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マッドハウスの作品はなぜ海外からも人気? 「よりもい」いしづか監督&中本Pに聞く【インタビュー】

2019年01月11日 19:53  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

マッドハウスの作品はなぜ海外からも人気? 「よりもい」いしづか監督&中本Pに聞く【インタビュー】
アニメサイト連合企画
「世界が注目するアニメ制作スタジオが切り開く未来」
Vol.10 マッドハウス

世界からの注目が今まで以上に高まっている日本アニメ。実際に制作しているアニメスタジオに、制作へ懸ける思いやアニメ制作の裏話を含めたインタビューを敢行しました。アニメ情報サイト「アニメ!アニメ!」、Facebook2,000万人登録「Tokyo Otaku Mode」、中国語圏大手の「Bahamut」など、世界中のアニメニュースサイトが連携した大型企画になります。


マッドハウス代表作:『幻魔大戦』『妖獣都市』『千年女優』『ギャラクシーエンジェル』『カードキャプターさくら』『DEATH NOTE』『ちはやふる』『デス・パレード』など。

国内のみならず、世界に通用する作品を作り続けてきた制作スタジオ、マッドハウス。その魅力と活力の源はどこにあるのか。2018年に話題となり大ヒットした『宇宙(そら)よりも遠い場所』を送り出した中本健二プロデューサーといしづかあつこ監督に話を聞いた。
[取材・構成=藤津亮太]

マッドハウスのエントランス
インタビュー部屋につながる廊下にはこれまでにスタジオが手がけた数々の作品のポスターが飾られていた
『宇宙よりも遠い場所』の声優陣のサインが書き込まれたパネル
高クオリティのアクションシーンが光る『ワンパンマン』は日本のみならず海外でも人気に火がついた。
――マッドハウスに入る前に、おふたりはマッドハウスにどんなイメージを持っていましたか?


中本
自分はそれほどアニメに詳しいわけではなかったんですが、就職の時にちょっと1回アニメをやってみようと思ってマッドハウスを受けたんです。
その時は川尻善昭監督の作品(『獣兵衛忍風帖』ほか)を作っている会社ぐらいのイメージでした。だから面接に来た時に、会社のドアに結構好きで見ていた『あずきちゃん』のポスターが貼ってあるのを見て「なんであずきちゃんのポスターが貼ってあるんだろう」と思ったぐらいで(笑)。
その時に「アニメ会社は同時に複数の作品を動かしていて複数の監督がいる」という当たり前のことを認識しましたね。

そのころマッドハウスは、TVシリーズを多数制作し始めた時期で、それまでは特に定期採用などしていなかったらしいのですが、急に人手が必要になったこともあり、採用していただくことができました。

いしづか
実は当時私もアニメ会社って本当に知らなくて。就職活動中にアニメ制作を志すようになって、ようやくアニメ会社を調べ始めたのですが、自分が見たことのあるアニメのタイトルがジャンル問わずたくさん並んでいたのがマッドハウスなんですよ。
なので、作品の幅が広く、色々なことに挑戦できそうな会社というイメージを抱きました。

とはいえ、入ってみると、スタジオの特色やカラーみたいなものは確かにあるなと感じるようにはなりました。


――マッドハウスのカラーというのはどういう感じでしょうか。

いしづか
色んな作品を見比べるようになってわかってきたのは、マッドハウスの作品って“絵が濃い”んだなと。その分、対象年齢がかなり上までいける。
そういう濃密な画作りを得意としていることが、海外受けにもつながっている。そういうのは入ってから初めて知ったことですけれど。


中本
多くのアニメ会社はある一定の色みたいなものがあると思うのですが、マッドハウスは、大人向けもやれば子供向けもやる、TVもやれば劇場作品もやる、ギャグものもやればシリアスなドラマもやる、という多種多様な会社なんです。
「これ、面白いな」と思ったら、まずはやってみようという気質は、昔から今でもマッドハウスに根付いてる感じがします。

そんなふうに間口が広くて歴史もあるので、どなたもきっと人生で1作品ぐらいはマッドハウスの作品をご覧になってくださったり、どれかは好きになっていただけているのではないかなと思います。

――マッドハウスは、さまざまな演出家を輩出しているスタジオでもあります。そこにはなにか社風のようなものが影響しているのでしょうか?

いしづか
マッドハウスが、演出家にとって良い修業の場であることは間違いないと思います。
そもそもスタジオの作品への取り組み方というのが、中本さんがおっしゃっていた通り、「楽しいものをちゃんと作る」「面白いものを世に出したい」というものなんですね。
そうなると、その作品をより魅力的に見せる手法というものが求められ、それを持つはずの演出家の意見というのは尊重されることになる。

つまり演出家は人を楽しませるということのスペシャリストでなければならないんですね。
そして意見が尊重される分、責任も増しますし、スタッフを率いる力も求められることになります。
集団作業における統率者としてのスキルと、エンターテインメントを追求するクリエイターとしての才能、その両方が磨かれる現場だと思います。


――マッドハウスという会社って「大きい」と感じますか? それとも「小さい」と感じますか?

中本
うーん、どうでしょう。実際勤めていると自分ではよくわからないですけど、特別大きいと思ったこともないですし、そこまで小さいと思ったこともないので中ぐらい?(笑)

いしづか
(笑)。ただ、社内にいる人たちはなんやかんやで、自然と顔を合わせるぐらいのサイズではあるんですよね。よほど人嫌いでなければ、誰かとは自然と接点ができるでしょうし。

中本
作品ごとに部屋を分けるスタジオさんもあるんですが、うちの場合はみんな同じフロアにいるんですよ。
制作もスタッフも、どの作品も同じフロアにいるので、そこがまとまり感にも繋がっているかもしれないですね。

いしづか
場所によっては、自分の隣の席の人が別作品をやっていたりすることもあるんです。
あまり考えたことはなかったんですけど、そういう意味でも、うちは風通しがいいのかもしれないですね。

中本 
僕が入社した時、会社は阿佐ヶ谷にあったんです。その時も似たような作りでしたけどあのビルは特によかったですね。天井が高かったし、ぐるっとフロア内を一周できる作りになっていてより風通しが良かったんです。

だからちょっと用がある時なんか、わざわざぐるーっと社内を一周するようにしてましたね。そうすると、誰がどんなサイクルでいつ何をしているとか色々なものが見えてくるんです。
今はワンフロアなのは良いんですけれど、ぐるっと一周できないんですよね。


いしづか
今は通り道がコの字になっていますからね。

――Tokyo Otaku Modeで募った海外のファンからの質問に「監督になった経緯を教えてください」というものがありました。いしづか監督は、もともと自主制作もされていましたが、どうしてマッドハウスに入社して、アニメの監督を仕事に選ばれたのでしょうか?

いしづか
元々私は学生の頃から、TVでやっているようなエンターテインメントを主としたアニメを作りたかったんです。
でも当時はアニメを作る仲間もあまりいなくて、自分ひとりで表現する方法を模索するしかなかったんですが、自分に描ける絵や表現方法で描かれたアニメは、どちらかというとアートアニメーションと呼ばれるものに近かったんですね。

当然ながら制作規模は小さく、長い物語を描く時間も技術もない。
私がやりたいのは、多くの人が子どもの頃からTVで観ていたああいうエンターテインメントなのに、私ひとりではそれを真似ることすら難しいと思い知ったわけです。

それがきっかけで、自分の作りたいエンターテインメントを実現するために、ひとりのアーティストではなくプロフェッショナルな集団の一員として、自分にできることを模索し増やしていく方法を探りたいなと思ったんです。
自分にできないことがたくさんあったからこそ、多くのスタッフで作り上げるアニメの現場に憧れたんですよね。


――みんなの力でみんなに届く作品を作りたいということですね。

いしづか
そうです。

――中本さんは「こういう作品を作りたい」というような気持ちを持ってマッドハウスに入られたのでしょうか?

中本
具体的にこういうもの、みたいなものは特にはなかったですね。素敵な作品に関われればそれでいい、ぐらいで。
自分は「こういう題材じゃないと、絶対面白くならない」と思う方ではなくて、「それが面白くできそうなら、やってみよう」と考えるタイプなんだと思います。

プロデューサーと言ってもひとりで考えて決めていくわけではありません。監督や脚本家の方と何度も打ち合わせを重ねて、構想を固めていくわけで、その過程でいろんな意見を出し合いながら、「それだったらこっちかな」とか、「こっちにいってみたらどうだろう」とか、作品はその積み重ねで進んでいくんです。
毎回そうというわけでもありませんが、なので最初は「それで面白くなるならやってみようか」でもいいのだと思います。

とはいえ『宇宙よりも遠い場所』(通称:よりもい)の企画の時は、非常に荒波に揉まれましたけれど(笑)。

――『よりもい』は、現在の「女子高生が南極を目指す」という内容に決まるまで紆余曲折があったそうですね。それは何が理由で企画を練り直すことになるのでしょうか。

(C)YORIMOI PARTNERS
いしづか
『よりもい』の場合は、女子高校生が頑張って成長していく物語をやるんだ、というのが骨格にありました。
だから、頑張った先に何があるかが重要で、キャラクターたちの最終的な未来像が見えるかどうかというのが物語を構成していく上でのポイントでした。

だから、企画を練っている時に、彼女たちの未来が見えなくなる瞬間が出てくると、「この子たちが目指しているのは、こういう物語ではないんじゃないか?」ということになって、もう1回キャラクターと向き合う作業に入ることになるんです。

中本
いろんな意見を出していって、最終的にはそのストーリーとキャラクターが映像にした時にストンと落ちるか落ちないか、ということになると思います。

そこを目指していろいろ話をしていくと「あ、それいい」とか「その要素は目指すものを描くためにはちょっといらないかも」みたいな意見を言い合ってより精度を高めていく、といった感じでしょうか。

いしづか
そうですね。意見をぶつけ合うというよりは、とりあえずテーブルの上に全部意見を並べてみて、それを私やシリーズ構成の花田(十輝)さんが持ち帰って考えてくる、という感じです。

――ファンの方からは「素晴らしいアイディアはどのように生まれるのですか?」という質問も届いていますが、そういう打合せの積み重ねがアイディアに結実するという感じでしょうか。

中本
アイディアの原点とは常に誰かの思いつきや思いこみから始まるものだと思います。それをいい形に結びつけることができるかどうかは、そのあと皆で意見を言っていくうちに見えてくるものですね。

いしづか
皆で話をするといいところは、ひとりだと出てこないアイディアも、何人かで話していると思わぬところから出てきたりするところですね。

――中本さんはプロデューサーとして、良い打合せになるように心がけているところはありますか。

中本
打合せって詰まる時は詰まって、シーンとなる時があるんです。そういう時は何か言ったほうがいいんだろうなと思いつつ、むしろ置いてあるお菓子をボリボリ食べちゃったりして(苦笑)。

まあでも場の雰囲気とかはやっぱり大事ですよね。自己主張の激しい人たちばかりで打ち合せなんかしていると、ただギスギスしてしまうだけで良い方に転がらなかったりするのはよくあることなので、そういうのは気にはしますね。

いしづか
めちゃくちゃ食べてますよね(笑)。面白くなってつい噴き出してしまいます。
私や花田さんが黙り込むと、突然横でボリボリ音を立て始めるんですよ。無言の時間が長いので、妙な緊張感が生まれてしまっていたのかもしれませんね。

でも、黙っているのはただ行き詰まったからではなくて、そのアイディアがうまくいくかどうかを頭の中で組み立てている時でもあるんです。
だからこちらとしては10分でも長くはないような気持ちだったりして。

――そういう打合せはどれぐらいの間隔で、どれぐらいの時間やるのでしょうか?

中本
オリジナル企画の最初の頃だと月1回ぐらいのペースから始まりますね。それがだんだん近づくにつれて週1ペースになっていく感じです。
1回の時間は決まっているわけではなく、早い時は1時間くらいで終わることもあれば、5、6時間かかってしまうこともあります。何について話し合っているのかに大きく左右される感じですね。

――オリジナル企画の面白さはどこにありますか?

いしづか
縛りがない状態でのスタートになるので、「自分たちが本当にチャレンジしたかったもの」とか「現時点で模索しているもの」とか、そういうことに積極的に挑戦させてもらえるのが、一番の面白みかなとは思いますけどね。
ただ、当然ですけれど、その分の怖さもあります。

――怖さですか。


いしづか
やっぱり白紙の状態から生み出すので、産みの苦しみもそれだけ大きくて、一生懸命にならざるを得ないんです。
そこには本当に人生かけてやるぐらいの一生懸命さが必要で、一生懸命になればなるほど、得られる結果が怖くなるんです。

求める結果が得られなかった場合、もっと言えば大失敗に終わった場合、そこに懸けてきたもの全てが否定されてしまうんです。「本気を出していないのだから仕方ない」というずるい言い訳が一切利かない状況に、自ら飛び込んで行くんですね。

その恐怖と戦いながら作っていくのがオリジナルなので、その戦いは“濃い”んです。
そうして戦い抜いた先で、『よりもい』のように、「感動した」という感想が返ってきた時の喜びは、もう本当に凄まじいものがあります。賭けたものが大きいからこそ得られるものも大きくて。

だから、その“濃さ”こそがオリジナル企画の中で挑戦していくことの醍醐味でもあるのかなと思いますね。

中本
作っている僕ら自身が、登場人物たちがどういう最後を迎えるかわからない状態で、手探りしながら作っていくのがオリジナルなんです。
その見えない結論に向けて、作り手もキャラクターも視聴者も一緒に旅をしていく感覚がオリジナルの面白いところだと思います。

原作ものと大きく違うのが、この先の展開を知っている人がいない、いろいろと先を想像することが出来ても、実際にどうなるかは見てみないと誰もわからないというところですね。
そんなふうにみんな等しく一緒に楽しめるというのもオリジナルならではの楽しみ方だと思います。

――アニメ業界で働くには何が必要でしょうか。もちろん職種によっても違うと思いますが。

中本
どの職種に関わるかもありますが、やっぱり、よく周りが見えているとか、気が利くとか、頭の回転がいいとかそういうのを持っているかいないかは非常に大事なことですね。
特に制作に関して言えばそこは必須だと思います。

演出に関して言えば、才能ということになるんでしょうが、それって周囲から見ていると実際やってもらう前からある程度わかるものなんです。
なりたいと言っているだけでやってはいけない仕事だと思いますので、周りの人に認めてもらえるだけの才能と、もちろんそのためにちゃんと努力し続ける人が立派にやっていける方なのだと思います。

――いしづかさんは、演出家に求められるものって何だと考えていますか?


いしづか
単純に演出の仕事をやるのであれば、身につけた基本的なスキルがあればできると思うんですね。
ただそこから先、本当に人を感動させることのできるクリエイターを目指すとなると、それだけじゃ全然足りないんです。

そこから先に行くには、「いかに自分を敵にできるか」とか「世の中のことをどれだけ普段から見ているか」「人を喜ばせるためにはどうしたらいいのか」、そういうことが四六時中頭の中にあるようでないとダメなんです。

さらに、演出家として集団の中で活躍していくためには、自分と戦う強さと、組織として人を動かしていく柔軟さ、両方が必要になってくるのかなと。

―― 自分を敵にするというのは、どういうことなんでしょうか?

いしづか
自分にはできないことだらけなんだというのを自覚しないと、他者が見て感動するものは作れないんじゃないかと思うんです。
例えば自分ひとりで机に向かって、何かアイディアを考え出したとします。その時はよくできたと感じてもすぐに客観的になって、自分が考えたことなんてそんなに面白くないんじゃないかと疑えるかどうかが大事なんです。

人にアイディアの感想を聞いて、その人が「面白いね」と言ってくれたときに、自分を励ますためにそう言っているのか? 本当に面白いと思っているのか? としっかり考えたほうがいい。

まずは自分で自分にダメ出しをして、「これは励まされているんだな」とその気持ちを受け止めるか、もしくは自分を一切疑わずに「このアイディアはイケる」と思っちゃうのか、そこには大きな違いがあって。

そこをちゃんと嗅ぎ分けられるように、自分の考えを一番否定するのが自分である、という精神的なタフさが必要なんです。

――ファンから届いた質問ですが「アニメを制作する際のモチベーションは何でしょうか?」というものがありました。いしづか監督からは、先程みんなに届けたいというお話がありましたが。

いしづか
基本的にみんなそうだと思うんですよ。

中本
アニメを作るの自体はとっても大変なんですけど、やっぱりそうやって作った作品を観ていただいて「感動した!」とか「泣いた!」とか「良かった!」とか、そういう言葉をいただけるのが一番の喜びですね。

実際皆さんのそういう温かいコメントを拝見して、良いと思ってもらえてよかったと思うのと同時に、みんなの苦労が報われたことにホッとして自分が泣いたりすることもあります(笑)。

いしづか
視聴者の方は、貴重な時間とお金を使ってくださっているわけで、こちらとしてもそこで何かを得てほしいと思って作っています。
だから、それを得られました、というリアクションが返ってきた時に、本当にやってよかったと思います。

――海外も含めたファンの反響を実感することはありますか?

いしづか
海外だとアジアやアメリカ、ヨーロッパのイベントに参加したことがあります。

ビジネス上の数字の報告は聞くことがありますが、日常の中ではなかなか直接的な反響を耳にする機会がないので、海外を含めイベントではそれが体感できるのがうれしいです。

海外の方は表現が外交的なので、会うなりハグしてきそうなくらいラブがすごいですね。
もちろん、日本のファンの方たちも、いざ目の前でお会いするとラブ強いですよ。
日本人ってシャイだと思ってたけど、こんなに愛情表現できるんだっていうぐらい、本当に強く想いを伝えてくださるので。
そこは、国内だからとか、海外だからとかで熱量の差を感じることはないですね。

近年は海外のイベントでもコスプレは人気がありますね。特にナイスバディの女性が、ちょっと露出が多いキャラクターの格好、『ノーゲーム・ノーライフ』のステフとかジブリールとかしているとカッコいいなと思います(笑)。

――『ノーゲーム・ノーライフ』は海外でも人気があるそうですね。

(C)榎宮祐・株式会社KADOKAWA刊/ノーゲーム・ノーライフ ゼロ製作委員会
いしづか
そうなんですよ。『ノーゲーム・ノーライフ』はどの国に行ってもすごく人気があって、びっくりします。
「I●(ハートマーク)人類」のTシャツを着ている人も結構いたりして。ニートのゲーマーの兄妹が主役なのに、その感覚って海外でも分かるのかしら(笑)。

――最後にうかがいたいんですが、ファンの方から「ファンにできることはありませんか」という質問も届いています。SNS時代になって、ファンが制作者のために直接コミットしたいという機運は高まっている感触があります。

いしづか
たしかに、ファンの方の応援が一番の力になるので、「このアニメが好き」って、一言発信していただくだけで、すごくうれしくなりますね。
そうやって作品の魅力を世の中に広めていただくことが、次の作品を作るための重要なきっかけになったりもします。

今だと動画サイトでファンムービーを制作していたり、ファンのみなさんの活動も幅広くなったなと感じています。そうしたアクションひとつひとつが、私たちへの強い声援となり、モチベーションに繋がっています。

――このインタビュー企画は、ファンの方のスタジオあてのメッセージを集めてポスターにするという企画と連動しているんです。だとするとお役に立つ部分もありそうですね。

中本
直接交流とか何かできるのであれば、それはそれで励みにはなると思いますね。
国内、海外問わずお互いにとってプラスになるようなことができるとよいのかもしれません。

こういう企画はこちらでは想像の限界もあるので「是非こういうことをして欲しい!」などあれば、ファンの皆さんから是非教えていただければと思います。
皆さんの声援が僕たちの仕事の原動力です。

それと現実的な話をしますと、アニメ会社は制作予算の問題もあり経営はいつも苦しい状況に置かれています。マッドハウスと言えど例外ではありません。
そういったところでもより良い作品作り、環境改善のために何かご協力いただけることがあると大変助かるな、と常日頃思っています。こちらもアイディア絶賛募集中です!

いしづか
いろいろお話しましたけれど、感動したものは「感動した!」と声を大にして言っていただける限り、私は多分ずっと作り続けることができると思うんです。
だから、これからもずっと、みなさん思い思いの方法で応援を続けていただければ、うれしいですね。