全4戦で争われる2018/2019年AsLMSアジアン・ル・マン・シリーズの第3戦が1月13日、タイ・ブリーラムのチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、ユナイテッド・オートスポーツの22号車リジェJS P2・ニッサン(フィル・ハンソン/ポール・ディ・レスタ/組)が今季初優勝を飾った。
AsLMSは、毎年6月にフランスで開催される伝統の耐久レースイベント『ル・マン24時間』への挑戦切符をかけたル・マン・シリーズのアジア版。今季は18年11月から19年2月までに上海、富士、チャン、セパンを転戦し、これを勝ち抜いた計3つのクラスチャンピオンがル・マンに招待される。
そんなシリーズの後半戦を迎えた第3戦チャン4時間レースには、3クラス合計19台が出走した。13日に行われた決勝では、前戦優勝マシン、アルガルベ・プロ・レーシングの24号車リジェJS P2・ジャッドと同チームの25号車リジェJS P2・ジャッドがスタート直後にワン・ツー体制を構築してレースをリードしていく。
しかしその後、予選2番手から3番手にポジションを落としていたハンソン駆る22号車リジェが先行するライバル勢を猛追。4時間レースの早い段階でこれを攻略すると、リードを保ったままディ・レスタにバトンをつないだ。
ユナイテッド・オートスポーツの22号車リジェはレース終盤、燃料が足りなくなりスプラッシュ・アンド・ゴーを行うこととなったが、2番手以下に充分なリードを築いていたことからピットアウト後も首位の座をキープ。そのままトップチェッカーを受け、ハンソン、ディ・レスタ組が2018/19年シーズン初優勝を達成した。
総合2位はポールシッターの24号車リジェ、3位にはエンジントラブルで後退したARCブラティスラバに代わって、パニス・バルテス・コンペティションの35号車リジェJS P2・ジャッドが入った。この結果、22号車は今回の勝利でチャンピオンシップポイントを62点とし、24号車に対するリードを18点に広げている。
■CARGUY Racingが開幕3連勝でフェラーリ488 GT3の通算200勝目を飾る
最多8台がエントリーしたLMP3クラスは、レース序盤から激しいバトルが続いたが、最終的にこれを制したのはユナイテッド・オートスポーツの2号車リジェJS P3・ニッサン(クリス・バンコム/ガレット・グリスト/ウェイン・ボイド組)だった。
クラス2位は開幕戦ウイナーでランキングトップに立つインター・ユーロポール・コンペティションの13号車リジェが続き、エキュリー・エコス/ニールセン・レーシングの79号車リジェが続いた。
チャンピオンシップでは13号車が62ポイントでトップに。これを54ポイントのユナイテッド・オートスポーツ2号車と、43ポイントを獲得している同3号車が追いかけている状況だ。
GTクラスではティアンシ・レーシングの66号車アウディR8 LMSがスタートからリードを築くが、1回目のドライバー交代後には開幕2連勝中のカーガイ・レーシング、11号車フェラーリ488 GT3(木村武史/ケイ・コッツォリーノ/ジェームス・カラド組)がクラス首位を奪取してみせる。
その後11号車フェラーリはピット作業違反のペナルティや他クラス車両との接触があったものの、最終的にはティアンシ・レーシングのもう一台、88号車アウディに23秒差をつけてトップチェッカー。上海、富士に続き、チャンでもクラス優勝を飾った。なお、この勝利でフェラーリ488 GT3は通算200勝を達成している。
クラス2位以下は88号車アウディ、3位にスピリット・オブ・レースの51号車フェラーリ488 GT3、そして66号車アウディが4位というリザルトになった。
チャンピオンシップでは開幕3連勝を達成した11号車フェラーリがポイントを76に伸ばすも、戴冠決定とはならず。しかし、ランキング2位の51号車フェラーリとは24ポイント差となり、目標とするル・マン挑戦権へあと一歩に迫った。
各クラスのシリーズチャンピオンならびに、ル・マン24時間への自動招待チームが決定するアジアン・ル・マン・シリーズ2018/19年シーズン最終戦は2月24日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催される。