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世帯年収600~800万円の子育て家庭、教育費や住宅ローンにおびえる 「子ども生まれて家のこと考え始めたら鬱っぽくなってきた」

2019年01月12日 09:11  キャリコネニュース

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世帯年収800万円は「中の上」などと言われるが、果たしてどうだろうか。厚生労働省が公表(2016年)している「児童のいる世帯」の、平均所得は約740万円。全世帯では約560万円、中央値は442万円なので、単身者や高齢世帯より多い年収となる。ただ、当然ながら養う口が多ければそれだけ家計はひっ迫するものだ。

12月下旬、2ちゃんねるに「世帯年収600~800万家庭の育児事情」というスレッドが立ち、「育児に関して語りましょう」と呼び掛けた。年収とは「手取りではありません」と注釈しており、額面を指すようだ。スレッドは育児というより節約術や住宅購入の心配など、先行きの家庭財政に不安を持つ人が次々と書き込み、1月に入ってもレスが続いた。(文:篠原みつき)

深く考えず注文住宅購入、子供が産まれ「金銭的にやばいんじゃないか」

600万~800万円では200万円もの開きがあるが、とりあえず全世帯平均よりは多い。子どもがまだ乳幼児なら食費も教育費もさほどかからないし、少なくとも明日の食事に困るような世帯ではないだろう。

それでもスレッドは、クレジットカードでポイントをコツコツ貯める技や、雛飾りは自分のお下がり、お年玉は親戚で話し合い自分の子どもだけ渡すといった、景気の悪い話が多かった。中でも目立ったのが、「今後の教育費が怖い」という声だ。

「子供小さいうちに貯金をしないと間に合わないと聞くけど、幼稚園代と習い事で月5~6万いくわ」
「子供一人の学費で1000万で考えてるけど塾代や習い事代はいくら掛かるのやら」

また、「お金のことは夫に任せてた時だったからあんまり深く考えず注文住宅を建ててしまったけど、子供が産まれた今金銭的にやばいんじゃないかと焦ってる」という声や、

「今まで何とも思わなかったのに、子ども生まれて家のこと考え始めたら鬱っぽくなってきた」

という人も。この方は「夫は新築のデカい家じゃないと嫌だ!なんて言っていたけど、家計簿突きつけて家を建てたら次の子は作れないと言ったらやっと真剣に話を聞いてくれるように…」と明かしている。

子どもが生まれると賃貸から持ち家を考え始める人が多いが、同時に教育費もかさむ。年収800万円近くなら「新築がいい!」と望むかもしれないが、子どもが2人以上で教育に十分お金をかけようと思えば、あまり余裕はないようだ。

高望みすればキリがない、習い事や住宅購入は「身の丈」を考えて

ちなみに子どもの「教育費」は、すべて公立で塾や習い事を多くしなければ、高校までなら1000万円もかからない。文科省が公表している「子どもの学習費用調査」によれば、幼稚園3歳から高3までの15年間、全て公立に通った場合は約540万円だ。一方、全て私立に通った場合の学習費総額は約1770万円。その差は3.28倍にもなる。

いずれにしても、高望みすればキリがない。習い事や学習塾を週に複数回入れれば、家計が厳しくなるのは当然だ。筆者は子どもが中学生になり、とうとう学習塾に通い出したが、ひと月2万数千円のみかと思いきや、冬期講習やテキスト代で事あるごとに万単位が飛ぶのには参る。子どもが大学に行けるように一人っ子にしている、というコメントはいくつもあり、他人事ではない。決して無駄遣いはできないし、クレジットカードのポイントをコツコツ貯めたくもなるというものだ。

スレッドには、住宅を購入した人が「マイホームブルーなのかな」と35年ローンのプレッシャーを語り、「身の丈に合わせて中古住宅や安い建売で良かったんじゃ?って考え始めてる」と不安を募らせていた。子どもがいる幸せはお金には代えられないが、年収600万円~800万円の「身の丈」を正確に捉えるのは、なかなか難しいようだ。