1月11日、千葉県千葉市美浜区のホテルで、ピレリ・スーパー耐久シリーズの2018年表彰式と新春懇親会が行われ、多くのドライバーやチーム関係者が集いトロフィーや記念品を受け取ったほか、スーパー耐久機構(S.T.O.)から2019年に向けた発表も行われた。
例年東京オートサロンに合わせて開催されているスーパー耐久の表彰式は、今年も1月11日の夜、幕張メッセにほど近いホテルで行われた。冒頭、シリーズスポンサーを務めたNEXUS株式会社、タイヤサプライヤーのピレリジャパン、一般社団法人日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会(NAPAC)にシリーズへの貢献を感謝する賞が贈られた。
その後はスーパー耐久の各クラスの上位に入ったドライバーたちが登壇し、賞金とトロフィーが授与されたほか、各クラスのチャンピオンチームには、ピレリが供給するF1の風洞テストに使われるタイヤがプレゼントされた。
そして表彰式が終了した後、S.T.O.の桑山晴美事務局長から2019年に向けた発表が行われた。すでにシリーズカレンダーは発表されているが、それに加え近年S.T.O.が注力している『スーパー耐久メディアプロジェクト』についても、さらなる試みが行われそうだ。
スーパー耐久では、Youtubeによるライブ配信や動画コンテンツを積極的に活用しているほか、SNSも有効活用。今後はさらに“S耐カード”と呼ばれるライブタイミング技術なども本格的に導入されていきそうだ。
■1990年代のN1耐久の名車の走りがまた見られる!?
さらに、2019年から新たな試みとして、『スーパー耐久・ピレリ・クラシックチャレンジ』と題したイベントが行われることになった。これは、20年近く前までの車両を使った耐久レースだ。とは言え、時間は60~90分とそこまで長いレースではない。
参加対象となるのは3クラス。ひとつめの『ネオクラシック』は、1990年式までの国産・および輸入車が対象。そして『S耐クラシック』は、2000年式までのスーパー耐久参戦車両、および箱型競技専用車が対象。さらに『その他』のクラスが設けられる。タイヤはピレリP7のワンメイク。当面はそれ以外のタイヤの参加も認めるが、賞典対象外となる。
スーパー耐久は1990年にスタートしたN1耐久をルーツにもっており、90年から2000年までの間にも多くの名車たちが戦った。その車両は東南アジア等に輸出されたマシンもあるが、S.T.O.によれば、「かなりの台数が保存されている」状態だという。
聞くところによれば、R33ニッサン・スカイラインGT-Rやパルサー、エンドレスのマシンが残っているようで、これらのマシンが集えば、長年シリーズを楽しむファンにはたまらないイベントになりそうだ。
現段階では、2019年はシリーズ戦は行わず、第3戦富士SUPER TEC 24時間の決勝前にデモランを予定。2020年から調整可能なサーキットで、スーパー耐久の併催イベントとしての開催を目指していくという。
ヨーロッパでは、過去のレーシングカーは多くが残されており、毎年ニュルブルクリンク24時間ではクラシックレーシングカーのレースが開催され、非常に多くの台数が現役マシンに負けない走りを披露している。今回の試みはファンにとっても人気が高い1990~2000年代の車両が登場することになりそうで、日本のクルマ文化にとっても楽しみなものになりそうだ。