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池松壮亮主演『宮本から君へ』映画化決定 蒼井優「こんなに早く疲弊した現場は初めてです」

2019年01月10日 07:02  リアルサウンド

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 昨年4月にテレビ東京で放送されたドラマ『宮本から君へ』の映画化が決定した。


参考:<a href=”https://www.realsound.jp/movie/2018/09/post-251512.html”>平成という時代は今後どう語り継がれていく? 90年代リバイバル作品から読み解く</a>


 原作コミックは、社会に蔓延する様々なテーマを描き続けてきた漫画家・新井英樹が、熱血営業マン・宮本浩の七転八倒の記録を描いた作品。1990年に『モーニング』(講談社)で連載が始まり、1992年に第38回小学館漫画賞青年一般部門を受賞。2009年には『定本 宮本から君へ』(全4巻)が太田出版より出版された。ドラマでは、主人公の宮本浩が、営業マンとして奮闘する姿に焦点を置いた“サラリーマン篇”が描かれたが、今回の劇場版では、宮本浩と中野靖子を中心に繰り広げられる“極限の人間賛歌”が描かれる。


 主人公の宮本浩役を、ドラマに続き「宮本浩という人は、僕にとってどの歴史上人物よりも星であり、ヒーローでした」と語る池松壮亮が務める。原作と宮本浩を敬愛する池松は、主演俳優という枠を超え、本作の映画化までの道のりを並々ならぬ思い入れをもって取り組んできたという。また、ドラマの第6話と第7話に登場した蒼井優が、ヒロインとなる中野靖子役を続投する。


 現在公開中の塚本晋也監督最新作『斬、』でも共演している池松と蒼井だが、2人の初共演は、2002年放送のNHKドラマ『うきは -少年たちの夏-』。出身地や大学など共通点も多く、役者としても認め合う存在だという2人は、今回、感情をむき出しにして激しくぶつかり合う宮本と靖子の難しい役どころを、絶妙なコンビネーションで演じているという。また、宮本を囲む登場人物役で、松山ケンイチ、柄本時生、星田英利、古舘寛治らドラマ版のキャストが再集結しているほか、今後、映画版の新たなキャストも発表される予定だ。


 映画化発表とあわせて、写真家・佐内正史が、映画のために撮り下ろした池松の特写と、池松と蒼井の姿を捉えたメイキング写真も公開された。


■コメント一覧
●池松壮亮(宮本浩役)
この原作が手元に来てから、随分と時間が経ってしまったような気がします。ボロボロになるまで読み漁ったこの偉大な原作の力をお借りして、時代の変わり目に強烈な人間賛歌を残すべく、身も心も捧げたつもりです。
蒼井さんとは『斬、』から立て続けの共演となりますが、今度は宮本と靖子として、物語の中の人生の試練を共にする事が出来たと思っています。その存在にいつも救われました。そのほかキャストそれぞれの、抜群のアクトも楽しみにしていただければと思います。まだ仕上げ真っ最中でどうでるか分かりませんが、生きてゆく覚悟、信じる覚悟、そして人生を感じるような映画になるんではないかと期待しています。
傲慢な男ですが、今秋、宮本からあなたへ、よろしくお願いします。


●蒼井優(中野靖子役)
全身で感情をぶつけ合うシーンの連続だった為、撮影3日目には既にヘトヘトでした。
こんなに早く疲弊した現場は初めてです。体力、集中力、瞬発力、そして声量が基本的にどのカットにも必要だったのですが、共演者の皆様と労り合い、励まし合い、スタッフの皆様に助けていただき、なんとかクランクアップすることが出来ました。こんなに高カロリーな作品はなかなか無いと思います。公開を楽しみにしていただければと思います。


●監督・脚本:真利子哲也
はじめて『宮本から君へ』の映画化に声かけられたのは2012年の夏。十代の頃から読み耽っていた新井英樹さんの原作に、二つ返事で引き受けました。ただ覚悟を決めたところでなかなか実現に及ばず、気づけば6年が経ちました。これだけ時間がかかったのは生半可な気持ちで映画化するような原作ではないからで、集まるべくして集まったキャストとスタッフの面々。特に池松くんと蒼井さんのこの映画に対する意気込みたるや並大抵ではなくて、その芝居はさることながら、それぞれ歩んできた役者としての人生が重なる奇跡をみたと思える現場でした。平成最後の夏の終わりに池松壮亮と蒼井優を中心に据えて『宮本から君へ』を撮影できたことが、この原作にとって最高の瞬間だったと断言できる映画になりました。


●原作:新井英樹
映画版『宮本から君へ』の最初の陣中見舞い
ロケ現場となった王子・飛鳥山公園で池松くんとふたり、隠れタバコを喫いに歩いていたときの会話
ボク「『宮本から君へ』の映画では、オレ、ブン殴られたいんだよ」  池松「俺もですよ」
ドラマの「世界」を構築・牽引した宮本浩こと池松壮亮本人がそう言うか……と。
ドラマ版で観た蒼井優さん扮する中野靖子の輝きは驚きでした。
全話通してもゲスト出演には思えない、違和感すら覚えるあの存在の力。
写真家・佐内正史さんがドラマ版の打ち上げトークショーで放った名言
「真利子には愛はあるけど情はない」(笑)言い得て妙!! いや、真芯だ!! これ表現者として最強なんですよ!!
この三人が原作の、ある意味本番パートで「自分こそが一番」と生命力バトルを繰り広げるってだけで胸が高鳴り「原作クソ喰らえ!!」と殴り倒されたがってるボクの夢を叶えてくれそうです!!


(リアルサウンド編集部)