「エスカレーターでは急いでいる人のために片側を空ける」のが通例になっているが、JR東日本では現在、東京駅でエスカレーターの歩行をやめるように呼びかけている。
12月24日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)では、タレントのマツコ・デラックスさんが「二列で乗るエスカレーターの片側を、歩く人のために開けるのはおかしい」という東京新聞のコラムの主張に賛同していた。(文:okei)
「私はもう、一歩たりとも歩きたくない人間なんで」としつつ、ヒヤリ体験も披露
コラムの筆者は看護師の女性。急いでいるときは歩きたいと反対意見もあるが、「二列で乗るエスカレーターの片側を、歩く人のために開けるのはおかしい」としている。
ひとつは、「先を急ぐ強者のために、子どもや障がい者、半身にマヒがあるなど弱い人たちが怖い思いをするルールは間違っている」という主張だ。また、「片側一列を開けるより、結局二列で止まって乗った方が多くの人が早く移動できる」という、ニュース番組での実証にも触れた。
これに対して意見を求められたマツコさんは、「私はもう、一歩たりとも歩きたくない人間なんで、エスカレーターも悠然と左側に乗るタイプだから」と自身の立場を表明。気を使って片側を開けることはないようだ。
「だから危ないなと思った経験はある」という。「邪魔だ」と文句を言う人もいるし、ガラガラ(キャリーバック)を後ろに置いているときにガーンとぶつかってきて下に落としそうになり、後ろの人が支えてくれたというヒヤリ体験も語っていた。
片側を開けて乗ることの是非は以前から賛否両論あるが、報道によると、JR東日本の駅に設置されたエスカレーターで、2017年度は利用客が転倒するなどの事故が約180件にも上っている。過去には死者が出たこともあるという。
「いわゆる"エスカレーター待ち渋滞"が危ない」と警鐘を鳴らす
マツコさんは、「どうやら欧米などでも開けるらしくて、世界基準で見て日本がおかしいってわけでもないみたいだから、難しいところなんだけど」と前置きし、
「いわゆる"エスカレーター待ち渋滞"がホームに起きるのが危ないんだって。ラッシュのときは、それで更にどんどんエスカレーター待ちの列ができて、ホームに人が溢れるみたいになっちゃう」
と、エスカレーター片側開けの危険性を説く。
「同じ100人が上に上がると考えたときには、全員2列で行ったほうが3分の2ぐらいの時間で済むって計算があるんだって。だから効率ってこと考えても、みんな2列で乗った方がいいよね」
と結論づけた。前述のコラムに賛同した形だ。
小さなお子さんがいる若林史江さんは、ベビーカーを使う関係上「(エスカレーターが)みんな坂道になってくれないかな」と希望していた。コストコのようにフラットで斜めに上がっていくタイプだ。確かに筆者もベビーカー子育て期にはエスカレーターを探すのが大変だったのでよく分かる。
しかし「それじゃ駅の端から端までエスカレーターにしなくちゃならないわよ」とマツコさんは指摘し、「急こう配になったらみんなズリ落ちてくるわよ」と笑っていた。