2006年に誕生し、これまでバルテリ・ボッタスやカルロス・サインツJr.、ランド・ノリスといったF1ドライバーを輩出してきたフォーミュラ・ルノー・ノーザン・ヨーロピアン・カップ(フォーミュラ・ルノーNEC)が2019年のシリーズ開催を断念したと発表。そのなかで「フォーミュラレースに関して、FIAが不完全な未来構想を掲げた」ことも要因だと述べている。
フォーミュラ・ルノーNECはF1への成長を促すジュニアフォーミュラとして2005年に発足し、翌年に開幕を迎えたシリーズ。ルノー・スポールの2リッターエンジンをフォーミュラ・ルノー向けタトゥース製シャシーに積んで争われてきた。
当初はドイツやオランダ、ベルギーなどを中心に開催されていたが、近年はヨーロッパ圏全域でレースを開催。現在はF1で活躍しているボッタスやサインツJr.、ノリスも、このフォーミュラ・ルノーNECでシリーズチャンピオンを獲得している。
近年は参戦ドライバー/チームの減少に直面しており、ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0と共催という形が採られてきた。
2019年に向けては『フォーミュラNEC・パワード・バイ・ルノー』という名称に変更し、シリーズを継続開催する方針が明かされていたほか、ポールリカールやポー市街地サーキット、スパ・フランコルシャンなど全7戦の暫定スケジュールも発表されていた。
しかし、シリーズを運営するMdHコミュニケーションは12月24日に公式サイト上で、2019年のシリーズ開催を断念したことをアナウンスし、13年におよぶシリーズに幕を下ろすことを明かした。
開催を断念した理由については、若手ドライバーから参戦に向けた興味を獲得できず、過去3年間はチームがドライバーを確保するのが難しくなっていたことを挙げている。
シリーズオーガナイザーでプロモーターのミック・デ・ハースは「このタイミングでシリーズに幕を下ろすことを残念に思う」と述べている。
「フォーミュラレースに関して、FIAが不完全な未来構想を掲げたせいで、この3年間は才能豊かな若手ドライバーがマーケットから姿を消す事態に直面してきた。ジュニアフォーミュラは分断化され、(メーカーの支援を受けない)独立系ドライバーには賄えないほど参戦費用も高騰している」
「現在、フォーミュラ・ルノー2.0のように効率的かつ高い競争力のあるシングルシーターコンセプトは存在しない。過去20年間に渡り、多くの若手ドライバーの成長を助けてきたにもかかわらずだ」
「ルノーやサプライヤー、NEC(ノーザン・ヨーロピアン・カップ)に参戦してくれたチーム、サーキット、この13年間シリーズのために尽力してくれたすべての人々には感謝を申し上げたい」