元レッドブルF1のドライバーで現在は解説者のマーク・ウエーバーは、ダニエル・リカルドが下したレッドブルからルノーへの移籍という決断についての意見は、今も変わらないと話している。また、リカルドの2019年の見込みについても懸念していることを認めた。
約10年間をレッドブル・ファミリーの一員として過ごし、そのうちの7年をF1で戦ってきたリカルドは、自らの置かれた環境を変えるための選択として、2019年と2020年はルノーF1と契約を結んだ。
多くの人にとって、この選択は驚き以上に衝撃をもって受け止められた。なかでもレッドブル・レーシング代表のクリスチャン・ホーナーは、2014年シーズン以降チームに7勝をもたらしたリカルドに別れを告げなければいけないことを残念に思っている。
だがF1における9勝すべてをレッドブルで挙げてきたウエーバーは、同郷人のリカルドに対して決断は間違いだと告げた最初の関係者のひとりであり、今でも自分の考えに変わりはないという。
「皆が彼の決断に多少の懸念を抱いていると思う」とウエーバーはオーストラリアのMacquarie Sports Radioに語った。
「F1の関係者たちは彼に残留してほしかったはずだ。私自身は今もそれなりにレッドブルと近しい関係だが、先日ダニエルと少々ぎこちない夕食をともにした。彼はこの件に関する私の考え方が変わっていないことは理解している」
「私は彼にぜひともレッドブルに留まって欲しかったのだ」
レッドブルにとって2019年は、新たなエンジンサプライヤーとなるホンダとの関係構築期間であり、それに耐えながらシーズンを戦っていく移行期となるはずだ。一方のルノーも、メルセデスやフェラーリなどに引けを取らないエンジン作りへの取り組みが続くなかで、レッドブル以上に苦戦することになるだろうとウエーバーは見ている。
「財政支援やホンダの参加などがあっても、レッドブルが2019年に著しく強くなることはないと思っている」とウエーバー。
「だが2020年になれば、再びともに戦えるような特別なチームに進化している可能性はある。一方、2019年にレッドブルがあげるのと同程度の成果を、ルノーで彼が手にすることは控えめに言っても困難だろう」
「ルノーは、バジェットキャップ制度や人数の上限設定などあらゆる手段を通じて、すべてのチームで人件費が削減され、このスポーツにおける同等性が図られることを望んでいる」
「そこへ彼がドライバーとして参加し、そうした意識に基づいた役割を与えられることを私は懸念している」