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「上野さんは不器用」田中あいみ、演じていても掴めない田中の不思議なキャラクター【インタビュー】

2019年01月04日 18:53  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

田中あいみさん
この1月より放送スタートするTVアニメ『上野さんは不器用』メインキャスト3名へのインタビュー。第2弾は田中あいみさんのインタビューをお届けする。

この1月より放送がスタートするTVアニメ『上野さんは不器用』。

天才的かつ奇想天外な発明品を使って部活の後輩・田中を振り向かせようと奮闘する上野さんと、それをバックアップしようとするもう1人の後輩・山下。そんなとある中学校の科学部で巻き起こる日常のドタバタを描いたコメディだ。

3回にわたってお届けする本作のメインキャストインタビュー。第2弾の登場は、田中役・田中あいみさん。同じ“田中”でもなかなか推し量れないのが本作の田中のようで……?
[取材・構成=御杉重朗、撮影=スギゾー]

『上野さんは不器用』

■鈍いけど、きっと優しい男の子?
――演じておられる田中はどんなキャラクターですか?

田中
この作品に出てくる中では唯一の男の子で、すごくマイペースというか、わりと鈍感な子です。
他のキャラクターたちの個性がものすごく強い中、田中は埋もれがちなんですけど、さらっと毒舌なことを言ったり、上野さんの気持ちを考えているようで、鈍さゆえに傷つけてしまうこともある、そんな感じの男の子だと思って演じています。


――上野さんや後輩の山下にはよく怒られていますが、発言自体は案外まともなんですよね。シチュエーションが致命的にズレていますけど……。

田中
言っていることはだいたい正しくて、上野さんの体を気遣ったりもできる子なので、そのさじ加減が難しいですね。「基本的にこの子は優しい子なんだ」ということは常に考えています。

――他に演じていて難しい点、注意している点はありますか?

田中
淡々としゃべり続けてしまうと、トーンが低くなって怖くなってしまうので、男子ならではのあっけらかんとした明るさを乗せるようにしています。
上野さんが高いテンションでグワッと来るので、すごくそれに乗っかりたくなりますし、ツッコミを入れるときはズバッと声を張りたくなっちゃうんですけど、そこでさらっと受け流すのが難しいですね。
だから感情が田中の中で動いて、たまに焦ったりビシッと声を上げられるところは演じていて楽しかったです。


――上野さん役の芹澤優さんは「田中さんの動じない安定感が頼もしかった」とおっしゃっていました。

田中
芹澤さんがマイクテストでいつも面白いんですよ。
だいたいその後に田中がしゃべらないといけないんですけど、笑いをこらえるのに大変で出遅れたりすることがけっこうあって(笑)。でもそう言ってくれるのはうれしいですね。

――水面下でそんなせめぎ合いがあったんですね。田中さんは芹澤さんが演じる様子をどんなふうに見ていましたか。

田中
毎回、メチャクチャ叫ぶセリフが多いのに、ぜんぜん疲れていないのがすごいなと思っていて。そういう人が“座長”として真ん中にいると、こっちもテンションが高まって演じられるので、ありがたいなと思っています。
あとはブース内でいろんな奇声の研究をしていて(笑)、そのレパートリーを面白いなと思いながら聞いていました。


――山下役の影山灯さんについてはいかがですか?

田中
共演していた作品ではふわふわとした声が高めな女の子を演じていたので、最初に山下役が影山さんと聞いたときには「どんなふうにやるんだろう?」と思いました。
原作を読んでいても山下の声は想像できなくて。上野さんや田中は「なんとなくこんな感じかな?」と想像できたんですよ。
でも山下はどんな声でも当てはまりそうだし、と思って楽しみにしていたんですけど、聞いてみたら「こんな低い声なんだ!?」とびっくりしました。

→次のページ:気付いているのか、いないのか!?

■気付いているのか、いないのか!?

――上野さんが繰り出す発明品の中で、特に印象的なものを挙げるとすると?

田中
スク水(スクール水着)みたいな形をしていて着ると空中を自在に移動できる“SQ水”という発明品が出てくるんですが、あれは楽しそうだなと思いました。
田中がとても興味を示すんですよ。いろんな発明品が出てきた中でも「すごい!」というテンションになっていて、やっぱり男の子は空を飛びたいんだなって(笑)。

もうひとつ印象に残っているのは“カンチカン”。
“カンチチ”という謎の精霊と交信する装置という紹介で「もうそれは科学でも何でもないじゃん!?」と思って(笑)、すごく印象に残っていますね。

――もしも作中の田中に会えたら言ってみたいことはありますか?

田中
「本当に上野さんの気持ちに何も気付いてないのか?」と訊いてみたいです。本当に気付いてないのだとしたら、おすすめの少女マンガとかを渡して「世の中の女の子はこうなんだよ」と教えてあげたいし、もしかしたら気付いていてああいう行動をとっているのか……どっちなんだろうと思っているんですよ。


――ご自身の中でも解釈が定まっていないんですね。

田中
そうですね。恋愛要素が多めのお話でも、思わせぶりなことばっかり言うんですけど、田中はオフゼリフとか、見ている側に背中を向けてしゃべることが多いので、なかなか表情が見えないんですよ。
「わかりました」とか「安心しました」というセリフをどんなニュアンスで言おうかなと考えたときに、気付いているのか? 気付いていないのか? どういう意味で言っているのかなと思うんですけど、ずっとわからないままですね。

■原作に忠実なテンションを楽しんでほしい

――エンディング主題歌「マイペース・サイエンス」について、最初に曲を聞いたときの印象はいかがでしたか?

田中
意外でした。もっと合唱っぽい曲になると想像していたので。
本編でかなりワイワイとやっているのに対して、エンディングはほっこりして終わる曲だなぁと思いました。

――収録に際してのエピソードを教えてください。

田中
私は男の子ではないので、合唱で男子が歌っている様子をYouTubeで見たりしてから収録に臨みました。
自分の出しやすいキーだったので、特に難しいと思うところもなかったんですが、3人の中で最初に録ったので、かえって悩まなかったのかもしれないですね。

上野さんはきっと大きく抑揚をつけて、山下は可愛い感じで来るかなと考えて、じゃあ私は淡々とやってみようかなと思いつつ歌ったんですが、完成したものを実際に聴いてみると上野さんは予想よりもおとなしめの印象で、山下が想像以上にちゃんと歌っている、という感じでした(笑)。

――作品について特に注目してほしい部分や、放送を待つ視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

田中
セリフなどは本当に原作のままでやっているので、上野さんのクセのある言い回しだったり、謎の敬語なんかも出てくるんですけど、まず原作を読んでくださっている方にはそういった忠実にやっているからこその面白さを味わってほしいです。

1話目からけっこう過激なネタが出てくるんですが、その先もずっとそんなテンションで進んでいくので、最初に「楽しい!」と思ってもらえたら、最後までずっと楽しめる作品だと思います。


――ちょくちょく出てくる科学部以外の面々も強烈ですよね。

田中
ゲストに出てくるキャラクターも科学部の3人に負けず劣らず個性が強くて、キャストの方々も豪華ですし、「次は誰が出てくるかな」とワクワクしながら毎週、楽しんでもらえたらと思います。

TVアニメ『上野さんは不器用』作品情報

【キャスト】
上野:芹澤優/田中:田中あいみ/山下:影山 灯
田中みずな:大森日雅/田中よもぎ:伊藤美来/タモン:井澤詩織
北長:戸松 遥/西原:佐藤利奈/南峰: 竹達彩奈/東川:井口裕香

【スタッフ】
原作: tugeneko 「上野さんは不器用」(白泉社「ヤングアニマル」連載)
監督・シリーズ構成:月見里智弘/キャラクターデザイン・作画監督:大和田彩乃
美術監督:猿谷勝己/色彩設計:のぼりはるこ /撮影監督:桑 良人・板倉あゆみ
音響監督:阿部信行/音楽:三澤康広/音楽制作:日本コロムビア
制作協力:ギャザリング/アニメーション制作:レスプリ

【主題歌】
OP 主題歌「閃きハートビート」伊藤美来
ED 主題歌「マイペース・サイエンス」 上野(CV: 芹澤 優)・田中(CV: 田中あいみ)・山下(CV:影山 灯)

<放送局>
●TOKYO MX    1月7日より毎週月曜日25:05~
●BS11      1月6日より毎週日曜日24:30~
●J:COMテレビ  1月8日より毎週火曜日22:30~

<配信>
●dアニメストア 1月6日より毎週日曜日24:30~
●AbemaTV    1月6日より毎週日曜日24:30~
●niconico    1月9日より毎週水曜日24:00~ ほか

(C)tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会