元F1ドライバーのジャック・ビルヌーブは、モータースポーツのキャリアに乗り出すことを夢見るドライバー志願の子の親たちに、明確な助言を持っている。
1997年のF1世界チャンピオンであるビルヌーブは先日、急成長中の若い才能を発掘して支援する若手ドライバープログラム、“フィード・レーシング”の設立を発表した。
ビルヌーブの友人で共同出資者でもあるパトリック・ルマリとともに進めたこの構想は、80年代と90年代に多くのフランス人ドライバーのキャリア向上とF1昇格を支援し成功したプログラムを手本とするようだ。
「今では、才能よりも資金面の貢献がより重要になっている印象がある」とビルヌーブはカナダのLe Journal de Montrealに語った。
「ドライバーとしてのキャリアを望むのは、子供にとって少々非現実的なことになっているんだ」
「僕は何年にもわたってパドックにいて、物事がどう進められるのか目にしているし、僕にも子供がいるからかもしれないけど注目してきた」
ビルヌーブは若い才能を支援することを望んでいる一方で、自分の子供にどのようにレースを始めさせるか尋ねてくる親に対しては、驚くような返事を用意している。
「親たちはしばしば私のところに尋ねにくる、『息子をサポートするために何をすべきでしょうか?』と。その質問に対する私の最初の答えは『何か他のことをやるように彼に言いなさい』だよ」
「ひどい答えだが、私は嘘をつくことができない」
「今では、ティーンエイジャーにレースをさせるのは、彼に巨大なツリーとともにクリスマスプレゼントを与えるようなものだ。教育というのはそういうものではないと思う」
ビルヌーブとルマリエによる“フィード・レーシング”の構想は、経験に関わらず14歳から20歳の誰もに門戸を開いている。参加費用は1万7000ドル(約185万円)だ。
96人の参加者が、マニクール・サーキットでF4マシンでのプログラムスタートに参加する。そして勝ち抜き戦の末、5人のドライバーが最終戦で対決することになるのだ。
11月に発表される優勝者には、イタリアンF4選手権シーズン中の参戦費用のすべてが支給される予定だ。