年明け早々、ヨーロッパから飛び込んできた「ホンダは世界最先端のシミュレーション技術を誇るオーストリアのAVL社とのパートナー契約を最近解消した」(ドイツ・アウトビルド)というニュースは、日本のモータースポーツファンに大きな衝撃を与えた。しかし、この報道をホンダ側は100%否定した。
「われわれがAVL社とパートナー契約を解消したというのは事実ではありません。なぜなら、そもそもわれわれはAVL社とパートナー契約を締結していないのですから」(某ホンダF1関係者)
では、なぜそのようなニュースが流れたのか。あるホンダ関係者は次のように推測する。
「ホンダがAVLとF1で一緒に仕事するために、話し合っていたことは事実です。ただし、ホンダが求めているものと彼らができることとの間に隔たりがあり、締結するにいたりませんでした。それを勘違いされたのでしょう」
ちなみにAVLはF1だけでなく、市販車のパワートレインの開発やシミュレーションテストも行なっているこの業界では世界最大の企業で、ホンダも市販車部門はAVLとつながりを以前から持っており、現在もその関係は継続している。
これでアウトビルドのニュースが事実でないことはわかった。ただし、ホンダが2017年と2018年にオシレーション(共振)に悩まされたことは事実。2019年に向けて、果たして問題は解決できているのか?
「それは実際に車体に搭載してサーキットを走ってみるまではわかりません。ただし、少なくとも、われわれがAVLとの契約を締結できなかったことによって、問題が深刻になっているという事実はありません」(某ホンダ関係者)
その関係者によれば、ホンダの2019年型のパワーユニットの製造は予定どおり進んでおり、いまはレッドブルからの回答を待っているという状態だという。レッドブルとトロロッソはまだ新車の発表日を明らかにしていない。