仕事が始まり、新年会に参加しなければならないという方も、きっと多いことだろう。忘年会、新年会は仲の良い面々と個人的にやるに限るわけだが、そうは言っても社会人。嫌々ながら仕事の関係で顔を出さなくてはならないこともあるだろう。
僕も昨年末、仕事関係の知人らに数合わせ要員で呼ばれたので忘年会に参加したんだけど、このときの飲み会が残念だった。(文:松本ミゾレ)
「それは凄いですね!」と自慢にイチイチ反応するのも面倒臭すぎる
12月、僕はたまに記事を入稿しているクライアントに呼ばれて忘年会に参加した。酒は好きなので、へらへらしながら飲んでいたわけなんだけど、どうにも僕以外の参加者たちは、いわゆる"意識高い系"だった。
一年を振り返るというテーマで1人ずつが、2018年に身の回りに起きたことを話すくだりを設けた際には「○○の社長と個人的に懇意になって~」だの「今年はこれだけの成果を挙げた」だの。自慢、自慢、また自慢の自慢合戦が、まだ乾杯が終わってから3分かそこらでスタートした。
そしてこの自慢の応酬を眺めていると、なんとも酒も不味くなることか。各々、他人の自慢話を「お~それは凄い」みたいに褒めつつ、なんか食い気味で自分の仕事自慢、人脈自慢をしたくてたまらない様相。僕などは今年もほぼ引きこもっていたので飼い猫の話ぐらいしか言うことがなかったが、露骨に鼻で笑われたもんだ。
果ては学歴自慢合戦、学生時代にどれだけモテたか自慢合戦みたいな展開になってきたので、本格的に具合が悪くなったものである。だって、明らかにイケてない男がサークルでモテまくったみたいなことを言っているんだから、本当に背筋が寒くなった。
マウント合戦は周囲の無関係な人たちを不快にする最悪のアクション
僕はその間、他の卓で飲んでいる人たちの様子も気になったのでチラチラ横目で見ていた。やっぱり、年忘れの酒の席のこと。みんな晴れやかな気持ちで乾杯して、美味いものを食いたいという思いは強いものだからか、僕らの卓に対しては、なんとも不快なものを見るような目を向けていたのが印象的だ。
そりゃそうだ。わざと自分の経歴自慢を、店の全体にも聞こえるようなデカい声を出して喧伝しているんだもの。ウザいったらない。その場において存在が邪魔な団体を選ぶアンケートがもしもあったならば、ダントツで1位を獲得していたことだろう。
「マウンティングをするな」とは言わないけど、いい年齢の大人ならTPOを弁えるべきである。僕も決して素行が良いタイプではないが、流石に辟易して「こんなにつまらない飲みは初めてです。もうおたくとは仕事はできません」と言って店を出てしまった。
新年早々クライアントが1つ減ったのは痛いが、それ以上に"中の人"たちがイタかったので、これぞ痛み分け。お後がよろしくないようで。