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『KORG Gadget for Nintendo Switch』は何が画期的だった? 追加音源リリースを機に解説

2019年01月10日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 『KORG Gadget for Nintendo Switch』の追加音源「OTORII」「EBINA」が、2019年春に配信。3月9日にはリリース記念イベントも開催されることが発表された(参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000220.000031071.html)。


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 『KORG Gadget for Nintendo Switch』は、音楽制作ソフトウェア『KORG Gadget』のNintendo Switch用のダウンロードソフトとして昨年4月に発売されたもの。最大4人で協力して楽曲制作できたり、コントローラーを傾けたり回したりしながら演奏を楽しめることから、“ゲーム感覚で楽しめる音楽制作スタジオ”と称されている。追加音源リリースが発表されるなり再び話題となった同ソフトであるが、何が画期的だったのだろうか。音楽制作アプリに詳しいライター・ヤマダユウス型に話を聞いた。


「『KORG Gadget for Nintendo Switch』は多様な音色とエディットを駆使してじっくり作り込むこともできれば、直感的な操作で初心者でもビートメイクの扉を開くことができます。さらに複数人で楽曲制作も楽しめるため、まさにゲーム感覚で遊びながら曲を構築できるのです。また、KORG謹製の音源『KORG Gadget』を使えるのは、類似ソフトにはない利点。KORGが育んできた伝統的な音色に触れることで、電子音楽の歴史の一端を感じることができます。『KORG Gadget』にはiOS版とmacOS版がありますが、Nintendo Switch(以下、Switch)の軽快なボタン操作や、傾きを検知するジャイロ操作は、Switchならではの独自要素になっているでしょう」


 また、追加音源「OTORII」「EBINA」のポイントについて同氏は述べる。


「『OTORII』には、華やかなメガドライブ感漂うサウンドへの期待もさることながら、アーケードゲームを中心にサンプリングしたという効果音にも注目したいです。今までの『KORG Gadget』とは違った角度からの音色が飛び出すことでしょう。一方『EBINA』は、タイトーのアーケードゲームの音を忠実に再現した音源。ZUNTATA(タイトーのサウンド開発部門)らしいFMサウンドを期待したいです。あの矩形波が使えるとなれば、イマジネーションは何倍にも膨らむことでしょう」


 Switchならではの操作を活用し、作曲を行えるようにした『KORG Gadget for Nintendo Switch』は、楽曲制作の在り方を大きく広げてくれそうだ。今後も追加音源が増えていけば、同ソフトを使用した新たなアーティストたちの活躍も期待できるかもしれない。(北村奈都樹)