映画『ヒューマン・フロー 大地漂流』の監督アイ・ウェイウェイのインタビュー映像が公開された。
同作は、現代美術家アイ・ウェイウェイが監督を務めた最新ドキュメンタリー映画。難民危機の現状を追った作品となり、アイ・ウェイウェイが自らギリシャのレスボス島を中心に23か国を超える40か所の難民キャンプを訪れ、様々な理由で増加し続ける難民たちを数年にわたって取材した。公開は1月12日。
インタビューでアイ・ウェイウェイは、同作を製作したきっかけについて「欧州で暮らし始めて理解したいと思うようになった。この地における難民の状況を。だからギリシャのレスボス島へ行った」「私は彼らを理解したいと思ったんだ。一体どんな人々なのか、誰も自分たちを理解しない未知の土地へ、命懸けで渡る理由を知りたいと思ったんだ」とコメント。
難民問題を取り上げた理由については「難民危機は私の危機でもある。難民船から降りてくる人々は私の子供たちや両親兄弟だったかもしれない。私と彼らには何の違いもないんだ」「彼らが凍えるような寒さにおびえていることや、雨に打たれたり飢えることを恐れていること、安心感を求めていることが私には理解できる。彼らは手を差し伸べられるのを待っているんだ。難民の子供たちの笑顔はまるで天使のようだよ。どの難民も皆美しい人々なんだ」と語った。
インタビューの公開とあわせてアンジェリーナ・ジョリーとメリル・ストリープのコメントも到着。アンジェリーナ・ジョリーは「アイ・ウェイウェイ監督は、レンズを通して純粋に難民たちを見つめている。難民たちの表情や声を撮り、彼らの多様性や、苦しみ、立ち直ろうとする強さを、映画を通して私たちに届けている。これは、今まさに私たちが直面している問題なのです」と述べている。
またメリル・ストリープは「この映画はとても素晴らしいです。アイ・ウェイウェイ自身が23か国、40か所の大規模な難民キャンプの旅に我々を連れて行ってくれるのです。この映画自体が難民のようなもので、あなたの目、心、知性を通して体中を巡り、やがてあなた自身へと吸収される映画なのです」とコメントを寄せている。