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DEAN FUJIOKA、星野源らも評価する理由 “最適な音”への探究心とグローバルな背景から考察

2019年01月18日 10:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 DEAN FUJIOKAが、本日1月18日放送の『ミュージックステーション 2時間スペシャル』(テレビ朝日系)に出演。新曲「Maybe Tomorrow」を歌唱する。


(関連:ディーン・フジオカがライブで提示する、ボーダーレスな「魅せるエンターテインメント」


 DEAN FUJIOKAは、国際派俳優としても活躍するミュージシャンだ。「Maybe Tomorrow」は、1月30日リリースの新アルバム『History In The Making』に収録。1月19日放送開始のTVドラマ『僕の初恋をキミに捧ぐ』(テレビ朝日系)のために書き下ろした楽曲となっている。そんなDEAN FUJIOKAは現在、SNS上でも大きな話題を集めている。


 その発端は、どついたるねんが昨年12月に開催したライブにある。彼らは当日のステージで「人生の選択 feat. PUNPEE」を歌唱。その際、歌詞のフックを〈この世で一番飛べるのはディーン・フジオカのダブステップ〉とアレンジして歌い上げた。このパワーフレーズとともに、当時のライブ参加者がその模様を拡散したことで、DEAN FUJIOKA本人の目に留まったようだ。彼は今回の件について、「このフック #この世で一番飛べるのはディーンフジオカのダブステップ で一緒にTシャツ作ったら面白そうですね」と喜びを表していた(参考:DEAN FUJIOKA 公式Twitter)。


 そのほか、DREAMS COME TRUE・吉田美和や、過去にラジオ番組で共演した星野源からも高い評価を得ているDEAN FUJIOKA。彼の音楽は、底知れぬ知的探究心と、類まれであるグローバルな経験によって成立しているようだ。


 なかでも印象的なのが、昨年6月リリースの2ndシングル表題曲「Echo」における制作エピソード。同楽曲は、自身主演のTVドラマ『モンテ・クリスト伯—華麗なる復讐—』(フジテレビ系)主題歌に起用された。DEAN FUJIOKAは制作にあたり、ドラマとも親和性ある“絶望の嘆き”をテーマに、トラックに使用する“不気味で不穏な音”を探したという。そのなかで出会ったのが、イギリスが発祥となったベースミュージックの新ジャンルである“Wave”だったとのこと。結果的に、楽曲に必要なテイストを調べ上げたことで、国内でも革新的な音作りに意図せず成功したようだ。(参考:DEAN FUJIOKAが語る、『モンテ・クリスト伯』主題歌への想い「絶望や答えのない問いを描いた」)。


 また、同じく昨年6月放送の『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にゲスト出演した際には、星野とともに“作品タイアップ”に対する見解を述べていた。アニメやドラマに寄り添った楽曲を書き下ろすことで、アーティストの持つ世界観を良い意味で予期せぬ方向に導くことがあるだろう。その一方、時にはアーティスト自身の特色が損なわれることも懸念される。しかし、星野は番組内で「タイアップだからこそ広がっていく良さがある」と肯定的にコメント。DEAN FUJIOKAも「大変だけどすごくやりがいのあること」と、タイアップ楽曲ならではの良さを評価していた。


 彼の音楽において、タイアップ作品もまた新たな“刺激”を求める上での重要な要素のひとつなのだろう。実際に、前述したインタビューでは「新しいものには、あくまで“自分の中での新しいもの”と、技術の進歩などによって生まれる“世の中にとって新しいもの”があると思いますが、僕はその両方が好きなんですよ」と、その間口の広さを示す言葉が見られた。


 これは、2016年10月リリースのアニメ『ユーリ!!! on ICE』(テレビ朝日系)主題歌「History Maker」なども同様だろう。アニソン特有のフォーマットに、ワルツ調で奏でられるオーケストラ、さらにはブロステップやトロピカルハウスなどのダンスミュージック要素を落とし込んだ、ミクスチャーサウンドが特徴的だ。アイススケートをテーマとした『ユーリ!!! on ICE』の世界観にも相応しい。同楽曲もまた、自身の好奇心から作品に対する“最適な音”を追求したひとつの証明なのかもしれない。


 そして、DEAN FUJIOKAが持つ大きな魅力の一つは、彼自身のグローバルな成り立ちにあるのだろう。ここまで記した通り、彼の探究心は楽曲の新規性にも強く結びついている。その姿勢はまさしく、アメリカや中華圏、東南アジアなどを渡り歩いてきた、彼ならではの経験に由来しているのかもしれない。DEAN FUJIOKA自身がミクスチャーな存在だからこそ、その音楽はミクスチャーな音楽ジャンル=“DEAN FUJIOKA”として成立しているのだ。


 「Maybe Tomorrow」もまた、彼のアーティスト活動において新たな一面を開拓する楽曲になるはずだ。『僕の初恋をキミに捧ぐ』では、ドラマ本編にどのような彩りを添えるのだろう。そんな期待感を膨らませつつ、今夜の『ミュージックステーション』でのステージを楽しみに待っていたい。(青木皓太)