経団連が12月下旬に発表した大企業の冬のボーナスは、平均約93万円で過去最高だという。が、そんな景気の良い話はどこの国の出来事か。何かのきっかけで収入がガクンと減ったと落ち込む人も少なくない。
先日のガールズちゃんねるに、「世帯年収が大幅に減ったことがある人」と呼びかける人がいた。投稿者の女性は、夫と子供1人の3人暮らし。元々は妻が時短勤務の共働きで、世帯収入700万円だった。しかし来年以降は激減しそうだという。
「どうやって切り抜けましたか? どれくらい年収が減ってしまったかとか、何を削ったとか、経験談を聞かせてください!」
と女性が呼び掛けると、われもわれもと実に様々な「年収激減体験」が寄せられた。(文:篠原みつき)
妻の妊娠、夫の鬱、残業規制……自営業の人は「7000万から350万」へ急降下した例も
トピックを立てた女性の家庭がピンチの理由は、夫が病気で働けなくなったことだ。今年は病傷手当と妻のフルタイム勤務で、世帯年収は600万円前後に落ちているという。来年、夫が復職できなければ、妻の年収400万円のみになるそうだ。
トピックには、共感した多くの人が大幅減の理由や切なさを訴えていた。
「私が仕事を辞めたので1300万から750万になりました」
「現在育休で480万減。メルカリに手を出し、旦那実家経営のマンションに転がり込んでしのいでる」
「旦那が転職して700万の年収が半分になった ひたすら貯金で補填」
最後の人は「再度転職で元に戻ったけど、年収半分になると何かを節約ぐらいじゃ乗り越えられない」と殺気立っている。
主な原因をまとめると、
1、妻の妊娠、出産
2、夫の病気、転職
3、働き方改革による残業規制
が多いようだった。「管理職になり残業代カット」や、残業カットプラス妊娠でダブルパンチという人もいて切ない。
また、自営業の不安定さを訴える人も多い。「1350万から350万になりました」と嘆く人は、エステ業界の自営だそう。「私1000万 夫350万 妊娠したので……不安しかない。やっぱり男も経済力ないと生活基準落としたくないしきつい」と不安いっぱいだ。「7000万から350万に」という人もいる。自営業は人生の振れ幅が凄すぎる。
妊娠出産による収入減は日本の少子化問題の表れのようで悲しいが、一時的な場合もあるし、子どもが産まれる喜びもある。一番のっぴきならないのは、家計の大半を支える人(多くは夫)の急変だろう。高収入を無理な働き方で支えていた場合、うつや身体の不調で急に働けなくなるのはよくあることだ。
「年収800万円が半減して離婚」する人も 「収入はいいからそのまま続けて欲しかった」
中には、そんな危機的状況に陥った夫と、あっさり縁を切った人もいる。
「旦那の年収が約800万もあったのに、休みが殆どないとか人間関係でダメになって転職していきなり半分になった。その後3か月で離婚してしまいました。私としては前の職は全然家にいなかったし収入はいいからそのまま続けてほしかったよ」
まさに「金の切れ目が縁の切れ目」の人である。これに対しては「会社より嫁がブラックw」といった批判が次々に上がっていた。
そういう人もいることを考えると、投稿者は夫を一切悪く言わず、現実を受け止めて自分ができることをしようと頑張る誠実な人柄だと分かる。女性の平均年収が300万円に満たない中、400万円稼げるのも偉い。
スレッドでは、心療内科で働いていたという人から、転職して収入が減っても、不安感が無くなり笑顔を取り戻した男性の話が紹介されていた。家族が健康でいることは、何物にも代えがたい。スレッドには、「ご主人早くよくなるといいですね」といった励ましが相次いでいた。