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フォーミュラE第2戦マラケシュ:BMW勢が同士討ち。ダンブロシオがシーズン2以来の勝利を挙げる

2019年01月13日 06:21  AUTOSPORT web

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マラケシュE-Prixを連破したマヒンドラ・レーシング
1月12日にABBフォーミュラE選手権第2戦マラケシュE-Prixが行われ、ジェローム・ダンブロシオ(マヒンドラ・レーシング)がシーズン2のメキシコ戦以来となるフォーミュラE3勝目を挙げた。

 観光地としても有名なモロッコ中央部の都市マラケシュで行われるフォーミュラEシーズン5の第2戦。ウォールに囲まれた全長2.97kmのコースで45分+1周の決勝レースがスタートした。

 ポールポジションからスタートしたサム・バード(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)は、2番手のジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)に強引にインを差され両車は接触。

 バードはトップをキープするも、ベルニュはスピンを喫し19番手まで大きく後退。3番手スタートだったニッサン・e.ダムスのセバスチャン・ブエミも、その煽りを受けて13番手まで落ちてしまう

 3番手に浮上したのは開幕戦のウイナー、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(BMW i・アンドレッティ・モータースポーツ)。さらに前を走るチームメイトのアレクサンダー・シムズを第3ターンで交わし2番手にアップする。

 マラケシュE-Prixでは、アタックモードアクティベーションゾーンが第3ターンのアウト側に設置され、アタックモードは2回の使用が義務付けられている。

 まずは7周目に18番手のマキシミリアン・ギュンター(GEOXドラゴン)が使用し、15番手までポジションをアップ。9番手のダニエル・アプト(アウディ・スポート・アプト・シェフラー)もアタックモードを使用し上位を狙う。

 バードはトップをキープするも6番手のジェローム・ダンブロシオ(マヒンドラ・レーシング)まで僅差で続いていく。30分手前となる11周目にダ・コスタが仕掛け、バードと接触しながらトップに浮上。さらにシムズもバードを交わし、BMWがワンツー体制に。

 ペースの上がらないバードが蓋となり後続を引き離していくBMW勢。その2台を追いかけるのは、ヴァージン勢を交わしたダンブロシオ。さらにアタックモードを使いポジションをアップしたルーカス・ディ・グラッシ(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)だ。

 残り19分を切るとダ・コスタ、シムズがアタックモードを使用して盤石の体制を築く。

 後ろのロビン・フラインス(エンビジョン・ヴァージン・レーシング)とバードにアタックモードを使用された3番手のダンブロシオは、残り12分でようやく1回目のアタックモードを使いポジションをキープする。

 順調にトップを走行していたダ・コスタだったが、残り9分にBMWアンドレッティにはまさかの事態が発生。

 ストレートでダ・コスタに迫ったシムズがアウト側から並びかけ2台はサイド・バイ・サイドに。両車はタイヤをロックしながらターン7へと向かい、ダ・コスタはシムズと接触。曲がり切れずウォールにヒットし、開幕2連勝を目前にまさかのリタイアとなってしまった。

 一方のシムズもコースオフを喫し、トップにはダンブロシオが浮上。フラインス、バードにも抜かれ4番手に後退してしまう。ここでダ・コスタのマシンを撤去するためセーフティカーが導入。

■ニッサン・e.ダムスはブエミが2戦連続入賞
 残り4分。セーフティカーラップ中にトップのダンブロシオをはじめ各車がアクティベーションゾーンを通過。アタックモードを使用してスプリント決戦に備えるも、セーフティカーランは長引き有効活用することができない。

 そのまま45分を経過してリスタートを迎え、残りはファイナルラップのみに。アタックモードが有効のままファイナルラップを迎えたシムズは、表彰台を獲得すべくバードを強襲。しかしオーバーテイクには至らず。

 トップはダンブロシオがキープし、シーズン2のメキシコ以来となるフォーミュラE通算3勝目となった。昨年もフェリックス・ローゼンクヴィストが勝利し、マヒンドラはマラケシュを連勝。チーム代表のディルバー・ギルも「アメイジング!」と勝利の雄たけびを挙げた。

「レースは信じられないほど激しく戦いだった。コックピットの中ではそう感じたよ。ディルイーヤでもここでもレースペースは素晴らしかったのでトップ5以内の結果がでることはわかっていた。チームが数週間ハードワークをしたことで勝ち取ることができた。今夜は楽しんで、また明日から仕事に戻るよ」とダンブロシオ。

 2位はフラインス、3位にはバードとバージン・レーシング勢が続いた。

 スタートの接触で19番手まで後退してしまったベルニュは5位までポジションアップ。20番手スタートとなったチームメイトのアンドレ・ロッテラーも6位に入り、開幕戦同様にDSテチーターは速いレースペースを見せている。

 ニッサン・e.ダムス勢は、ブエミは8位でフィニッシュ。オリバー・ローランドは15位。

 メルセデスとの契約が残っていたため第1戦は欠場したパスカル・ウェーレイン(マヒンドラ・レーシング)は、7番手スタートもトラブルで序盤でリタイアとなった。