本田翼とのコラボで話題のゲーム実況者「2BRO.」って何者？　その人気の秘密に迫る

　12月22日、「クリスマス目前！士気高めようぜSP」と謳った本田翼とのコラボ生放送を行い、話題になっているゲーム実況者グループ「2BRO.」（兄者、弟者、おついち）。年明けの2019年1月2日にはあの『オールナイトニッポン』（ニッポン放送）でYouTuberとして初のパーソナリティを務めることが決定しており、ゲーム実況者の範疇を超えた活動が期待されている。

（参考：本田翼のゲーム実況はなぜ面白いのか？　チャンネル登録者2週間で100万人突破）

　兄者、弟者、おついちの3人で活動をしている2BRO.は、現在登録者数が約240万人（チャンネル名「兄者弟者」）で、ゲーム実況の他にも声優業やラジオ出演など、様々な活動をしている大人気YouTuberだ。それぞれが2BRO.のチャンネルの他に個人チャンネルでの投稿もしている。元々は弟者がニコニコ動画に実況動画を投稿していたが、2010年にYouTubeへ拠点を移した。これまで、PlayStation 4ソフト『Destiny』のイベント「DREAM MATCH feat. Destiny」や「東京ゲームショウ 2015」への参加など、動画街での露出も多い。

　2BRO.はFPSやTPS、ホラー実況を中心としたゲーム実況を投稿しており、FPSの代表的作品『CALL of DUTY』シリーズや『メタルギア』シリーズ、またハチャメチャなアクションシリーズ『Gang Beasts』などで人気を集めている。また、ゲーム実況で披露している渋い声を活かして、スマホゲーム『HIDE AND FIRE』や『戦国修羅SOUL』などでは声優として登場キャラクターを演じており、「ゲームの中の人」になってしまった。

　2BRO.の魅力は何と言っても、FPSで見せる見事な腕前に加え、3人が織りなすトーク力であろう。

　ゲームの腕は3人とも素晴らしいものがあるが、特に弟者のプレイ動画は観ていて惚れ惚れしてしまう。『COD:BO4 -BLACK OUT-』実況の生放送内で、いとも簡単に11キルを達成してしまうあたり、只者ではない。あらかじめ敵の動きが分かっているかのようなスムーズな立ち回りは、まったくストレスを感じさせない。また、『メタルギア』シリーズのソリッド・スネークの声優・大塚明夫に似ていると言われる渋くて味のある声の持ち主でもあり、ゲーム実況を観ているという感覚よりも、ナレーションを聞いている感覚に近いものがある。FPSでは圧倒的な実力を持つ弟者と戦略的で冷静な兄者、それを影で支えるおついち。FPSは初心者が取っ付きにくいイメージがあるが、2BRO.の実況はガチ勢ではなくとも、3人の声と、そのやりとりを目当てに観にくるという視聴者も多い。

　特にアクションシリーズでは、3人の掛け合いが面白い。『Gang Beasts』というマルチ格闘アクションゲーム実況ではハチャメチャっぷりが感じられるだろう。対戦相手を場外へ落とすという至ってシンプルな内容だが、ヌルヌルと動くキャラクターと、一風変わったアクション性が人気を博しているゲームだ。30代といういい歳をした3人が、子供のようにはしゃいでいる様子が視聴者を巻き込み、童心にかえって楽しむことができる。これは「楽しんでプレイする」という気持ちを忘れず活動する2BRO.だからこそなし得ることだろう。実際、このゲーム実況は単発でありながらも現在約540万回の再生回数を誇り、2BRO.の動画の中でも最も再生回数が多い動画となっている（総集編を除く）。視聴者からは、繰り返し観てしまう中毒性の高さを指摘する人も少なくない。

　そんな彼らの魅力は、先日生放送された本田翼とのコラボを通じて垣間見られた（生放送は本田翼のチャンネル「ほんだのばいく」で放送。現在は2BRO.のチャンネル「兄者弟者」にて編集版が投稿されている）。今回のコラボではプレイヤーが協力して料理を提供するクッキング・アクションゲーム『Overcooked® 2 – オーバークック2』をプレイ。序盤はお互い緊張感が感じられたが、プレイしていくにつれ、2BRO.世界観に引き込まれていく本田翼の姿があった。PART2では実況スタート時の定番の掛け合いが本田翼を加えて行われ、より一層、一体感が増していった印象だ。今回のコラボを通じて本田翼を目の前にしても、変に気を使うことなく、みんなで楽しんでプレイするスタンスを貫く2BRO.には感心させられた。生放送内でも話していた『Dead by Daylight』コラボ実況は実現を楽しみに待ちたい。

　本田翼とのコラボに引き続き、冒頭にも記した通り、2019年1月2日にはラジオ『オールナイトニッポン』（ニッポン放送）への出演も控えている、要注目のゲーム実況者、2BRO.。初のパーソナリティであっても、持ち前のトーク力でリスナーを巻き込んでいくことだろう。ゲームがなくても勝負できるタレント性を持った3人が、どんな話題で楽しませてくれるのか、期待しよう。

（川崎龍也）