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キズナアイ1st Live『hello,world』レポート 全員で“つながれる”ライブ体験

2019年01月07日 07:21  リアルサウンド

リアルサウンド

 2018年の年の瀬に、バーチャルYouTuber初のリアルライブが東京・大阪で2日間にわたって行われた。ライブを行なったのはKizuna AI(以下、キズナアイ)だ。


 本稿では12月30日、Zepp Osaka Baysideで開催された大阪公演の様子についてレポートしたい。


(参考:「バの音楽事情」第10回 2018年のバーチャルYouTuber総集編(前半)キズナアイなど全20組


開演前から熱狂するフロア
 今回のライブでは特別ゲストとして、会場ごとにDJが出演。筆者が会場入りした段階で、すでに開演前にも関わらずDJがフロアを盛り上げていた。大阪会場のゲストDJは“TeddyLoid”、“Yunomi”、“Avec Avec”、“Pa’s Lam System”の4組。


 キズナアイの登場前から観客は飛び跳ね、ペンライトを振り、大いに騒いで場を暖めており、そのテンションの上がりようは、開演後キズナアイが「みんな体力残してる?」と聞いてしまうほどだった。


生でしか体験できないド派手なライブ
 いよいよライブが始まった。音楽がスタートすると同時に、ステージ中央のスクリーンにキズナアイが現れる。一番手の楽曲は「Hello,Morning」だ。ゲストDJのサポートにより歌っている最中も打ち込みの音がかなり激しく入り、観客を盛り上げる。


 ちなみに今回のセットリストは以下の通り。


・Hello,Morning
・金曜日のおはよう(cover Ver.)
・new world
・Kizuna AI to AI
・over the reality
・miracle step
・hello,alone
・meet you
・mirai
・W&W×Kizuna AI(楽曲名未定)
・melty world
・future base


アンコール
・AIAIAI
・Hello,Morning(Pa’s Lam System Remix)


 もちろん歌い通しではなく、合間合間にMCとゲストDJの単独ライブが入ってくる。キズナアイが一旦画面から消えてしまっても会場はクールダウンせず、観客たちはダンスミュージックにノリノリになっていた。


 EDMが会場全体を震わせるほどの大音量で流れ、眩しいほどのライトやレーザーが飛び交う。全てが派手で、まさに年末にふさわしいお祭り騒ぎだ。


 また、ライブ衣装でのパフォーマンスに加え、「new world (Prod. Yunomi)」で披露した”バーチャルホイッスル”を吹く場面や、一瞬のうちに美しいブロンドヘアにカラーチェンジするなど、バーチャルであるキズナアイならではの演出も多く、これまでにない新たなライブ演出で観客を魅了した。


 ライブパフォーマンスで印象的だったのは「new world」で、物販のホイッスルを観客がキズナアイと一緒に吹いていたこと。ピンク一色のペンライトと合わせて、観客とキズナアイの一体感を感じられる瞬間だった。


アンコール後には重大発表も!
 最後の楽曲が終わってからのアンコールMCは1分以上にもわたって続いた。


 アンコール後に再登場したキズナアイは、「やりたいことがある」と観客にある提案をする。その提案とは会場の電気を全て落としてから、販売されていたグッズのリングライトを一斉に点灯してもらうというもの。この目論見は見事成功し、「あー、すごい!すごい!お星さまみたい!」とはしゃぐキズナアイ。YouTubeで見せるような普段のキズナアイが出ていて、思わずニヤりとしてしまう。


 そして記念撮影を終えた後は、中田ヤスタカとのコラボレーション楽曲「AIAIAI」をフルでお披露目。正真正銘の最後の曲は、今回のライブで始めにかけられた「Hello, Morning」となった。


“つながれる”ライブ
 ライブ終了後、会場ではファン同士が記念撮影をしたり、初対面らしいファンたちが意気投合している様子がちらほらと見られた。キズナアイはMCで、”世界中のみんなとつながる手段のひとつとして音楽やダンスミュージックを選んだ”といったような話をしていたが、今回のライブはファン同士も連帯感を持ってつながれるイベントだったように思う。


 ネットで気軽にコミュニケーションを取れる時代に、あえてリアルのイベントに行く意義を今回のライブでは再認識させられた。来春にはファーストアルバムの発売を発表したキズナアイ、今後も彼女は世界中の人とつながっていくのだろう。


(脳間寺院)