2019年のWRC世界ラリー選手権に参戦するシトロエンが、2019年1月24~27日に行われる第1戦モンテカルロに向けた事前テストを実施した。このテストにMスポーツ・フォードから移籍したセバスチャン・オジエが参加した。
シリーズに新たな車両規定が導入された2017年から2シーズン連続でマニュファクチャラーズランキング最下位と苦戦を強いられているシトロエン。2019年に向けては布陣を一新し、王者オジエとトヨタから移籍する若手エサペッカ・ラッピにシトロエンC3 WRCを託す。
古巣シトロエンで7年連続のドライバーズタイトル獲得に挑むオジエは、11月末にポルトガルで行われたグラベル(未舗装路)テストに参加。さらにクリスマス前にフランス・アルプスで行われたターマック(舗装路)テストでもC3 WRCをドライブした。
一連のテストでC3 WRCを初めてドライブしたオジエは、WRC公式サイト『WRC.com』に対し、「もちろん、(開幕前に)やるべきことはある」と述べている。
「チームを移籍して新しいマシンに乗る時、(これまで乗ってきたマシンと)違いが見つかるのは当然のことだ。マシンにはポジティブな面もあれば、ネガティブな面もあるものだよ」
「その違いについて、時には受け入れることが必要だったり、時には改善を加えるべきだったりする。僕たちが取り組んでいるのは、そういった作業なんだ。もちろん、僕好みにアレンジしたい部分もあるけどね」
「C3 WRCはこれまで、いくつかのコンディション下では素晴らしいパフォーマンスを発揮してきた。ただ僕がドライブしたフィーリングと過去のリザルトを重ねてみると、もっとさまざまな状況下で速さが発揮できるようにならないといけないね」
2019年シーズンに向けて、オジエがチームを移籍した一方、オジエとチャンピオン争いを演じたオット・タナクやティエリー・ヌービルは、それぞれトヨタとヒュンダイに残留。オジエだけが新天地、新マシンで2019年シーズンに挑まなくてはならない。
オジエ自身も、この点が不利になることは承知しているとした上で、「それが僕のモチベーションにつながっている」と明かした。
「(2018年にチャンピオン争いを演じた3名のなかで)僕だけがチームを移籍し、残りは残留した。つまり、彼らは2019年シーズンに向けて万全の準備を整えることができるんだ」
「一方、僕は(1月の第1戦モンテカルロまでに)100%の状態に持ち込むことは難しいだろうし、納得できる状態までマシンを仕上げることも難しいだろう。かなりチャレンジングな状況だけど、だからこそモチベーションにつながるんだよ」