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『TOKIO×嵐』LINE開設の狙いは? ファンを喜ばせるポイントから分析

2019年01月04日 12:32  リアルサウンド

リアルサウンド

 今年も『TOKIO×嵐』(日本テレビ系)の放送が迫っている。1月1日18時から放送される『ウルトラマンDASH』(日本テレビ系)と、『嵐にしやがれ 元旦スペシャル』(日本テレビ系)がコラボした同番組は、元旦の恒例に。番組、グループの枠を超えたコラボ企画が盛りだくさんで、豪華ゲストも出演するとあり、SNSを中心に話題になっている。


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 公式HPをチェックしてみると企画内容の他、番組に連動した様々なコンテンツやゲームが存在する。例えば、「無限あっち向いてホイ!」。放送中にリモコンのdデータボタンから参加できるゲームで、勝利すると限定グッズがもらえるというものだ。その他にもお楽しみコンテンツがあったが、特筆したいのが公式LINEである。


 昨年の放送時から開設されている公式LINEだが、これがちょっと面白い。登録をすると、「毎週せっせと情報を更新していきます」というメッセージが送られてきて、ロケの様子や情報が送られてくる。そんな中、盛り上がっているのがメンバーの名前やあだ名を入力すると、番組の見どころが返ってくる仕組みだ。例えば、松本潤。「松本潤」と本名を入力すると、返信内容は「星野源さんが記念館に! 初エピソード祭りだよ~!」。「松潤」もしくは「MJ」とあだ名を入力すると、「星野源さん! MJマル秘エピソード、そんなに話さないでよ~!」。「松本」や「潤」だけでは認識はされないようだが、各メンバーごとに内容が違っていてクスッと楽しめる。さらに、一緒に送られてくる似顔絵イラストも可愛らしく、ついつい全員集めたくなる。


 こういった公式LINEを開設する番組は昨今非常に多い。公式LINEアカウントを開設する目的としては、より多くの視聴者に番組を見てほしいという狙いがある。今、番組をPRする手段のひとつとして、公式LINE開設を考えるのは妥当だ。というのも、様々なSNSがあるが日本国内におけるLINEのアクティブ数は飛び抜けて高く、月間アクティブユーザー数は7600万人以上、日間アクティブ/月間アクティブ率85%という数字が発表されている(参照:LINE アカウント 2018年12-2019年3月期 媒体資料)。多くのユーザーがいるTwitterと比較してみても、Twitterの国内月間アクティブユーザー数は4500万人、月間アクティブ率は70.2%(参照:App Ape Lab)と、結果は一目瞭然。さらに、LINEはユーザー層も男女関係なく20代から60代と幅広く、間違いなく我々の生活に根付いている。つまり、老若男女問わずに一人でも多くの視聴者を取り込みたい『TOKIO×嵐』のような大型特別番組が、PRの場として公式LINEを選ぶのは当然なのである。


 さらに、公式LINEを開設するのには番組側だけでなく、ユーザー(ファン)にとっても大きなメリットがある。そのひとつは、投稿内容が公開されないことだ。今や、TwitterやInstagramのように自身を発信する場が増えているが、他人に見られたくない投稿は必ず存在する。先述したTOKIOや嵐メンバーの名前を入力するやり取りも、Twitterのように他人に見られるSNSだと実行するのも躊躇してしまうのではないだろうか。だが、トークルームであれば気にすることなく、何度でもやり取りをすることができる。この「1対1感」は他のSNSにない良さだ。さらに、1対1で個人的なやり取りが発生すると距離の近さも感じられるのだ。この「特別感」は、ファンにとってたまらないものである。


 「日常に根付いているツール」「周りを気にしなくていい」。この2つのポイントこそが、公式LINEがウケる理由なのではないだろうか。ファンとはいかなる時も、好きなメンバーとのつながりを感じていたいもの。日常に疲れたとき、『TOKIO×嵐』公式LINEでこっそりTOKIOや嵐とのつながりを感じてみてはどうだろうか。(高橋梓)