「生涯未婚率の上昇」をメディアは問題視しているが、むしろこのことを前向きに捉えている人もいるようだ。はてな匿名ダイアリーに1月2日、「結婚したいけどできない人なんているんかな」という投稿が寄せられた。
投稿者はこれまで結婚率が高かった理由を、結婚していない人は欠陥人間であるというレッテル貼りが横行していたことや、結婚していないことが出世競争に大きく影響していたことが背景にあったからだと分析。
「個人の自由を重視する社会として、恋愛の自由や結婚の自由が推進され、結果として現在の非婚化社会&少子化社会が発達したわけでしょう?」
と、無言の圧力がなくなり、個人の価値観が尊重されるようになったため、結婚率が低下したと語った。(文:石川祐介)
「自由に独身生活を楽しめる社会の方がいい」という意見も
国立社会保障・人口問題研究所が18~34歳を対象に実施した調査によると、「一生結婚するつもりはない」と回答した男性は、1987年は4.5%だったが、2015年は12.0%だった。約30年で意識がかなり変化していることがうかがえる。
同じく、女性も「一生結婚するつもりはない」という回答の割合が1987年(4.6%)から2015年(8.0%)でかなり上昇している。
この結果を鑑みると、結婚しない自由を持ちやすくなったことが結婚率の低下にも影響を与えたという推測も的外れではないだろう。
実際、「個人的には選択肢が多い今の方がいいなとは思う」「自由に独身生活を楽しめる社会の方がいいに決まってる」などと、"結婚しない"という選択肢を尊重してほしいとするコメントは多く見られた。
将来の経済的見通しが立たない、ということも大きな要因
しかし、「今の社会の問題って、二十代の若者が、今年より来年、5年後、10年後は収入が増えてるだろうと楽観的に考えられないことじゃないのかな」という意見があるように、経済的理由が結婚率の低下に大きな影響を与えているのは紛れもない事実だ。
前述の調査では、結婚意思のある未婚者に結婚の障害について聞くと、最多が「結婚資金」で4割以上にのぼった。就職氷河期で正社員になるタイミングを逸したという人や、長らく続くデフレで給料が上がらない人も多い。将来の経済的見通しが立たない、ということも結婚率が下がる大きな要因と言えそうだ。
また、インターネットが普及して不幸な結婚生活を送っている人からの情報が簡単に得られるようになったことも、結婚への意識を遠ざけた要因になっているのではと指摘する声も寄せられた。