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岩里祐穂が語る、5人の作詞家との対話から得た発見「詞は一面ではなくいろいろな側面を持っている」

2018年12月24日 10:02  リアルサウンド

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 作詞家・岩里祐穂が書籍『作詞のことば 作詞家どうし、話してみたら』を上梓した。およそ2年間に渡り、高橋久美子、松井五郎、ヒャダイン、森雪之丞、坂本真綾の5名を招いて行われたトークイベントを対談形式でまとめた同書には、歌謡曲からロック、アイドルソングまで様々な楽曲の制作秘話やそれぞれが仕事と向き合う姿勢などが収められている。


 今回リアルサウンドでは岩里祐穂にインタビューを行い、作詞家同士で語り合おうとした経緯やゲスト5名との対話から得た発見などについて詳しく話を聞いた。(編集部)


(関連:岩里祐穂×坂本真綾が語り合う、それぞれの作詞の特徴と楽曲にこめた思い


■5人の作詞家に共通していた“書きすぎない”ということ


――今回の書籍『作詞のことば 作詞家どうし、話してみたら』は、2016年8月から2018年2月にかけて行われた岩里さん主催のイベント『Ms.リリシスト~トークセッション』での対談の模様をまとめたものです。そもそも何故、作詞家同士によるトークライブを企画したのでしょうか?


岩里祐穂(以下、岩里):作詞家は裏方の仕事なので、私はそれまであまり表に立つことはなかったんですけど、2016年に作詞生活35周年のCD(『Ms.リリシスト~岩里祐穂作詞生活35周年Anniversary Album~』)を出した時に、いくつか取材を受けたり、ブックレット用に(坂本)真綾ちゃんたちと対談させていただいたりしたんですね。そのなかで、自分が作詞した歌詞に対して、私が意図していたことと、周りの人の受け取り方にちょっとした違いがあることを感じたんです。例えば、自分にとっては他愛もない言葉なのに「この言葉に助けられました」「泣きました」と言ってもらったりして……あの強気な真綾ちゃんでさえ「「プラチナ」の〈もっと もっと つよくなりたい〉のところでグッとくるんですよ」なんて涙ぐんでくれたりして(笑)。


 それとは別のタイミングで(高橋)久美子さんと知り合う機会があったんですけど、私は以前から彼女が書いた(チャットモンチーの)「シャングリラ」という曲の歌詞が変わってるなと思っていたので、それについて聞いてみたんですね。そしたら「あのタイトルの〈シャングリラ〉は女の子の名前なんですよ」と言われて、そのことを知らなかった私は「えーっ!」って驚いてしまったんです。


 だから、詞において作詞家本人が考えてることというのは一面的なものであって、歌詞には書いた本人が思うこと以外の側面があるんじゃないかと思ったんです。ということは、作詞家同士でお互いの歌詞について話してみたら、書いた本人にはわからなかったことに気づいてもらえたり、歌詞をもっと立体的に解釈できるかもしれないと。そう思ってトークセッションを企画しました。第1回のゲストに久美子さんを呼んだのは、私が「シャングリラ」で受けた衝撃をたくさんの人にも知ってもらいたかったからですね(笑)。


――その時点で対談の内容を書籍にまとめる構想はあったのですか?


岩里:最初そのつもりはなかったので、第1回の時はお互いの歌詞については2曲程度しか話してないんですけど、第2回の松井五郎さんの時に、第1回とは全然違う内容になったりしていろいろ違って面白かったので、これは何らかの形で残しておきたいと思ったんです。対談の模様は先にリアルサウンドさんにWEBレポートを上げていただきましたけど、書籍はそれよりもテキストの分量を増やしてますし、5回分を通して本で読むと、WEBとはまた違った味わいが出るんじゃないかと思ったんですね。


――本書には、高橋久美子さん、松井五郎さん、ヒャダインさん、森雪之丞さん、坂本真綾さんとの各トークセッションの模様が収められていますが、この5人を対談相手に選んだ理由は?


岩里:もちろん他にも話してみたい方はいっぱいいたんですけど、まず5人ともとりあえずお話してみたかったんです。松井さんは私が35周年の時に初めてメールでご連絡をいただいて、今まで全くお会いしたことがなかったので、一度お話できればと思いました。ヒャダインさんはももクロちゃん(ももいろクローバーZ)の楽曲で出会って興味があったし、真綾ちゃんとはよく会うけれどちゃんと歌詞の話をしたことなんてなかったので。雪之丞さんは作詞家の中でも音楽寄りというのかな……作詞家というのは文学寄りと音楽寄りの二つに大きく分かれると思うんですけど、私は元々シンガーソングライターだったこともあって、自分のことを音楽寄りの作詞家だと思ってるんですね。自分は楽曲を理解して初めて詞を書くことができるし、詞先が得意じゃないのもそんなところがあるからだと思っていて。雪之丞さんもバンド出身の方なので、そういう部分でお聞きしたいことがあったんです。


――高橋さんは元ドラマーで、松井さんは元々ヤマハポピュラーソングコンテスト出身、ヒャダインさんも自作自演家として活動を行ってますし、坂本さんは他者への作詞提供もされてますが基本はアーティスト。そういう意味では、岩里さんを含め全員がミュージシャン寄りの作詞家と言えるかもしれませんね。


岩里:そうですね。松井さんはどちらかといえばフォーク寄りの方かもと私は勝手に想像していますが。私もその昔はニューミュージックと呼ばれる音楽をやっていましたけど、本当はゴリゴリのロック好きなんですよ(笑)。


――普段、作詞家同士で歌詞について話し合う機会はあまりないと思うのですが、実際にトークセッションでお互い向き合って話し合うことで、表現者同士だからこそわかりあえることもあったのでは?


岩里:それはもうたくさんありましたね。私たちは普段、ディレクターや作曲家と打ち合わせしながら詞を書いているわけで、他の作詞家の方と深くお話することはないんですね。でも、今回いろんな方と話してみたら、みなさん作詞に対する考え方がいろいろ違っていて。ただ、面白いことにひとつだけ、みんな別の表現ではあるけれど同じことを言っていることに、後から気づいたんです。それは「書きすぎない」ということなんですね。


 ヒャダインさんが対談の中でキャッチコピーのように「重要なのは、いかに言わずして言うか」とおっしゃっていましたけど、例えば久美子さんは「全部を書いてしまうと詞にならない」、松井さんは「言い切らずに曖昧にするのが自分流」というようなことを言っていて。真綾ちゃんも「(歌詞の受け取り方は)聴き手に任せる」と発言していましたし、そこは「リスナーに想像してもらって初めて詞が完成する」という意味で同じことだと思いました。それにしても、みなさん歌詞に対するアプローチが違っていて、毎回気づかされることがありましたね。


■書き続けていくためには変化していく必要がある


――このトークセッションを通じて岩里さん自身の作詞術にも変化があったのでしょうか。


岩里:ありましたね。私は遅筆で有名なんですけど(笑)、松井さんは「(1曲の歌詞を)2時間で書く」ことを自分に課してらっしゃっていて、それ用の1時間砂時計をいただいたんですね。そこで私も試してみたんですけど全然無理でした(笑)。でも、対談でおっしゃっていた「1番が出来たら貼り付ける」という松井方式は、客観的に全体を見渡せるし、同じ種類の言葉やパターンを繰り返すことによって型が生まれ、歌詞がロックっぽくなることに気づきました。でも結局、私は壊したくなるタイプなので、自分流の書き方に戻してしまいましたが(笑)。


――作詞のような創作活動には、絶対的に正しいやり方は存在しないですものね。岩里さんも仕事を重ねていく中で自分のやり方を磨き上げてきたわけでしょうし。


岩里:そうですね。私には私のやり方があるんですけど、書き続けていくためには変化していく必要があるんですね。自分も時代を感じながらいろいろとリニューアルしてきたわけですけど、私が歌詞を書く時に重要だと思っている譜割りにしても今は変化していて。ラップも昔は言葉をぎゅうぎゅうに詰め込んでたのが、今はKOHHさんみたいにまったりした乗せ方が主流になっているじゃないですか。今の若い人の音楽を聴くと「すごい!」と気づかされますし、そうやって自分を更新し続けながら、「岩里はどうあるべきか」ということを常に考え、感じながら私はやってきたんですね。ただ、今回雪之丞さんや松井さんとお話したことで、私が大事だと思ってたこととは違うやり方で時代を超えてきた人がいることに気づかされました。


 自分が今井美樹さんの曲を書き始めたのは30代の頃だったんですけど、その時は自分が良いと思ったものを何も考えずに出せば、それに共感してくれる人が世の中にたくさんいたような気がするんですよ。でも、長く活動してるとそういう時間はとても短いものなんだということに気づいて。だから「自分=時代」ではないんだけど、根本の感情はいつでも一緒のはずだから、私は自分が感じていることを歌詞として書いてるんです。作詞というのはタイアップでお題をいただくこともあるので、その場合は自分の生活とは全く関係ないことを書くわけですけど、その題材やテーマに共感する部分には私の感情が乗ってるんですね。対談で久美子さんに「真ん中は変わらないじゃない?」と言ったのはそういうことで、そこは10代の頃からさほど変わらない部分だと思うんです。それ以外は時代と気分を答え合わせするみたいな感じで変化させながら私は書き続けてきたんですけど、他の人はどうやって乗り越えてきたのかも、今回のトークセッションで知りたかったことなのかもしれないですね。


――どの方との対談も大変興味深い内容ですが、個人的には森雪之丞さんとの対談で目から鱗がボロボロと落ちました。


岩里:面白かったですよね!? 私もビックリしました。これは対談後記にも書きましたけど、雪之丞さんからはクリエイターとしての戦う姿勢、どう挑戦するべきかという生き様みたいなものを見せられた気がしました。やっぱり彼は詩人なんだと思ったし、「僕ら作詞家は、言葉という楽器で心を奏でるミュージシャンの一人だ」とおっしゃってたのが私はすごくうれしかったんです。いつも自分がどういう役割なのかを考えることがあるんですけど、「私もミュージシャンの一人なんだ」と思えたことがすごくうれしくて、作詞家っていいなあと改めて思いましたね。


――雪之丞さんがご自身の歌詞のことを「グラムとプログレ」と表現されてたのがすごく印象的で、まさに的確な自己分析だと思ったんですね。それで、もし岩里さんがご自身の作詞スタイルを音楽ジャンルに例えるとすれば、どう表現されるのかも気になったのですが。


岩里:みなさんがどう思ってるかはわからないけど、私は自分をオルタナだと思ってます。単純にオルタナ好きということもあるんですけど(笑)、自分の歌詞はすべてオルタナに落とし込んで接点を見出してるんですよ。いろんなキーワードで仕事を頼まれるわけですが、例えば「昭和っぽい感じ」といったキーワードの場合でも、まずオルタナの感性を通して着地点に持っていきます。それは菅野(よう子)さんとの仕事で培った部分でもあって、だから私は真綾ちゃんもオルタナだと思うんですよ。あっ、それと私はパンクも入ってますね。Buono!の曲はラモーンズとかのパンクっぽい部分で書いてたり……でも、ネタがバレちゃうから、私はそれをあまり声を大にして言わないほうがいいかなあと思ってて(笑)。


 でも、雪之丞さんはそれを自分で言い切れるところがすごいですよね。だって私が「自分の歌詞は全部オルタナです」と言ってもみんな「はあ?」ってなるじゃないですか。今井美樹さんの歌詞がオルタナだと言ってもみんなハテナと思うかもしれないけど、でも私の感性はやっぱりオルタナなんですよ。私の場合は結局、自分がどこに属するかよりも、与えられた楽曲をどう理解するか、ということが重要だと思うんですね。だから自分が本当に好きなもの、自分を構成してるものというのは、他の人から見るとわからないかもしれない。それをいろいろとねじって出してるので。


――いま、岩里さんの歌詞の秘密みたいなものに触れられた気がします。先ほど「昭和っぽい感じ」とおっしゃってましたが、JUNNAさんに提供された「火遊び」(2017年のミニアルバム『Vai! Ya! Vai!』収録)は、まさに昭和の歌謡テイストをオルタナの感性を通して表現した曲だと思いますし。


岩里:そうなんですよ。あの曲を聴いた時、大橋純子さんの「シルエット・ロマンス」とか、来生たかおさんが浮かびました。たぶん(作曲者の)コモリタ(ミノル)さんがその辺をイメージして書かれたんだろうなと思ったので、私もその雰囲気を今の平成の視点で書くとどう面白くなるかな? と思って出てきたのが「火遊び」だったんです。


■仕事を持って生活している全ての人に読んでほしい


――今回の対談相手の中では高橋久美子さんが一番お若いですが、対談してみて感じた彼女の個性や、自分にとっての新しい気づきは?


岩里:久美子さんはやっぱり感性の人、そしてストーリーの作り手だと思いました。彼女がやってたチャットモンチーはほとんどの曲が詞先だったから、久美子さんは音楽のない状態で書いたほうが自分を表しやすいと思うんですね。純粋詩というか、文学少女の部分から始まっている。そこが眩しかったし、物語性は私にはないものなので、話を聞いて勉強になり、「なるほど」と思いました。


 それと久美子さんも私も、知らないことがたくさんありそうなところは似てる気がしましたね。久美子さんは「シャングリラ」の本来の意味を知らなかったなんて驚きですよ(笑)。これは私個人の感想ですけど、例えば松井さんやヒャダインさんは理論的で物知りだと思うんですけど、私や久美子さんみたいに知らないからこそ詞が書ける、みたいなこともあると思うんですね。大きな声では言えませんが、私は日々の生活の中でもみんなが知識として知ってるようなことを知らない時があって(笑)。でも、それによって新鮮な驚きを得たりするんです。そういう感動や経験が歌詞になったりすることもあって。超前向きな考え方をすれば、「知らないことを知らないまま曖昧にしておける」というのは、作詞家になるための素養のひとつかもしれないですね。


――松井五郎さんはご自身の作詞術について理路整然と語られていて、作詞のメソッドのようなものが垣間見える内容ですね。


岩里:松井さんからは作詞の先生みたいに教えてもらいましたね。私は譜割りやワードのユニークさで自分を更新してきたところがあるんですけど、彼は譜割りもワードもずっと変えることなく今まで続けてきたんですよ。それがずっと不思議だったんですね。松井さんは歌詞で「言い切らない・断言しない」のが自分流で、それはそういう性格だからとおっしゃっていたんですけど、でもその「言い切らない」という方法論こそが時代を超えてきた秘密なのだと、ついこの前気がついたんです。


 例えば、伝えたいメッセージがあったとして、でも歌詞においてそれがお説教になってしまったらいけないわけで。けれどキャリアを重ねてくると紙一重でそうなってしまいそうになる時がある。「〇〇しなさい」とか「こうすべきだ」と書くのではなく、「〇〇はどうですか」「〇〇はどうだろう」と投げかける形にしたり、「○○かもしれない」と語尾を曖昧にして言い切らず、聴き手に答えを預けると、押しつけがましくなくなる。「あっ、これは松井さんの方法論だ!」と思ったんですよね。トークライブの時はそこまで気づけなかったんですけど、だから松井さんの作詞術は噛み応えがあるんです(笑)。


 それから、ヒャダインさんですが、「ワニとシャンプー(ももクロ)」の逆算した作詞には驚かされました。あの曲がタイトルありきで作られたと知って、そういう理数系の頭での発想法もあるのだと。たぶん、彼に難題を出したディレクターさんは、絵本のような詞を思い描いていたのではないかしら。でもフタを開けてみたら夏休みの宿題の歌だった!という。この裏切り方もとても勉強になりました。


――坂本真綾さんは、岩里さんが彼女のデビュー時から歌詞を提供してることもあって、他の作詞家同士による対談とはまた違った角度のものになりました。


岩里:私の書いた歌詞を、歌ったアーティスト自身がどう理解してくれたか、ということですものね。真綾ちゃんとの対談は彼女の楽曲尽くしでやったんですけど、彼女が私の書いた歌詞をどういうふうに思ってるのかちゃんと話したことはなかったので、楽しかったし嬉しかったですね。「風が吹く日」の私が知らなかった疑問を投げかけてくれたりして。それと今回取り上げなかった曲で「夜」という曲があるんですけど、彼女が今春のツアーでその曲を歌ってくれたんですね。それでツアーが終わった後に「この詞すごい! 対談で「夜」を取り上げればよかった」と言ってくれたりもして。


――今回、5人の方と対談することで、自分の歌詞についてあらためて気づかされた部分はありますか?


岩里:ヒャダインさんが語ってくれた美樹ちゃんの「雨にキッスの花束を」のポイントは自分でも気づいてなかった部分でとても勉強になりましたし、雪之丞さんが(シェリル・ノーム starring May’nの)「ノーザンクロス」を選んでくれたことも意外だったんですけど、何より彼が中川勝彦さんの「Skinny」をほめてくれたことが、倒れそうなぐらい嬉しかったです(笑)。


 「Skinny」の詞は私がまだ20代の頃に書いたものなんですけど、その後の今井美樹さん以降の詞は、自分自身が楽曲を解釈して「こう書こう」と思って書いてるから自分でも把握できてるけど、それ以前の仕事についてはまだ新人でわからないことだらけだったので、自分で語ることができないんですね。そんな時代に書いた歌詞を取り上げて分析してくださったことが嬉しかったし、中川さんはロックアーティスト、曲を書いたのも白井良明(ムーンライダーズ)さんで、この曲自体がロックだから、もしかしたら私の本質はそういうところにあるのかもしれないですね。


――今後、またトークセッションを行うとしたら、岩里さんはどんな人と対談してみたいですか?


岩里:くるり、クリープハイプなど大好きなバンドもたくさんいますが、思いっきり若手のバンドとかに話を聞いてみたいですね。若手の面白い楽曲に触れるといつも「すごい!」って思うし、その感動で自分の詞が書けたりするんですよ。それは例えば面白い映画を観た時に興奮して歌詞を書きたくなる時と似てるんです。息子が平成3年生まれなんですけど、そのさらに下の世代の人たちは、なんか方程式が違う気がするんですよね。つい最近だとOfficial髭男dismの曲を聴いて「おーっ!」と思いましたし、あいみょんとかyonigeとか平成生まれの人たちは「どうなってるんだろう?」と思うぐらいで(笑)。そういう自分にとって違和感を感じる人はいっぱいいるから、お話を聞きたい人はいくらでもいますね。


――めちゃくちゃ面白そうなのでぜひ実現を期待しています。最後に、今回の書籍『作詞のことば 作詞家どうし、話してみたら』を、どんな人の手に取ってもらいたいかお聞かせください。


岩里:これは詞を書きたい人や作詞家になりたい人に向けて作ったわけではなくて、作詞という仕事で一生懸命生きてる人たちの生き様、私たちが日々どのように自分の仕事と向き合って生きてるのかを語ってる本だと思うんです。専門書や指南書では全くないし、そういう意味では仕事を持って生活している全ての人に読んでほしいですね。


――それに加えて、本書ではいろんな作詞家の方がそれぞれの視点で歌詞の読み解き方を語られているので、我々が音楽を聴く際に歌詞をより深く楽しむためのヒントもたくさん盛り込まれているように感じました。


岩里:一番最初に言った通り、詞は一面ではなくいろんな側面を持っていて、書いた本人も気づかないことがあるんです。なので、この本には載っていない感じ方もあると思いますし、逆にそういうものを教えてもらえたら私たちもうれしいですね。


(北野 創)