2018年12月27日 13:42 弁護士ドットコム
日弁連は今年度、12月までに、依頼者見舞金制度に基づき、2人の横領被害者に206万円の見舞金を支給した。12月26日に記者会見を開いて公表した。制度創設当初、毎年1億円を想定していたものの、支給額が膨らまない点について、日弁連幹部から「預り金規制の効果」「過払金案件の激減」などの見方が出た。
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支給を受けた2人の支給額内訳は200万円と6万円。いずれも同じ第二東京弁護士会所属の弁護士の加害行為を認定した。被害額30万円までは対象外になっているほか、当初の制度設計で、多くの申請を想定していたため、「全額の補填にはなっていない」(日弁連の菰田優事務総長)という。
12月時点で、4件(被申請弁護士4人)を調査中。また、調査の結果、対象となる最低被害額の30万円に満たず不支給になったのが24件、被害発生時期などの受理要件を満たさなかった申請が7件あった。
2017年度の支給は2件、約147万円。制度設計時期に、弁護士が100人単位の預り金を横領するなどの重大事案が複数発生し、日弁連は、毎年1億円を超えない額を目安に予算設定している。
ただ、現状、支給額は想定を下回っている。菰田事務総長は「会員に対する預り金の扱い方規制が効果をあげているのでは」と指摘。また、竹森裕子副会長は「(大量の事件を扱う傾向にある)過払金案件の激減も1つの原因ではないか」とした。
(弁護士ドットコムニュース)