宇宙開発でいまもっとも注目を浴びているのが火星探査かもしれない。政府系の研究機関、そして民間企業も、将来的には火星移住を視野に入れている。
そうした試みはまずは火星の状況をより詳細に知ることから始まるが、そのための探査機などのテストを欧州宇宙機関(ESA)がモロッコのサハラ砂漠で実施した。・エンジニア40人超参加見渡す限り荒涼とした風景が広がるサハラ砂漠は火星と類似性があることから、テスト場所に選ばれた。
テストには、ドイツやベルギー、フランスなどの研究機関からエンジニア40人余りが参加。探査車3台を使ってナビゲーションシステムなどの作動状況などを確認した。・類似環境で機能せずテストでは、延々似たような状況が続く砂丘で、コンピュータービジョンがうまく機能しないことが明らかになった。これはコンピュータービジョンが他のものとどう違うか特定するようプログラムされているためという。
逆に、ローバーの高度なタスク処理機能も確認できた。ローバーの1台が自動走行で1.3キロ走行し、少し変わった石を見つけ、その石の画像をより良い状態でとらえるために石を動かすリクエストをメーンのマシーンに送ったのだ。
状況に応じて的確な判断をするためには、あらゆるシチュエーションを想定する必要があり、数をこなすことでそうした能力は鍛えられる。
ESAは当然のことながら将来的にはこうした探査機を火星に投入することを目指していて、今後もこうしたフィールドテストを繰り返すことにしている。
ESA