ポルシェは1月3日、各メーカーから適応したレーシングカーがリリースされているGT4カテゴリー向けに、ポルシェ718ケイマン・GT4クラブスポーツを改良してリリースした。すでに受注はスタートし、2月にはデリバリーがスタートする。
アウディやBMW、メルセデスAMG、ジネッタやマクラーレンなど各メーカーからマシンがリリースされ、高額でジェントルマンドライバーには要求が高いGT3に対し、活況となりつつあるGT4カテゴリー。そのなかで、早期にGT4に対応したマシンをリリースしたのがポルシェで、先代のポルシェ・ケイマン・クラブスポーツMRは各国のシリーズで活躍をみせた。
そんな718ケイマンGT4のニューモデルは、さまざまな意欲的な要素をもってバイザッハからリリースされることになった。大きな特徴は、アマチュアが走行会などで使用できる“トラックデイ”モデルと、レースに使用するための“コンペティション”という2バージョンが用意されたことだ。
“トラックデイ”モデルはショックアブソーバーが固定式で、ABSやESCがハンドリングの許容度を大きくするほか、エアコンやルーフのレスキューハッチを備えており、ハンドヘルド型の消火器、80リッターのFR3セーフティーフューエルセルを備える。また、すべてのポルシェセンターでリペアを行うことができるという。価格は13万4000ユーロ(約1657万円)+税となっている。
一方“コンペティション”は、コース特性に対応してショックアブソーバーが3段階に調整できるほか、115リッターのセーフティーフューエルセルをもち、長距離レースにも対応。ブレーキバランスシステムやエアジャッキを備え、本格的なレースに対応する。さらに911 GT3 Rから採用されたクイックリリース・レーシングステアリングホイール、自動消火システムなども備える。こちらの価格は15万7000ユーロ(約1941万円)+税だ。
メカニズムとしては、前モデルから40馬力アップなどを果たしたほか、ダウンフォースも向上。ユニークな試みとして左右ドアやリヤウイングに、麻などの天然有機繊維の混合物を使いながらも、カーボンと同等の重量と剛性を実現しているという。
「新しい718ケイマン・GT4クラブスポーツは、成功した前モデルよりもさらに多くのレースの遺伝子を備えている」というのは、ポルシェ・モータースポーツ代表のフリッツ・エンツィンガー。
「エンジンのパワーは大きく増え、同時にダウンフォースも増やすことができたし、コクピットはドライバーのニーズに対応している。421台もの台数を納入した先代よりも多くの車両を売り上げることができると確信しているよ」