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Modulo Drago CORSE、道上&大津のコンビ継続。「今年は勝ちにこだわるレースを」

2019年01月12日 16:51  AUTOSPORT web

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2019年もModulo Drago CORSEでコンビを組むことになった道上龍と大津弘樹
1月11日、東京オートサロン2019の会場内でホンダが2019年のモータースポーツ活動計画を発表したが、そのなかでGT300クラスに参戦するModulo Drago CORSEが2019年も道上龍と大津弘樹のコンビになることが明かされた。発表会後、道上と大津が2019年に向けた思いを語った。

■2年目に向けキーとなっていた大津の去就
 2017年にはWTCC世界ツーリングカー選手権を戦っていた道上は、2018年に向けてホンダNSX GT3を購入し、自らのDrago CORSEとともにスーパーGTに復帰。全日本F3選手権に参戦していた大津をパートナーとしてGT300クラスを戦った。

 序盤戦こそ国内初導入のホンダNSX GT3とタイヤのマッチングに苦戦していたModulo Drago CORSEだが、上り調子にあった第5戦富士で、公式練習中にヒットされクラッシュ。全損の憂き目に遭ってしまった。ただ新車を投入した後半戦は、第6戦SUGOでの激走、そして第7戦オートポリスでの初表彰台と、たしかな存在感を示し初シーズンを終えていた。

 2年目に向け、その去就に注目が集まったのは大津だ。12月にマレーシアのセパンで行われたGT500のテストに参加し、NAKAJIMA RACINGの64号車をドライブ。トップタイムをマークした。ホンダはGT500、スーパーフォーミュラとも多くの体制変更が予想されており、12月の時点で道上に体制を聞くと、「大津次第ですね」と語っていた。

 しかし1月11日に発表されたチーム体制は、大津のGT500参戦はならず、道上と大津のコンビが継続するというものだった。大津は「みんなGT500にいくものだと思っていましたよね」と笑うが、Modulo Drago CORSEで2年目を戦うことを、大津自身は大いに前向きにとらえているようだ。

「もちろん、一度GT500で走ったので、また乗りたい、ステップアップしたいという気持ちもあるんですが、Modulo Drago CORSEでもっと多くのことを学びたいですね。GT500は“イメージ”がもうできるので、それに向けて足りない部分を、もっともっと培っていければと思っています」と大津は言う。

「2018年の前半戦では、レースウイークの走りはじめはほとんど道上さんが担当していた。その評価が正確だったからこそ、後半戦の結果に繋げられたところがあったと思います。そういところは見習わなければいけないなと思います」

■2年目に向けセパンテストも参加へ
 GT500のテストを経験した大津は、もちろん道上にとっても2年目に向けて、頼もしい存在になるだろう。

「2018年はタイヤテストとか率先してやらせてあげたかったんですが、まだ1年目だし、タイヤの評価をしていくのも難しいところがありました。GT500と違って、たくさんテストができるわけではないですから」と大津について道上は語る。

 そしてチームは、2019年に向けて2月にセパンで行われるテストに参加する意向だという。GT300で参加するチームはそれほど多くはないが、このテストに向け、NSX GT3のエボリューションパーツを投入。そのデータ取りも兼ねつつ、2018年の夏場に起きた暑い時期の対策を練っていく。また、データエンジニアを増やしたりと、チームの底上げも図りたいとしている。

「マレーシアテストでは、たぶんたくさんタイヤを持っていくと思うので、もちろん僕ひとりではこなせる量ではないと思います。そこで大津にも、一発のアタックや、ロングランを含めたトライをしてもらいたいと思っています」

「日本が寒い時季の、限られた時間の中でテストをするよりは、セパンテストは4日間あるし、一日中走れるので、不具合やタイヤのいいところを見つけ、また日本の合同テストに臨んでから、開幕を迎えたいと考えています」

■“比較対象”もできた大津。2年目は結果を求める一年に
 2年目に向けて、ホンダNSX GT3は2台増え、CARGUY Racingが活動を継続すれば4台ものNSX GT3が戦うことになる。道上は「イヤだなあと思いますけど(笑)」と笑うが、「こうしてNSX GT3が増えるのはすごくいいことですし、増えることで全体のレベルが上がっていくと思っています」と肯定的にとらえている。

 そんななかでも、目指すところはさらなる上位進出だ。「昨年はGT300クラスのレベルの高さを感じました。新しいNSX GT3も最初はうまくいかないところもありましたが、クルマのセットアップや開発も進んできた。今シーズンはマシンもエボモデルで進化すると思いますし、僕自身NSX GT3がさらに進化して、もっと上位を戦えるとすごく期待をもっているので、今年はもっと勝ちにこだわるレースをしていきたいと思います」と道上は意気込みを語った。

 そして大津にとっても、GT300で成長した姿をみせ、ステップアップに繋げるためにも結果にこだわりたい一年だ。特に新たにNSX GT3を使用するTEAM UPGARAGEには小林崇志と松浦孝亮というSRSの先輩が、そしてARTAには、福住仁嶺というSRS時代からの仲間であり、ライバルが加わった。

「福住は僕とSRSで同期なんです。道上さんが先生だった時も一緒に行動していたドライバーなので少しは対抗意識があります」と大津。

「絶対に誰が見ても比較対象にはなると思っています。僕はGT300で一年分の経験はありますが、福住も海外でさんざんレースを戦ってきた速いドライバー。常に勝てるようにしていきたいと思っています」

「道上さんと組んだ経験をさらに活かして、セパンテストで示した自分の実力、速さをさらに証明することを目標に、内容の濃い年にできたらと思います。チームの中身もかなり強化していくとのことなので、必ず優勝とチャンピオン目指していきたい」

 全日本F3に上がった頃は、まだ幼い印象もあった大津。しかしF3、GT300を経て、GT500のテストも経験し、この日2年目のGT300に向けた意気込みを語った大津は、たくましさを増しているように見えた。今季のModulo Drago CORSEは、一年目以上に結果が求められることになりそうだ。