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Google、2018年のハードウェア部門の売上は88億ドル けん引役はPixelとGoogle Home

2018年12月27日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

 検索サービス最大手Googleの主たる収入源は、検索と連動した広告から得られる広告収入である。ところが近年、広告収集とは別の収入源が増えてきている。こうした新たな収入源は、同社が製造するあのスピーカーやiPhoneキラーが関係しているようだ。


(参考:iPhoneにはない個性多数 「巨大ディスプレイ」「タフすぎるスマホ」などAndroid端末を紹介


2021年には200億ドルに
 アメリカ大手メディアCNBCは21日、調査会社RBC Insight のアナリストMark Mahaney氏のGoogleに関するレポートの内容を報じた。同氏がまとめたのは、iPhoneキラーとの異名もあるPIxel 3/3 XLやスマートスピーカー「Google Home」を販売するGoogleハードウェア部門の動向である。


 同氏のレポートによると、2018年の同部門の売上予測は約88億ドル(約9,700億円)で前年比で65%の成長となっている。こうした成長をけん引しているのは、やはりPixelシリーズとGoogle Homeシリーズの売上でどちらも約34億ドル(約3,800億円)であり、このふたつの製品シリーズの売上を合計すると売上全体の75%以上を占めている。同部門のそのほかの売上は、スマートセンサーのNestやChromecatの販売によるものだ。


 同レポートは同部門の成長が今後も続くことを予想しており、2021年には売上が約200億ドル(約2兆2,000億円)に達すると見ている。この売上がGoogle全体のそれに占める割合は8%に過ぎないが、この売上には単なる数字以上の効果があることが指摘されている。その効果とは、同社のハードウェアが普及することによって、そのハードウェアと連動した広告収入が発生することである。言ってみれば、Google Homeが家庭に普及すると、結果的にGoogleの広告収入も増えるというわけなのだ。


次なる主役はHome Hub
 Googleは、同社ハードウェア部門をけん引するGoogle Homeシリーズの販売で早くも新たな一手を打っている。同シリーズの次なる主役と目されているディスプレイ付きスマートスピーカー「Google Home Hub」の販売を推進しているのだ。


 例えばNestストアでは同社製品とGoogle Home Hubを購入すると、後者の正規価格が149ドル(約16,000円)のところ80ドル割引の69ドル(約7,600円)になる。またアメリカのECサイトAbtでは、同スマートスピーカーを購入すると無料でGoogle Home Miniが2台プレゼントされるキャンペーンを現地時間12/25まで行っていた。


 ちなみにAndroid製品専門レビューメディア『Androidcentral』の記事によると、Google Home Hubにはチョーク、チャーコル、アクア、サンドのカラーバリエーションがあるのだが、ディスプレイが付いている製品正面の外見はほぼ同じで背面の色が変わる、とのこと。そのうえで、同スピーカーを置く場所との調和を考えてカラーを選ぶことを勧めている。また、どんな場所にも馴染むのは灰褐色のチョーク、ともコメントしている。


AmazonとGoogleの2強体制が鮮明に
 Google Homeシリーズを含むスマートスピーカー市場は成長傾向にあるのだが、国内テック系メディア『ロボスタ』は同市場の詳細をまとめた記事を公開している。その記事によると、世界のスマートスピーカー出荷数は2017年第2四半期には390万台たったのに対し、2018年同四半期には1,170万台になり203%増加している。メーカー別のシェアは2017年第2四半期ではAmazonが約76%で圧倒的な首位だったのに対し、2018年同四半期にはAmazonが41%でGoogleが27.6%となり、Googleが急速にシェアを拡大したことがわかった。


 同メディアの別の記事では、同市場におけるスマートスピーカーの機種別シェアをまとめている。2018年第2四半期におけるシェア1位の機種は、Google Home Miniの20%である。シェア2位はAmazon Echo Dotであり、3位以降はAmzon Echo、Google Homeと続く。GoogleとAmazonの機種で市場全体の57%を占めているのだ。


 PCやスマホといった既存デジタル製品のプラットフォームの歴史を振り返れば、市場黎明期に2強となった企業はその後も市場を支配し続ける傾向がある。「歴史は繰り返す」という鉄則をふまえると、スマートスピーカー市場においてはGoogleとAmazonが引き続き大きな影響力を及ぼす、と考えるのが適当であろう。


(吉本幸記)