アデコは1月8日、デジタル世代と管理職世代の意識調査の結果を発表した。調査は、デジタル世代である20代の社会人500人とデジタル世代を部下に持つ係長以上の管理職500人を対象に実施した。
仕事の目的は、デジタル世代・管理職ともに「収入を得るため」が9割超で最多だった。「やりがいや達成感を得るため」と答えた人は、管理職は51.6%に上ったが、デジタル世代では33.2%に留まった。
20代の半数超「いずれ転職を検討」 起業、フリー志向者は5%未満
「仕事を通じて社会へ貢献する」は管理職で43.6%、デジタル世代では27.2%と差があった。「自分の才能や能力を高め、発揮する」と「社会的な成功を得る」の割合も管理職がデジタル世代を上回っていた。
管理職世代は収入を得るだけでなく、仕事を通じた達成感や社会貢献を求めている一方、デジタル世代にはそうした意識が希薄のようだ。
デジタル世代が仕事を行う上で重視していることは、「安定して働ける」が67.6%で最も多く、次いで「職場の雰囲気・人間関係が良い」(64.6%)、「休暇を取りやすい」(61.4%)だった。「残業が少ない」も46.6%だった。
管理職でもデジタル世代と同様「安定して働ける」(71.8%)、「職場の雰囲気・人間関係が良い」(59.4%)と答える人が多かったが、3番目に多かったのは「給料が高い」(58.8%)だった。「休暇を取りやすい」は39.4%、「残業が少ない」は22.2%に留まった。
総合的にみた現在の仕事への満足度は、管理職が57.8%、デジタル世代が47.2%だった。転職に対する意欲もデジタル世代の方が高い。現在転職活動をしているか、いずれ転職をすることを検討している人の割合はデジタル世代で54.4%、管理職で36.8%だった。
理想の働き方は、「1つの企業や団体にのみ属して働く」がデジタル世代(56.8%)、管理職(52.8%)ともに最多だった。デジタル世代は起業やフリーランスを好むイメージもあるが、起業希望者は2.2%、フリーランス希望者は4%に留まった。
20代の3割、「管理職世代からの飲みの誘いは好ましくない」
管理職に20代の頃理想だと思っていた上司像を聞くと「成果に対して評価してくれる」が80.8%で最も多く、次いで「仕事を任せてくれる」が78.8%だった。「挑戦しがいのある仕事を任せてくれる」も62.8%いた。
デジタル世代で最も多かったのは「仕事で困った事について相談に乗ってくれる」(76.4%)で、「挑戦しがいのある仕事を任せてくれる」は51.2%だった。
管理職が考えるデジタル世代の強みは「PCスキル、デジタルスキルが高い」(52%)、「情報収集が速い」(34.4%)だった。逆に課題だと思うことは「打たれ弱さ・ストレス耐性の低さ」(53.4%)、「ビジネスマナー」(51.8%)、「一般常識・教養」(51.6%)だった。
両者のライフスタイルについて聞くと、デジタル世代では「朝起きると最初にするのは、メールやメッセージをチェックすること」が30.4%、「友人、知り合いに電話番号を教えるより、SNSで追加する」が30.2%だった。管理職世代ではそれぞれ19%、8.2%にすぎない。
「仕事より友達や家族との時間を大切にする」、「SNSで友達ができる」はいずれもデジタル世代の方が割合が高く、逆に「新聞を購読」はデジタル世代19.4%、管理職49.4%だった。
管理職がデジタル世代とのコミュニケーションを円滑にするために心がけていることは、意見や考えを聞くといった仕事上での姿勢の他、「メールやSNSなどのツールを利用したやりとり」が16%、「飲みに誘う」が14%だった。しかしデジタル世代の30.2%は飲みの誘いを、27%はメールやSNSでのやりとりを好ましくないと感じている。