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ラストアイドルファミリーは52名全員で“頂点”へ 大迫力パフォーマンス見せた1周年記念コンサート

2018年12月25日 12:32  リアルサウンド

リアルサウンド

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 アイドルオーディション番組『ラストアイドル』から生まれた、総勢52名から成るラストアイドルファミリーが、12月19日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで『ラストアイドル1周年記念コンサート』を開催した。『ラストアイドル』は、2017年8月から放送をスタート。ここからLaLuce、Good Tears、シュークリームロケッツ、Someday Somewhere、Love Cocchiという5組のユニットが誕生。この夏に放送された3rdシーズンでは、新たにラストアイドル2期生、ラストアイドル2期生アンダーが誕生した。この日は各グループの曲やシャッフルユニット曲、全員参加曲など、アンコールを含む全32曲を披露し、ステージは約3時間に及んだ。最後にはLaLuce 阿部菜々実の「52人全員でアイドルの頂点を目指します」という宣戦布告も飛び出し、ラストアイドルの真剣さ見せつけるライブになった。


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 ライブは、3rdシングル表題曲「好きで好きでしょうがない」で幕を開けた。2期生アンダー18名を除く34名で歌った「好きで好きでしょうがない」は、圧倒的な迫力。胸に秘めていた気持ちのすべてを〈好きだ〉という言葉に込め、まるでそれをファンにぶつけるかのよう。ファミリーの本気の〈好きだ〉に、ファンは全身全霊で応えた。


 この日の目玉になったのは、『ラストアイドル in AbemaTV』でのバトルを制し、4thシングルの表題曲なったLaLuceの「Everything will be all right」だ。「素敵なゲストと一緒に盛り上がって行きましょう」という呼びかけに、『ラスアイ』審査員としてもお馴染みのマーティ・フリードマンが登場。華麗なハードロックギターのソロを披露すると、会場は大歓声に沸いた。プロデューサーである後藤次利のベースプレイも加わったLaLuceのパフォーマンスは圧巻で、激しい振り付けにも関わらず息一つ切らさない。マーティや後藤と背中合わせになって、ロックバンドのようなパフォーマンスを魅せるなど、初代ラストアイドルの名に相応しい存在感を発揮。最後に、長月翠が「後半戦“とちゅにゅう”(突入)!」と叫んだ一言でも、会場を大いに盛り上げた。


 Good Tearsは、「へえ、そーお?」などを歌唱した。長身揃いでスタイルのいいメンバーが揃うことからも、インドのベリーダンスのようなセクシー衣装が実に似合う。フローターに乗って会場を回って2階席や3階席に手を振りながら、ユーモアたっぷりの歌詞をファンと一緒に歌って楽しんだほか、ステージで早替えを見せる一幕も。フォーク調でどこか懐かしい雰囲気のある「ソメイヨシノ」は、スタンドマイクでしっとりと歌い上げ、ステージに桜の花びらが舞い散る演出でも魅せてくれた。


 シュークリームロケッツは、2ndシーズンのバトルを制してシングル表題曲を勝ち取った「君のAchoo!」で、ファンと一緒に〈ハクション!〉とクシャミ。アイドルらしい可愛らしさを振りまいたかと思えば、アッパーの「鼓動の理由」では、「いくぞ~!」という声をきっかけに、会場にかけ声が広がる。さらにR&Bナンバー「夜中 動画ばかり見てる…」では、大人っぽい雰囲気のダンスや切れのあるラップも聴かせるなど、多彩な表情で会場を沸かせた。


 Someday Somewhereは、ポップナンバー「この恋はトランジット」で会場を一体に。昭和歌謡感のある「窓辺で歌いたい」は、全員白いワンピースで歌唱。「いつの日かどこかで」ではスケールの大きな歌声を聴かせ、順にソロを歌うメンバーに向けて、ファンはメンバーの名前を叫んで声援を送った。歌の途中には客席にマイクを向け、観客の大合唱が会場に広がった。


 Love Cocchiは、指原莉乃プロデュースによる「Love Docchi♡」や「いつかキスするその日が来ても」などを披露。ゴリゴリのアイドルソング「Love Docchi♡」は、ファンが合いの手を入れて盛り上がり、メンバーのキュートなセリフに会場が沸く。「いつかキスするその日が来ても」では、サビではかわいくジャンプ。全員がカメラに向かって投げキッスをして、ファンのハートを掴んだ。


 ラストアイドル2期生も、リリースしたばかりの「愛しか武器がない」を披露。歌う前には、同曲が主題歌になっている映画『がっこうぐらし』に出演する、阿部菜々実、長月翠、間島和奏、清原梨央が映画のワンシーンを再現。「もう無理だよ、武器がないもん」「あるじゃない。私たちには愛という武器が!」と、そんなセリフの導入で始まった「愛しか武器がない」は、2期生の力強いパフォーマンスが印象的。赤いペンライト一色に染まった客席では、ファンが一緒にこぶしを振り上げて熱い声援を送った。2期生アンダーもまた、オープニングアクトとして登場して、ノリのいい「サブリミナル作戦」を披露。元気いっぱいに、爽やかなパフォーマンスで会場を盛り上げ、オープニングアクトの役割をきっちりこなしたほか、1期生のユニットに参加してライブの盛り上げに一役買っていた。


 中盤には、Love Cocchiの西村歩乃果と石川夏海、LaLuceの大石夏海と鈴木遥夏が、2期生アンダーの篠原望、木﨑千聖、高橋美海からの質問に答える形でトークを展開。「握手会でのとっておきのセリフを教えてください」という問いに、それぞれ照れながら渾身の決め台詞を披露。“最強中学生釣り師”と名高い大石は「こっち見ないで。私、マジになるから」とツンデレ台詞で、ファンのハートを射抜いた。「コンサートでの盛り上げ方を教えてください」という問いには、石川が代表して、「1階~2階~」と声を集めて見本を見せる。最後には「のんちゃん(篠原)の大きな声も聞きたい」と篠原を引っ張り出し、めったに聞けない篠原の「好きだ~」には会場が大歓声で沸いた。また、アンコールでは西村のピアノ伴奏で、中学生メンバーを除く39名で「明日の空を見上げるために」を合唱風に歌った。西村は「緊張してこんなに間違えたことはなかったというくらい間違えた」と、メンバーに謝る場面もあったが、メンバーからは「頑張ったよ」と温かい声が。ファミリーとしての絆の強さを感じる瞬間でもあった。


 本編の最後には、52名全員で『ラストアイドル』の原点であるデビュー曲「バンドワゴン」を歌った。52名全員のパフォーマンスは大迫力。この1年のさまざまな苦難を努力と団結力で乗り越え、決して夢を諦めることなく歩んできた。その想いが歌詞とも重なり、目が潤んでいるように見えるメンバーもいた。曲を終え、阿部菜々実は「52人全員でアイドルの頂点を目指します」と一言。アイドルシーンに向けた宣戦布告とも取れるこの言葉に、彼女たちの決意と本気さがにじみ溢れていた。


 そもそも『ラストアイドル』は、秋元康がプロデュースする究極のアイドルグループのメンバーの座を賭けてバトルする形でスタート。挑戦者が暫定メンバー1人を指名してバトルを行うことや、審査員の1人が独断で勝敗を判定するやり方など、オーディション方法については、アイドルファンの間ではことあるごとに物議となっていた。実力を疑問視する声も決してなくはなく、その意味でこの『ラストアイドル1周年記念コンサート』は、ラストアイドルファミリーにとって真価が問われる日でもあった。


 彼女たちはこの日を迎えるまでに、入場無料の早朝イベント『朝練』や、夜ライブ『ヨルライ』を定期的に開催し、より歌とパフォーマンスに磨きをかけてきた。そうして披露された全32曲、約3時間に及んだパフォーマンスは、ラストアイドルファミリーの実力を存分に見せつけるものとなった。ステージを終え「なんか、一皮むけちゃった」と笑いを取ったLaLuceの安田愛里、「もっともっと成長していきます」と自信を覗かせたラストアイドル2期生の水野舞菜。2019年のラストアイドルは、より頼もしくたくましく、アイドルシーンを面白くかき回してくれそうだ。(榑林史章)