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WRC:トヨタ、三冠獲得を目指す3年目。“ALL FOR WIN”を合言葉に第1戦モンテカルロへ

2019年01月18日 18:41  AUTOSPORT web

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マニュファクチャラーズタイトル防衛とドライバーズタイトル、コドライバーズタイトル獲得に挑む
1月24~27日に行われる2019年のWRC世界ラリー選手権の開幕戦、第1戦モンテカルロ。2018年のマニュファクチャラーズチャンピオンであるTOYOTA GAZOO Racing WRTは、オット・タナクとヤリ-マティ・ラトバラに新加入のクリス・ミークを加えた3名にトヨタ・ヤリスWRCを託し、シーズン初戦に臨む。

 シトロエンへ移籍したエサペッカ・ラッピに代わり、これまで同チームでエースを務めてきたベテランのミークを迎えたトヨタ。2019年はマニュファクチャラーズタイトルの防衛と、昨年逃したドライバーズチャンピオン、コドライバーズチャンピオン獲得を目指し“ALL FOR WIN”を合い言葉にシーズンを戦う。

 シリーズ開幕戦の舞台は例年モナコ公国と隣国フランスを舞台に争われる伝統のラリー・モンテカルロ。戦いの舞台となるスペシャルステージ(SS)はターマック(舗装路)路面だが、山間部に設定されるSSは雪が降っていることや路面が凍結していることがあるなど、1ステージのなかでさまざまな路面コンディションに直面することがある。

 そのため、ドライバーには路面状況の正確な判断能力が求められるほか、タイヤ選択、直前にSSを走行して最新状況を伝えるセーフティクルーの役割も重要となる。

 2018年、このラリー・モンテカルロでトヨタ陣営はタナクが総合2位、ラトバラが総合3位とふたりそろって表彰台を獲得。またシトロエンにいたミークも総合4位を獲得している。

 ここ数年、ラリー・モンテカルロのセレモニアルスタートはモナコ公国で行われてきたが、2019年はフランス南部の街、ギャップで開幕。ラリーの本拠地となるサービスパークも、この街に設定される。大会のSSもすべてフランス国内での実施だ。

 競技初日となる24日(木)は午前中にシェイクダウンが行われた後、日没後にセレモニアルスタート、その後現地19時過ぎからSS1~2が行われる。

 競技2日目の25日は(金)はギャップを中心にSS3~8の6SSが行われる。競技3日目の26日(土)はSS9~12の4SS、最終日の27日(日)はSS13~16の4SSで争われる。

 4日間合計で16SSが行われ、走行距離は323.83km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1366.43kmだ。

 指揮を執るチーム代表のトミ・マキネンは「新たなるシーズンの開幕に興奮している。ドライバーのラインアップが変わり、新たにクリス(ミーク)がチームに加わったが、他のチームも顔ぶれに大きな変更があったから、モンテカルロはきっと興味深い展開になるだろう」と語っている。

「もちろん、シーズンの開幕戦としてはとても難しいイベントだが、我々の選手は皆モンテカルロで多くの経験がある。ドライバーとして私がモンテカルロで成功したのは現役時代最後の数年間だったことを考えても、経験こそがもっとも重要であると思うよ」

「1年前と比べるとオット(タナク)はクルマに対する理解を深めているし、ヤリ-マティ(ラトバラ)は昨シーズン終盤本当に強力だった。また、クリスはチームとクルマにすぐ馴染んだから、我々はチームとして、自信を持ってモンテカルロに臨む」

 2018年シーズン、最終戦までチャンピオンを争ったタナクは「昨年よりもはるかにリラックスした気分でモンテカルロを迎えられそうだ。12カ月前は自分にとってすべてが新しいことだったが、今年はクルマもスタッフも昨年と変わらないから、今や本当に強いチームになったと信じている」と述べた。

「昨年のモンテカルロでの2位はいい結果だった。それよりもひとつ上の順位を得られれば申し分ないけど、そのためには本当に強力なライバルたちとの戦いに勝たなければならない」

 これが13度目のシリーズフル参戦となるラトバラは「優勝に対するモチベーションは依然高く、究極の夢であるドライバーズ・タイトルも狙っている」と意気込みを語ったほか、トヨタとの初戦に挑むミークは「モンテカルロに関しては大きな目標を設定していない。当面の優先事項は、もう1度純粋に運転を楽しむこと」とコメントしている。