メルセデスF1トップのトト・ウォルフは、ルーキーのジョージ・ラッセルはF1で秀でるために必要な要素の多くを持っており、最終的にはスターにまで登りつめると考えている。
ラッセルは過去数年にわたる育成期間のなか、2017年にGP3、2018年はFIA F2でのタイトル獲得に成功するなど印象的なパフォーマンスを見せ、2019年はF1へとステップアップを果たす。
20歳の若手ラッセルは、関係者からも“本物”と目されており、そうした認識がメルセデスの育成プログラムからの卒業と、ウイリアムズ加入につながっている。
第一印象を与えるチャンスは一度きりだ。ラッセルがウォルフに初めて会ったとき、彼は明らかに注意をひく存在だった。
「ジョージとの最初の出会いは彼が15か16歳のころで、私にミーティングの場を設けるように頼んできたんだ」とウォルフはFormula.comに対して述べている。
「夢あふれる若者たちに会うことを、私は本当に楽しみにしていた。彼は黒のスーツにネクタイを締め、ノートを抱えていたんだ。イギリスF4のタイトルだったと思うが、彼は『ちょうど勝ってきたところで、F3を走ることを考えている』と言ったんだ」
ウォルフに対し、ラッセルは以下のように続けて尋ねた。
「『イギリスのチームの残るべきだと思っている。なぜなら僕はとても若いし、カーリンのことも分かっている。もしF3での初年度にメルセデスエンジンのマシンに乗っていなかったら、メルセデス加入の目はなくなってしまうだろうか?』」
ウォルフはラッセルの成熟度合いと、その考え方に感心したという。
「15か16歳にしては思慮深い質問だ。本当に驚いたよ。良い頭脳を持っていて、共感する力や社会的なスキル、ドライビング能力もある」
「私は『我々のチームが抱えたドライバーのなかでも、最高と言えるひとりだ』というセバスチャン・フィリップ(F2時代に所属していたARTでのラッセルのボス)の言葉を繰り返すことしかできなかった」
「イギリス人ドライバーがまたひとり増えた。将来的に、スターになるかもしれないドライバーがね」