レッドブル・レーシングがパワーユニット(PU/エンジン)をルノーからホンダに変更したことが、チーフテクニカルオフィサーのエイドリアン・ニューウェイのモチベーションを再燃させたと、モータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコが語った。
1990年代にウイリアムズとマクラーレンのタイトル獲得を支えた天才エンジニアのニューウェイは、2006年にレッドブルに加入。2010年から2013年の4年連続ダブルタイトル制覇に貢献した。その後、F1の業務を減らし、レッドブルとアストンマーチンのヴァルキリープロジェクトなどに取り組んできた。
しかしニューウェイは2017年以降、再びF1への関与を深めてきている。レッドブルが長年のパートナー、ルノーと決別し、2019年からホンダのパワーユニットを搭載するという決断を下したことは、ニューウェイのモチベーションをより一層高めたと、マルコは言う。
「ニューウェイはもはや毎日決まった仕事をして過ごすようなことは望んでいない」とマルコ。
「一日一日の契約のような形で我々のための作業に当たっている」
「彼はヴァルキリープロジェクトに関心を持ち、夢中になった。彼には常に新しいタスクを用意する必要があるのだ」
「エンジンに関して可能性がないなら、今のようなニューウェイを見ることはできないだろう。彼は(12月にホンダのモータースポーツ技術開発を担う研究所である)HRD Sakuraを訪れた。我々は、彼が必要としているものを提供する方法を見つけたのだ。それこそがチームに大きな価値をもたらす」
レッドブルとニューウェイとの現在の契約期間は2019年末までであるとみられているが、当然のことながらマルコはこの契約をさらに延長することを望んでいる。2021年にはF1に大規模な技術レギュレーション変更が行われることもあり、ニューウェイの力が必要だと考えているのだ。
「ニューウェイは重要なファクターだ。新しい空力規則が導入された時、我々は方向を完全に間違ったが、バルセロナまでにマシンの競争力を取り戻した」
「ニューウェイにはそれができるのだ。彼は設計段階で、技術データがない状態でも、誤った部分を見つけ出す」
「『これはうまくいかない』と指摘するのだ。彼のオフィスは自宅のようだよ。コンピューターなしに、大きな製図板だけで作業をする」
「他の人間が、皆に理解できるようにコンピューター言語に変換する。そういうやり方で、彼は95パーセント正しい設計をするのだ」