元F1ドライバーでル・マン24時間ウイナーのデビッド・ブラバムが設立したブラバム・オートモーティブは1月9日、2021/22年シーズンを目標にWEC世界耐久選手権のLM-GTEプロクラスに参入したい旨を明らかにした。
ブラバム・オートモーティブは、F1ワールドチャンピオンを3度獲得したジャック・ブラバムの子息で、自身もF1まで上り詰めた後にプジョーでル・マン24時間総合優勝を飾ったデビッド・ブラバムが新たに起こした自動車ブランドだ。
92年までF1コンストラクターとして活躍した“ブラバム”の名を継ぐ同社は、18年5月にブランド第1号車となるサーキット専用車『BT62』を発表した。同モデルは、最高710馬力を発揮する5.4リッターV8自然吸気エンジンをリヤミッドに搭載。乾燥重量972kgの車体で最大1200kgにもなるダウンフォースを生み出すという。
ブラバム・オートモーティブのマネージングディレクターを務めるブラバムは、そんなBT62をベースとするGTEマシンを制作し、伝統のル・マンをシリーズに組み込むWECのLM-GTEプロクラスに送り込みたいと考えている。
ブラバムによれば、同社はすでに複数年に渡るプログラムに向けて開発作業に入っていい、エントリーは商業パートナーやスポンサーを募った上で社内チームで行うとしている。
「ブラバムの名をル・マンに復活させることは、僕が長年取り組んでいることのひとつだ。今日この発表を行えたことをうれしく思う」
「我々はワールドクラスのレーシングチームを築きながら、BT62と将来送りだす新型車を開発するのを楽しみにしているんだ」
このように述べたブラバムは、チームがBT62の開発を目的とした大規模なテストスケジュールを数カ月に渡って実施していることも明かしている。
また、同社のコマーシャルディレクターを担うダン・マークスは「我々の描く旅のプランは、ル・マンにブラバムのブランドを復活させ、そこに留めていくものだ」と語った。
「ブラバム・オートモーティブは、公道走行を可能とするオプションを備えながらレーシングトラックという制限のない場所で優れた性能を発揮させるBT62を作り上げた」
「我々はこの新しいクルマとともにモータースポーツの分野で名を馳せるため、BT62のレーシングモデルを開発したいと思っている」
「今回のアナウンスは私たちにとっても大きなニュースだ。我々は今後、オーストラリアの自動車産業をふたたび世界の舞台に復帰させる手助けをしていきたいと考えているんだ」