飲食や小売など接客業での人手不足が深刻だ。帝国データバンクが今年11月に発表した調査でわかった。キャリコネニュースの読者から寄せられたアンケートでもその様子は一目瞭然だ。集まった声の中から、サービス業のブラックぶりを紹介したい。
30代女性は自身の職場環境を次のように明かす。
「正社員から次々に退職する。過労で倒れて退職した社員もいた。深夜勤務をしてその後すぐに日中勤務」
人手不足の状態で業務を回そうとするあまり、既存の従業員に過剰な負荷がかかっている。「パートでも30時間労働した人もいた」という状況にまで達したこともあるという。
「タイムカード退勤押印後、『お客様対応』で延々と働かされる。タダで!」
30代男性の勤務先では、重役の店舗巡回が決まると、1か月前から13時間労働が当たり前になるという。上司は幹部たちからの評価を気にして労働環境など気にしておらず、
「残業代は払わない。というか30時間過ぎた残業に関してはなかった事になる」
と嘆く。労働基準法を違反しても気にしてない様子だ。ほかにも、
「就労毎日17時間、残業手当無 2週間で1日休み」(30代男性)
「年間休み50日あったら多いほう 残業休出(編注:残業代、休出手当)出たことがない」(20代男性)
「タイムカード退勤押印後、お客様対応とのことで延々と働かされる。むろんタダで!」(40代男性)
といった回答が続々と寄せられている。長時間労働やサービス残業が常態化している職場が、あまりにも多い。
「怪我をしても強制出勤」「労災のぎっくり腰のまま仕事させられた」
大手ファストファッション店でアルバイト経験がある20代女性は、学校があると伝えても店長から勝手にシフトを入れられ、腕を怪我しても出勤を強制されたという。
怪我の様子を店長に話したところ、「出勤したくないから大袈裟に言ってるんだろ」と返される始末。親が直談判して休むことができたが、女性は、
「社会人経験のない未成年だったので甘く見られていたのだと思う。自分と同い年のアルバイトも店長からのいじめで辞めた」
と振り返った。40代男性は、「業務災害のぎっくり腰のまま仕事をさせられた」と綴る。さらに、就業規則の変更を理由に未消化の振替休日を消滅させられるなど、やりたい放題の職場に呆れ気味だった。人手不足解消のためにも、過酷な労働環境はいち早く改めてもらいたいものだ。