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「上野さんは不器用」芹澤優、かつてないヒロインの一番の魅力は?【インタビュー】

2019年01月02日 18:52  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

芹澤優さん
この1月より放送がスタートするTVアニメ『上野さんは不器用』。
天才的かつ奇想天外な発明品を使って部活の後輩・田中を振り向かせようと奮闘する上野さんと、それをバックアップしようとするもう1人の後輩・山下。そんなとある中学校の科学部で巻き起こる日常のドタバタを描いたコメディだ。

アニメ!アニメ!では、放送直前を迎えた本作のメインキャストインタビューを3回にわたってお届けする。
第1弾として登場するのは、主人公である上野さん役・芹澤 優さん。独創的すぎるヒロイン役に挑む心境を語ってもらった。
[取材・構成=御杉重朗、撮影=スギゾー]

『上野さんは不器用』

■感情の起伏が激しい上野さん、でも実は……
――ご自身が演じている主人公・上野さんはどんなキャラクターですか?

芹澤
『上野さんは不器用』というタイトル通り、すごく不器用な女の子なんですけど、何が不器用かというと、同じ科学部の後輩の田中に「好きだ!」という気持ちを伝えるために、いろんな発明品を使って自分の思いに気づいてもらおうとするんです。
でもそれがいつもおかしな方向に行ってしまって、空回ったり失敗したり……そして感情の起伏がすごく激しくて、常に一生懸命がんばっている女の子です。

――キャラクター的に特にツボだなと思うポイントはどこですか?

芹澤
上野さんが照れた瞬間! やっぱり可愛いなと思います。普通の人間では思いつかないようなことを思いついたり、天才的でちょっと頭のネジが飛んでいるような部分に目が行きがちだし、それが上野さんのすごく良いところでもあると思うんですけど、そんな中で普通の中学3年生の女の子らしい恋心を垣間見せる瞬間が可愛いんです。


――演じるうえで心がけている部分や、あるいは難しいと感じている点はありますか。

芹澤
叫んだり怒ったりするシーンが多くて、でもそこで一辺倒な怒り方をしていると、やかましい女の子になりかねないんですよね。
視聴者の方にそう感じてほしくないなと思ったので、メリハリはしっかりつけて、叫んだり怒ったりしているところは思いっきりやりつつ、照れて赤くなっている様子や女の子らしい姿を見せる場面では、とにかくピュアに演じられるようにと心がけています。

――作品を見ていると忘れがちなんですが、さっきおっしゃっていたように中学3年生なんですよね。

芹澤
そうなんですよ。きっと中学3年生の中でもかなりピュアなほうだと思うので、上野さんのピュアな部分を感じてもらえるとうれしいです。

――ご自身の中学3年生当時と比較して、いかがですか?

芹澤
上野さんよりずっとマセていましたよ、悲しいかな(笑)。お化粧とかもし始めていましたし。絶対に上野さんは化粧なんてしていないですよね。
そういう、世の中に染まっていない感じというか、浮世離れした上野さんの感性や、彼女の頭の中だけで展開される発想は演じるうえでも大事にしたいなと思っています。


――上野さんの後輩の2人、田中と山下を演じる田中あいみさん、影山灯さんについて、アフレコの中で印象に残っている姿やエピソードを教えてください。

芹澤
影山さんが演じる山下は、普段はもの静かで温度のない感じで、あまり感情の起伏がないように見える女の子なんですけど、急に上野さんの代わりに田中に怒ったりするんですね。
そこに山下の愛というか、上野さんのことがすごく好きなんだなという気持ちが感じられてすごいですし、そういうスイッチが入った瞬間の影山さんのお芝居は素晴らしいなと思います。
2人がすごく不安定な芝居をする一方で、田中さんはちょっとやそっとでは動じないという安定感でそこにいてくれるんです。


――山がふたつあって、その間に谷がひとつある、という感じですね。

芹澤
そうですね。そういう不安定なところと安定したところのバランスが良い3人だなと思います。

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■上野さんに作ってほしい発明品は

――作中には毎回、奇想天外な上野さんの発明品が登場しますが、お気に入りのものはありますか?

芹澤
“II傘”(あいあいがさ)は便利そうだし、登場回のお話がすごく可愛いので好きですね。それ以外だと……これもエピソード込みですけど、“カンチカン”も楽しかったですね。
自分の心と機械が繋っていて、感情が揺れ動くと頭の上についた装置が鳴るという発明品なんですけど、田中にちょっと耳元で話されただけで大ボリュームで鳴らしてしまう上野さんのピュアなところがそのシーンは感じられて。
きっと上野さん、田中以外の男の子としゃべったこともなさそうだしな……。

――そういったシーンは演じるうえでも楽しかったですか?

芹澤
『上野さん』ではセーブをしないというか、ストッパーを外したようなお芝居をすることが多くてドキドキ感があって、ハァハァ息を切らせながらやっているんですけど、楽しいです。
「私はどこまで出せるんだろう?」といつも自分にワクワクしています。

お家で練習を全力でやると声が枯れちゃうので(笑)、練習で8割、本番で10割を出す、という感じなんですけど、「こんなキメの声が自分には出るんだ!?」みたいなことが多いです。


――もし上野さんに実際に話しかけることができるとしたら、どんなことを話してみたいですか?

芹澤
「私のセーラー服姿、似合ってますか!?」って訊いてみたいです。
中学・高校と私はセーラー服じゃなかったんですよ。今までのキャラクター衣装でも、まったくなかったわけじゃないんですけど、少なくて。
だから「私、まだイケてますか?」って本人に訊いてみたい(笑)。あとは私に発明品を作ってほしいです。

――具体的にどんなものがほしいですか?

芹澤
お料理が上手になる手袋とかがほしいですね。
私、プロフィールでは「趣味:料理」になっているんですけど、最近は自分で料理をしたのが片手で思い出せるくらいの回数で(笑)。

そろそろお姉さんになってきたから、またできるようにならなきゃなと思って。でも、きっととんでもないものが出てきますよね(笑)。

■見たことのないヒロインを楽しんでほしい
――エンディング主題歌「マイペース・サイエンス」は科学部3人のキャラクターソングですが、これも意表をついた雰囲気の曲ですね。

芹澤
おしゃれですよね。今まで私は、アイドルの役とか、歌う設定のキャラクターでキャラクターソングを歌うことが多かったんですよ。
でも上野さんは歌っているところがまったく想像できなくて。

上野さんの歌ってどんなものなんだろう? あまり歌い上げちゃうと中学3年生らしさから離れちゃうし、かといってヘタクソなイメージもないし、ましてやジャズ風の曲なので、それなりにリズムに乗らないと曲としての魅力も出てこないし……とけっこう悩みました。

――実際に完成したものを聴いてみての印象は?

芹澤
できあがりで3人が歌っているのを聴くと、田中は田中でけっこう楽しそうに歌っていて、山下は「影山さん、そう歌うんだ!?」という意外な感じで、歌声はバラバラなんだけど、全体的にはなんとなくまとまっている様子がすごく科学部っぽくて、気持ちよく聴ける曲になっていると思います。
本編が15分で、短い時間の中にたくさん情報量が詰め込まれているので、皆さんが心をかき乱された後にすっと落ち着ける、食後のデザートみたいな曲ですね。


――作品について特に注目してほしい部分や、放送を待つ視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。

芹澤
きっと皆さん、こんなヒロインは見たことがないんじゃないかなと思います。
特に原作を知らない方は「この子は何なんだ!?」と思われるかもしれないですけど、絶対にそこから引き込まれて、気づいたら好きになるだけの魅力を持っているのが上野さんなので、ぜひ今までにないヒロインを愛していただきたいです。

基本的に科学部の部室からは動かないお話なんですけど、その中で繰り広げられる3人の、非日常だけど彼女たちにとってはごく普通の日常生活がなんとなくクセになるんじゃないかなと思います。

TVアニメ『上野さんは不器用』作品情報

【キャスト】
上野:芹澤優/田中:田中あいみ/山下:影山 灯
田中みずな:大森日雅/田中よもぎ:伊藤美来/タモン:井澤詩織
北長:戸松 遥/西原:佐藤利奈/南峰: 竹達彩奈/東川:井口裕香

【スタッフ】
原作: tugeneko 「上野さんは不器用」(白泉社「ヤングアニマル」連載)
監督・シリーズ構成:月見里智弘/キャラクターデザイン・作画監督:大和田彩乃
美術監督:猿谷勝己/色彩設計:のぼりはるこ /撮影監督:桑 良人・板倉あゆみ
音響監督:阿部信行/音楽:三澤康広/音楽制作:日本コロムビア
制作協力:ギャザリング/アニメーション制作:レスプリ

【主題歌】
OP 主題歌「閃きハートビート」伊藤美来
ED 主題歌「マイペース・サイエンス」 上野(CV: 芹澤 優)・田中(CV: 田中あいみ)・山下(CV:影山 灯)

<放送局>
●TOKYO MX    1月7日より毎週月曜日25:05~
●BS11      1月6日より毎週日曜日24:30~
●J:COMテレビ  1月8日より毎週火曜日22:30~

<配信>
●dアニメストア 1月6日より毎週日曜日24:30~
●AbemaTV    1月6日より毎週日曜日24:30~
●niconico    1月9日より毎週水曜日24:00~ ほか

(C)tugeneko・白泉社/上野さんは不器用製作委員会