メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、ルイス・ハミルトンが12月の始めにヘレスで開催されたスーパーバイクのテストに参加したことを知って、唖然としたという。
バイクの大ファンでもあるハミルトンは、最終戦アブダビGPの直後に、ヤマハYZF-R1のテストをオファーされた。彼は黒のレザースーツに身を包み、スーパーバイク世界選手権に参戦しているアレックス・ロウズとマイケル・ファン・デル・マークとともにテストを行った。
ハミルトンのスタイルには物足りない点も多くあったが、スピードに関しては疑う余地はなかった。だがテストを見ていた人々はハミルトンを心配し、特に彼が転倒した後は、落ち着くように頼んだほどだった。なお幸いにも、ハミルトンに怪我はなかった。
ただハミルトンがヘレスでテストを行ったことは、ウォルフにとっては初耳だった。
「(ハミルトンのテストが)ニュースで報道され、私は彼に電話しようとしたが無駄だった」とウォルフはLa Gazzetta dello Sport紙に語った。
「だから、彼と一緒にいる3人のエンジニアのうちのひとりに電話をした。『君たちはどこにいるんだ?』『えーと、あの、トラックにいます』『それでは君たち3人ともバイクに乗りに行ったのか?』『はい、でも……もう終わりました』というやりとりをした」
結局ハミルトンが怪我をすることなくテストを終えたため、ウォルフは安心し、「我々は全員心から笑っていた。だが、クリスマスに私が彼にバイクを贈らないことだけは確かだ!」と話していたという。