トップへ

新型『ヒュンダイ・ヴェロスターN TCR』がデトロイトで初公開。IMSA参戦へ

2019年01月16日 17:41  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2019年のIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジに参戦する『ヒュンダイ・ヴェロスターN TCR』
ヒュンダイ・モータースポーツと、そのカスタマーレーシング部門は、1月14日に開幕したアメリカ・デトロイトで開幕したデトロイトモーターショーで新型TCRマシン『ヒュンダイ・ヴェロスターN TCR』を初公開。2018年にピレリ・ワールドチャレンジ(PWC)でチームタイトルを獲得したブライアン・ハータ・オートスポート(BHA)に2台を託し、2019年のIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジに参戦するとアナウンスした。

 2018年に創設されたWTCR世界ツーリングカー・カップでは初のタイトルウイニングマシンとなったヒュンダイi30 N TCRとの兄弟モデルであり、市販モデルでも一部コンポーネントを共有するヴェロスターN TCRが、次期カスタマーマシンとしてワールドプレミアされた。

 北米では高性能版の“N”モデルが設定されないi30(北米名:エラントラ)とは異なり、モータースポーツでのイメージをそのまま反映できるクーペボディを採用することもあり、ヒュンダイ・アメリカ主導の公式プログラムとして、商業的な意味合いも含め迅速な開発作業が続けられてきた。

 ヒュンダイ・モーター・アメリカのマーケティング担当副社長であるディーン・エバンスは「このヴェロスターN TCRこそ、IMSAのミシュラン・パイロット・チャレンジに完璧なフィットをみせるマシンであり、我々のモータースポーツでの規模拡大を象徴する1台になる」と、発表会の席上で意欲をみせた。

「まったく新しい2019年型のヴェロスターとヴェロスターNは、遊び心あふれるファン・トゥ・ドライブなモデルだ。そしてブライアン(ハータ)と彼のチームのおかげで、我々はそのパフォーマンスを北米中のレーシングファンに紹介できることにとてもワクワクしているよ」

 昨年はPWCに新設されたTCRクラスに参戦し見事初年度のチームタイトルを獲得したBHAは、今季の主戦場をIMSAにスイッチ。TCRマシンがエントリーするIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジ・シリーズで、引き続きチームのレギュラーを務めるマイケル・ルイスとマーク・ウィルキンスがエースカーをドライブ。2台目は新加入のメイソン・フィリピとハリー・ゴットサッカーにニューモデルのステアリングを託す。

「ヒュンダイ・カスタマーレーシングとの提携でi30 N TCRを走らせた昨年の成功は、彼らのモータースポーツ・プログラム拡大を後押しするとともに、新型ヴェロスターN TCRの投入と、よりレース距離が長く経験豊富なドライバーが参戦する厳しいシリーズへのチャレンジを促す契機になった」と語るのはBHA代表のブライアン・ハータ。

「ヴェロスターの軽量で堅牢なアーキテクチャーを耐久レースカーに転用することで、成長を続けるヒュンダイのNブランドに対する信頼を築き、その活躍がすべての車種ラインアップに波及効果をもたらし、スポーティなイメージ強化に繋がるはずだ。この新型TCRカーでのレースデビューが今から待ち遠しいね」

 この新型ヴェロスターN TCRは、成功作となった『ヒュンダイi30 N TCR』と同じくヒュンダイ・モータースポーツの本拠地となるドイツ・アルツェナウで開発され、350PSの2リッター直列4気筒直噴ターボを含む85%のコアコンポーネントをi30 N TCRと共有している。

 ライフ・レーシング製ECUやディスプレイ類を始め、6速のニューマチックパドルシフト、APレーシング製セラメタリック・ツインプレート・クラッチ、フロントマクファーソン、リヤ4アームマルチリンクのサスペンション、フロント6ポット、リヤ2ポットのブレンボ製ブレーキキャリパーなど、その多くのパーツで信頼性が確保された構成となっている。

 デビュー戦となる2019年IMSAミシュラン・パイロット・チャレンジの開幕戦は、1月25日のデイトナ24時間となり、北米中心に全10戦のシリーズが予定されている。