン(福利厚生業務代行会社)が提供しているものは使用可能です。退職金制度はありません。食事はビル内にカフェテリアが2か所あり、朝昼晩の三食全てが無料です(時間は24時間対応ではなく決められています)。あらかじめ申請しておけば、イスラム教徒の方々用に作られた弁当を選択することが可能です」(プロジェクトリーダー/40代後半男性/年収1000万円/2013年度)
10位:ルネサスエレクトロニクス(平均年収754万円)
「平均給与はそんじょそこらの会社よりははるかに高いでしょう。35歳~40歳の課長クラスで800万円以上は間違いない」(研究開発/40代後半男性/年収950万円/2010年度)
調査対象は、『日経業界地図 2018年版』(日本経済新聞出版社)に記載があり、対象期間中に「キャリコネ」に40代のユーザーから給与情報が10件以上寄せられた企業。対象期間は、2014年4月~2018年3月。