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三浦大知、『「球体」独演』をYouTube Premieresで公開 その狙いと効果を読む

2018年12月25日 08:41  リアルサウンド

リアルサウンド

 三浦大知が12月23日、『「球体」独演』をYouTube Premieres(プレミア公開)で世界同時フル公開した。本公演は、7月11日発売のアルバム『球体』の全収録楽曲を曲順通りに披露したもの。“独演”という名の通り、三浦大知のみでのパフォーマンスに挑み、話題となった。


(参考:w-inds.橘慶太と三浦大知が『フォートナイト』で共闘? ラジオでPUBG派の宇多丸を“萌え”させる


 YouTube Premieresは、視聴者同士がチャットを介してコミュニケーションを取りながら、新作動画を楽しむというYouTubeの新機能だ。三浦大知はなぜ、この機能を通じて映像を公開することに踏み切ったのか。その狙いや効果について、デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏に話を聞いた。


「ポイントは2つあります。1つ目は、作品に対する期待値を高めること。YouTube Premieresには予約機能があり、チャンネル登録をしておけば公開時に通知がきます。これまでSNSで告知していたものが、YouTube内でできるようになったのです。こうした機能によって、今後、新作動画を初公開する際にファンの期待値を高めることができるでしょう」


 またコウガミ氏は、2つ目のポイントとして「リアルタイム性」を挙げる。


「YouTube Premieresでは世界同時視聴が可能です。視聴者全員で映像を観て、チャットもできるため、ライブ感を味わうことができるんです。例えばアリアナ・グランデは、『Thank U next』のMVをYouTube Premieresを活用して公開しました。同時視聴数はピーク時で82万9000人に達し、公開から24時間以内で最も視聴者数が多いビデオとされています。このMVがこれほどまでに盛り上がったのも、視聴者が一斉に同じ動画を見るという“体験”を共有したことが大きい。『「球体」独演』もまた、こうした“ライブ感”を演出することで、さらに大きな話題性を獲得する企画を目指したのではないでしょうか」


 いつでもどこでも視聴できる、というは動画の大きなメリットだが、あえて「いつ」の部分を縛ることで、多くの視聴者を集めながら、その体験はプレミアムなものになる。今後のYouTube Premieresについて、同氏は続ける。


「今後YouTube Premieresは、ドラマや映画の分野でも活用されると思います。また、アーティストは、ウェブという、テレビと違ったフットワークの軽さを生かし、MVだけでなくメイキング映像など、長時間の動画を配信するようになるのではないでしょうか」


 大きく変わりつつある動画共有サービスの在り方。『「球体」独演』は、配信されるやいなやSNSを通じて広まっていき、三浦大知ファンに限らず多くの視聴者数を集めた。リアルタイム性の強いYouTube Premieresの誕生は、今後アーティストのプロモーションに影響を与えていきそうだ。


(北村奈都樹)