1月6日の『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)では、東京大学や早稲田大学など高学歴でありながらも現在ニート生活を送っている"高学歴ニート"に対して、林修氏が仕事の見つけ方を語った。
番組中、早稲田大学卒の31歳の男性が「好きな仕事じゃないと働きたくない。働かずにブログで食っていければ」と働く気はあるものの、やりたい仕事でないと働きたくないと話す。(文:石川祐介)
自分が「やりたい」と思っていることは偶然によるところが大きい
これを聞いた林氏は「社会で働くにあたって、どっちの軸で考えるかが人生の分かれ目になる」と "やりたいこと"と"できること"のどちらを軸に仕事をするかは重要な選択になると話す。林氏はできることを軸に仕事をしているようで、「僕はこっちのほうが大事なんですよ」と語る。
「好き・嫌いは偶然だと思っています。人間の願望は環境や情報とか外部の要因に出会ったもの」
ゲームを作りたいと"やりたいこと"を語っていた29歳の男性に、「100年前に生まれていたらその願望はなかった?」と聞くと、「なかったです」と答える。そして、「〇〇したい」という願望が生まれるのは偶然の要素がとても強いと説く。
「人は情報に欲望を喚起されて『〇〇したい』って。だから、『やりたいこと』はそんなに絶対的なものなのか? 偶然の出会いの中で、そういう願望がいつの間にか内部化されて、自分の思いにすり替わってないのかっていう風に思うところがある」
自分の現在抱いている願望は内部から出てきたものではなく、外的要因によるところが大きいとし、あまりやりたいことに拘る必要はないと語った。
予備校講師はやりたくなかったが、できることだからやっている
林氏は学生時代に塾で働いていた際に、「どの塾行っても『来週から来てよ』って言われたんです」と塾講師が"できる仕事"であることに気づいたらしい。
ただ、塾講師はやりたくなかったため、大学を出て銀行に入ったり、投資会社を作ったりなど、やりたいことをやっていたという。しかし、そういったことは向いていなかったようだ。借金がこれ以上膨らむと返済するのが大変だと思い、3年でやめた。
「やりたいかどうかの軸で考えるのを止めて、できることをやろうと思って予備校講師に徹した。30年間上手く行かなかったことや悩んだことは何一つない」
できることである予備校講師として本格的に仕事を始めた結果、順調にビジネスライフを送ることができていると現状を語る。
「人がどこに快感を覚えるかはシンプルで、やりたいことをやっている時に『よしっ!』と思う人もいれば、結果を出したことで『よしっ!』と思うタイプもいる」
まずは自分がどういったことに喜びを見出すタイプなのかを見極めることから、仕事を探すことが大切なのかもしれない。