ニッサン/ニスモ製エンジンを搭載するLMP1カーで2018/2019年のWEC世界耐久選手権に参戦しているバイコレス・レーシング・チームが、各種エンジニアを募集していることが分かった。
市販車ルックのマシン採用と参戦コストの削減を掲げる、2020/2021年WEC“ハイパーカー規定”に前向きな姿勢をみせているバイコレス。参戦が濃厚とされるトヨタと、アメリカのスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスに続く3チーム目になるとされるオーストリアのチームは今月、ホームページに求人リストを掲載した。
業種はハイブリッド・アプリケーションエンジニア、トラックサイドエアロダイナミシスト、エアロダイナミックエンジニアなど、新たなポジションが中心に。これは現行のLMP1規定とは異なる新規定マシンの設計・製造に対応するための役職であると考えられる。
この内、ハイブリッド・アプリケーションエンジニアの職務は『利用可能なすべてのハイブリッドコンセプトを比較し、選択プロセスに関する技術的専門知識を提供すること』とされ、同時にハイブリッドパワートレインのサプライヤーとの窓口となることが求められるという。
ハイパーカー規定では全車にハイブリッドシステムの搭載が義務付けられるが、非メーカー系チームがMGU-Kを含むパワートレインを開発することは難しく、外部のサプライヤーから提供を受けることになる。
今回バイコレスが行った求人活動は、チームが他社の市販パワートレインもしくは、ハイブリッドシステムを購入して車両に組み込むことが示唆されたといえるだろう。
2014年からWECの最高峰クラスに挑むチームは現在、ニッサンGT-R LM NISMOで使われた3.0リッターV6直噴ツインターボエンジンの改良版となる『VRX30A evo』を自社製シャシーENSO CLM P1/01に搭載しており、バイコレスのマンフレディ・ラベット代表は、先の意思表示の段階で2020/21年規定下でも「引き続きニッサン/ニスモとの関係を継続したい」とコメントしている。