2019年のロレックス・デイトナ24時間レースに出場する小林可夢偉、フェルナンド・アロンソ、マイク・コンウェイの3名は、トヨタのドライバーとして臨む2018/2019年WEC世界耐久選手権第6戦セブリング1000マイルへを優先するため、同週末に行われるIMSAのセブリング12時間には出場しないという。
2018/19年WEC“スーパーシーズン”にTOYOTA GAZOO Racingの一員として参戦している可夢偉とアロンソは、コニカミノルタのサポートを受けるウェイン・テイラー・レーシング(WTR)から、また、同僚のコンウェイはアクション・エクスプレス・レーシングの5号車キャデラックDPi-V.Rから、それぞれ今月末に行われるデイトナ24時間レースに出場する。
WECではシリーズを席巻する強さとスピードをみせる『トヨタTS050ハイブリッド』をドライブしているこの3名は、当初セブリング1000マイルと同じ週末に行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの第2戦セブリング12時間にも、デイトナ参戦チームから参戦するものとみられていた。
しかし、トヨタの広報担当者がSportscar365に語ったところによると、3名はWEC第6戦として行われるセブリング1000マイルにのみ出場するようだ。
これによりWTRとアクション・エクスプレス・レーシングは、IMSAセブリング12時間で起用する3人目のドライバーを選択しなければならなくなった。
WTRを率いるウェイン・テイラーはsportscar365に対し、次のように語った。
「我々は可夢偉とアロンソの抜ける穴をカバーしなければならない。彼らがトヨタのマシンをドライブする週末に、我々のチームに合流するのは期待できそうにない」
「当初はチャンスがあると思っていた。だが、今となってはチャンスはない」
またテイラーは、セブリングの週末に向けて、ランガー・バン・デル・ザンデと実子ジョーダン・テイラーのチームメイトになる、助っ人ドライバーとの契約締結に近づいていることを明かした。
「我々は現在、3人目のドライバーと交渉している。彼には契約上の約束があるので、来週には(ドライバーが誰になるのかを)発表できるだろう」
一方、アクション・エクスプレス・レーシングのチームマネージャーを務めるゲイリー・ネルソンは、セブリング12時間でフィリペ・アルバカーキ、ジョアオ・バルボサとともに5号車キャデラックDPiに乗り込むドライバーについては、ふたつの選択肢があるといい、デイトナ24時間レースの後にドライバーが決まることになりそうだと語っている。
「我々は数人のドライバーと話し合いをしている。彼らは皆、準備万端だ」とネルソン。
「だがこれは『もしも、コンウェイをセブリング12時間で起用できなければ』の話だ」
ネルソンは、シーズン中盤のワトキンズ・グレン6時間と、2019/20年シーズンのWEC第2戦富士とバッティングしていないロード・アトランタ10時間の2レースには、ふたたびコンウェイがチームに合流すると確証を持っている。なお、WTRがこの2レースで誰を起用するのかについては、現時点ではわかっていない。
■BMW、フェラーリ、ポルシェのワークスドライバーはダブルヘッダーに
近年、WECとIMSAの両カテゴリーへ同時参戦するドライバーは増加しており、すでに数人のドライバーがセブリング1000マイルとセブリング12時間の両方に出場することを決めている。
例えば、フォード・チップ・ガナッシ・チームUKからWECに出場しているオリビエ・プラとハリー・ティンクネルは、IMSAではマツダチーム・ヨーストのマシンをドライブしている。また、WECのLMP2クラスで現在チームランキング首位につけているジャッキー・チェン・DCレーシングのガブリエル・オーブリーは、PR1マティアセン・モータースポーツからIMSAにフル参戦することが決定済みだ。
さらにBMW、フェラーリ、ポルシェのワークスドライバーも、1000マイルと12時間の両レースに出場することになっている。
またSportscar365では、WECスーパーシーズンの上海ラウンドにスポット参戦したコルベット・レーシングが、セブリング1000マイルでふたたび世界選手権に挑むと理解している。この際、チームはマシンを1台しか投入しないものの、IMSA参戦ドライバーを2名起用する可能性があるとみている。