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大雪の日のチェーン規制、全国13区間でスタート 気になる罰則は?

2018年12月23日 08:42  弁護士ドットコム

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国交省は12月14日、大雪の日はタイヤにチェーンの装着を義務付ける「チェーン規制」を始めました。国交省の発表によると、チェーン規制が実施されるのは、大雪特別警報や大雪の緊急発表が行われるような異例の降雪時で、場所は「勾配の大きい峠部でこれまでに大規模な立ち往生などが発生した区間を対象」とし、2018年度は全国13区間(国道6区間、高速道路7区間)です。


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チェーン規制Q&A(国交省のサイト)http://www.mlit.go.jp/road/bosai/fuyumichi/tirechains.html


これらの区間の中には、2018年2月の大雪で車が立ち往生した区間も含まれています。しかし、「大雪の時だけ、限られた区間の規制だから、雪道に備えなくても大丈夫」というわけではありません。もともとノーマルタイヤで雪道を走行する行為は、道路交通法71条6号の遵守義務違反にあたります。もしも違反した場合、どのような処分の可能性があるのでしょうか。好川久治弁護士に聞きました。


●ノーマルタイヤの雪道走行はどんな違反?

ノーマルタイヤでの雪道走行はどのような違反になりますか?


「ノーマルタイヤで雪道を走行する行為は、道路交通法71条6号の『道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項』の遵守義務違反となります」


万が一、ノーマルタイヤで事故を起こしてしまった場合、刑罰や賠償金などはどうなりますか?


「これらのルールに違反した場合は、道路交通法違反として、5000円~7000円の反則金を課せられます。指定された期日までに反則金を納付しない場合や、交通事故を起こした場合など反則制度の適用がないケースでは、刑事裁判となり、5万円以下の罰金に処せられます(同法120条1項9号)。なお、違反点数の減点はありません。


雪道をノーマルタイヤで走行し、スリップをして交差点等で他人の車や人に接触して損害を与えると、通常よりも落ち度が大きいとして、負担すべき損害賠償額も大きくなる可能性があります。


また、人身事故を起こした場合も、悪質であるとして、自動車運転死傷行為処罰法の過失運転致死傷罪に問われる可能性が高くなり、その場合は7年以下の懲役若しくは禁錮、又は100万円以下の罰金に処せられる可能性があります(同法5条)」


もしも、今回のチェーン規制に違反してしまった場合は、どうなるのでしょうか?


「今回のチェーン規制は、道路法45条2項と道路交通法4条5項に基づき、『道路標識、区画線及び道路標示に関する命令』という省令を改正して、チェーンを取り付けていない車両の通行を禁止する規制標識を新設し、同時に、道路管理者が道路法に基づき規制区間を設けることで実現するものです。


したがって、罰則は、道路交通法ではなく、道路法46条1項違反(6月以下の懲役または30万円以下)として科せられることになると考えられます。もっとも、道路法には、道路交通法にあるような反則金制度はありませんので、違反して事故でも起こさない限り、チェーン規制に違反しただけで、直ちに罰則が適用されるようなことはないと思います」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
好川 久治(よしかわ・ひさじ)弁護士
1969年、奈良県生まれ。2000年に弁護士登録(東京弁護士会)。大手保険会社勤務を経て弁護士に。東京を拠点に活動。家事事件から倒産事件、交通事故、労働問題、企業法務まで幅広く業務をこなす。趣味はモータースポーツ、ギター。
事務所名:ヒューマンネットワーク中村総合法律事務所
事務所URL:http://www.hnns-law.jp/