思いやりに欠け、人権意識が薄いブラック企業では、パワハラが当たり前のように起こっている。キャリコネニュース読者から寄せられた実体験をいくつかご紹介する。営業職の20代女性は反対意見を伝えるとキレる上司のもとで働いていた。当時の状況について、
「そのまま机や物を蹴りあげ怒鳴り散らす 翌日の全体ミーティングでネチネチと至らない点をつつき怒鳴り散らす」
と振り返る。また女性は骨折翌日に展示会会場に立たされ営業させられたことなども明かした。「まだありますね。留まることを知らないこの怨み」という言葉から、憤りが尋常でないほど感じられる。
「『使えない』『いらない』など罵られ、首根っこを引っ張られることも」
運輸業で働いていた30代男性は、「駐車場を歩いてるだけで、車道から駐車しようと入ってきた先輩社員に『ひき殺すぞコラ』と恫喝された」と綴る。日常的に「使えない、いらない」などの罵りを浴びたほか、首根っこを引っ張られるなどの暴行も受けた。男性は、
「ただでさえ人が入ってこない業界なのに、この態度だとさらに人は離れる 教育って大事だなと思った」
と嘆いている。販売・サービス業の40代男性の職場は、「社長や従業員ほぼ全員が、下品、無神経」という。男性がもっとも不快だったのは、一方的に「アスペルガー症候群呼ばわり」されたことだった。男性は、
「しかも従業員全員の前で言いふらす。それで『いじめてるのではない』とか意味不明で勝手極まりない正当化をする」
と怒りをあらわにした。低賃金で土曜も祝日以外は休みなし、ボーナスや退職金もない待遇の悪さもあいまって、男性は1年ほどで退職した。
「辞めさせたい職員を個室に呼び、人格否定の恫喝、死ねなどの暴言……酷いものだった」
販売・サービス業に従事していた30代男性は、「毎日早番遅番の事務作業、休み時間0、休日出勤当たり前、ストレスで2~3日寝れないの当たり前」という労働環境で働いていた。体力の限界に達した男性は上司に「体が持たない」と訴えたが、翌日から
「お前は会社の癌だ」
「ここにお前の居場所はないんだよ」
などの暴言を吐かれるようになった。誰も相談できる相手のいない中で働き続け、精神的にバランスを崩し「自ら命を絶つ選択を迫られたのは4回程ありました」と明かす。
管理・事務職の50代女性の勤務先には、複数のパワハラ上司が幅をきかせていた。彼らはやりたい放題で、「嫌いな職員を退職に追い込んだり契約更新しなかった。それが原因で数十人が退職をした」という状況で、社内にはもはや秩序がなかったという。
「仲間はずれ、辞めさせたい職員を個室に呼び、人格否定混じりの恫喝、死ねなどの暴言……酷いものだった」
パワハラを受けた本人は心に深い傷を負い、その後の人生にマイナスの影響を及ぼしてしまう、許されない行為だ。パワハラを受けたと思ったら、されたことを記録し、会社窓口や人事担当者に相談、または労働基準監督署の総合労働相談コーナーなど外部相談窓口を利用すべきだろう。