トップへ

大森南朋が語る、『この道』EXILE AKIRAとの初共演 「一緒に戦っていける相手がいた」

2019年01月12日 12:22  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 大森南朋とEXILE AKIRAがW主演を務める映画『この道』が、1月11日より公開される。


 佐々部清が監督を務める本作は、童謡の誕生から100年である今年、詩人・北原白秋の波乱に満ちた半生を、音楽家・山田耕筰との友情とともに描き出す。自由奔放な天才詩人・北原白秋を大森、西欧音楽の普及に尽力した秀才音楽家・山田耕筰をAKIRAが演じている。また、その他にも、貫地谷しほり、松本若菜、柳沢慎吾、羽田美智子、松重豊ら豪華キャストが揃う。


 今回リアルサウンド映画部では、大森南朋にインタビュー。AKIRAとの初共演や、本作の撮影裏について語ってもらった。


■「見たことのない北原白秋を演じよう」


ーー今回AKIRAさんとの初共演になりますね。


大森南朋(以下、大森):AKIRAさんは非常に好青年といいますか、音楽業界のトップで活躍されているのも関わらず、こんなにも気さくで腰が低いのかと。顔も強面なので(笑)、少し怖い部分もあるのかなと思っていましたが、すごく優しい人でした。


ーー撮影の合間に、お2人でカラオケに行って「この道」を熱唱したとか。


大森:はい。撮影が終わってからもご飯を食べに行ったりしていたのですが、その流れでせっかくだから劇中で最後歌わなければならないから練習しに行こうと、カラオケに行きました。


ーー「この道」の他に歌った曲は?


大森:歌ったとは思うのですが、かなり飲んだあとだったのでうる覚えでして……。EXILEは歌っていないと思います(笑)。


ーー(笑)。短期間で撮影されたそうですが、他の共演者との中は深まりましたか?


大森:共演者の方々は、これまでも何度も共演させていただいている方たちが多かったです。AKIRAさんは、指揮者であり、ピアノとバイオリンも弾くという役柄でしたので、短い期間でその練習も大変そうでした(笑)。


ーー白秋さんは確かにゆるい感じでしたね(笑)。


大森:いつも二日酔いみたいな感じで(笑)。


ーー白秋さんはこんなに女たらしだったのかと驚きました。


大森:僕もはじめて知りました。映画も、女性の膝枕で耳かきされているというシーンから始まりますので。教科書には「女たらし」とか書けませんですし(笑)。史実としては、山田耕筰さんも結構すごかったみたいで、結婚と離婚を繰り返していたという。文学界のスーパースターですから、そういうこともあったんでしょう。この映画での僕の役割としては、天真爛漫なほうに振り切って、見たことのない北原白秋を演じよう、という話を監督ともしました。子どもみたいな人として、真面目にふざけました。


ーー役作りなどはどうしていきましたか?


大森:1日1日、台本を読んで演技をして作品が作り上げられていくので、撮影を通してそのキャラクターの行き先が見えてきます。自分だけでなく、相手役を見て、監督の話も聞いてみんなで人物像を形作っていきました。その中でもやはりAKIRAさんとの間にある友情が大事で、嘘っぽくならないようにと。白秋は、あの時代に一緒に戦っていける相手がいて、救われるところがあったんだと思います。


■「古き良き日本映画のよさが垣間見えた」


ーー耕筰さんは真面目で音楽に情熱をもって向き合っていて、2人は対照的ですよね。印象的なシーンはありますか?


大森:もみあいになるシーンです。あそこは演じていて楽しかったです。あまりふざけると監督に止められるので、気をつけます、と言いながらギリギリのところを攻めました(笑)。


ーー白秋さんの病床に耕筰さんがお見舞いにくるシーンの背景の夕焼けは、セットを組んでの撮影だったんですよね。


大森:あのセットはすごいですよ。京都の太秦での撮影だったのですが、古い伝統の技術で、江戸時代の街並みを再現しています。そのスタッフの素晴らしさ、古き良き日本映画のよさが垣間見えてすばらしかったです。そういうのを見ると感動するんです。


ーー大森さんは殺し屋やヤクザを演じることも多いと思うのですが、いち観客として『この道』で天真爛漫な大森さんをスクリーンで見られるのは新鮮でした。


大森:天真爛漫といいますか、実在の方を演じることもなかなかないので、楽しく貴重な経験だったと思います。


ーー音楽というところでは、大森さんもバンド活動をされていますね。


大森:俳優は監督がいて共演者がいて、そこに僕がハマってどう表現するのかというところで作っていくのですが、音楽は主導が自分にあります。方法論は違うのですが、その両方があると僕はバランスがとれるというか。俳優も楽しくできますし、音楽活動も俳優のほうに活きていると思います。(取材・文=若田悠希)